第16話 入団試験編 宿の変
第二試験が終わった日の夜。
蒼蒔と幽姫は近くの町で宿に泊まった。
「第三試験場は
「僕聞いたことあるよ!怪異物がいっぱい出るから誰も近づかないっていう山だよね!」
「最終試験は死者が多い」という蛍の言葉が頭をよぎる。
次の試験は今までの比にならないくらい厳しい試験になるかもしれない。そんな予感がする。だが次の試験に合格すれば御手守師団に入団出来るんだ。とりあえず今は寝て疲れを取ろう。
「よし!寝よう!」
「蒼蒔〜一緒に寝ようか〜」
ギュッ!
布団の中で幽姫が蒼蒔の腕にしがみついてくる。
「あっばっ!離れなさい!」
幽姫は女の子にしか見えないんだからこういう悪戯はマジで辞めてほしい。ずっとじいちゃんと2人で山奥に篭ってたから女性に対する免疫がないのだ。
「あー!蒼蒔顔赤くなってるー」
「なってねえし!暗くて見えないだろ!」
「ふふーん、僕は男だよー変な気起こしちゃダメだからね〜」
まったくこの悪魔め。
「本当に男なのか確かめてやろうか!」
手を揉み揉みさせて幽姫にすり寄る。
「ひぃ!蒼蒔のケダモノ!スケベ!女狂い!」
「ひどい言われようだな!」
ドサッ!
幽姫が蒼蒔の上に覆い被さるように乗る。
「あっ!ちょっ!おま!何やってんだよ!」
幽姫が着物を少しはだけさせる。
「でも蒼蒔がどうしてもって言うならいいよ」
なっなっ何がいいんだよ!?触ってもってことか!いやいや男に触る趣味ねーし!てか本当に男なのか!?
「くすくす」
幽姫が楽しそうに笑う。
「やっぱりダメ〜僕と蒼蒔は大切なお友達だからね〜!」
「あっ!お前!からかいやがって!」
幽姫が蒼蒔から降りて横になる。
「あれれ〜蒼蒔は本当に触りたかったのかな〜?」
「なっ!ちっ違うし!男なんか触るわけねーだろ!」
「くすくす、そーだね」
まったく!男相手にドキドキなんてしてないんだからな!
「僕は蒼蒔のこと信頼してるよーとっても」
スヤスヤ
そういうと幽姫は寝てしまった。
あーなんかさらに疲れた気がするぞー。俺も寝なくちゃな。
優しく幽姫の頭を撫でる。
「俺も大切な友達だって思ってるからな」
さて!寝よう!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます