欠落者怪奇譚『DEVIANT』

　五感や喜怒哀楽といった人間に当然備わっているはずのものが欠落し、その代価として異能の力を得た『欠落者』が存在する世界。欠落者である央城巴月は、骨董店を営む怪しげな魔法使い、柊千亮の下で、元同級生の浅岡聡介と共に欠落者による案件を半ば力づくで解決する仕事を生業としていた。
　ある日、聡介が酷似した三件の自殺事件の話を巴月に持ちかける。全く別の、何の関係もない女性が三人。彼女たちは示し合わせたかのように、同じ状況で自殺していた。さらには、その三人の年齢と体型、体質、容姿が非常に似通っている点から、他殺、更には欠落者の関与を疑う聡介と巴月だが、警察の見解は自殺で終了。柊の指示もあり、独自に調査を進める聡介だったが、その過程で犯人に遭遇。怪我を負い、犯人に身柄を拘束されてしまう。犯人の少女はやはり…続きを読む