第2話 入団試験編 決意

「ふぅ、ずいぶんくだってきたなー山奥すぎだっての」

青年は汗を拭って今さっき歩いてきた山を見上げた。

「じいちゃんの話だとこっから北へずーっと歩いていけばいいんだよなー、こりゃー2、3日じゃ着かねーかもな〜」

青年は少し休憩を取ると再び歩き始めた。

青年の名は【千早稲 蒼蒔(ちわせ そうま)】。

17歳。薪輪(まきわ)山の山奥で老父と2人で暮らしてきた。今回はとある目的があって山を降りたのだ。

「あー!遠いー!」

しばらく歩いてからふと山の方を振り返る。

じいちゃん大丈夫かなぁー、飯食えるかなー

いっつも俺が飯作ってたから俺がいなくても食べれるか心配だなー。それにしても、こんなに遠くまで来たの初めてかもな〜、たまーに近くの町に買い物に来たことはあったけどさー、あっ!そうだ!帰りにじいちゃんの大好きな【くさや】買ってってあげよ!俺は臭くて嫌だけどじいちゃんは喜ぶぞー。。

「っぐすん」

蒼蒔はじいちゃんのことを考えながら涙を流していた。

両親が怪異物に殺されて、自分も殺されそうなところをじいちゃんに助けてもらった。

それからは本当の息子のように俺を育ててくれた。

「うぅ、、じいちゃん、とおちゃん、かあちゃん、、」

俺、俺は、、

「俺は絶対に試験に合格して入団してやる!」

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