第23話 入団試験編 試験終了

内部から弾け飛んだ怪異物が崩れ去る。

「幽姫、あのバケモノを倒したのか、、?」

俺は驚きを隠せずにいた。あの可愛らしくて逃げてばっかりの幽姫が一撃であの怪異物を倒したのだ。しかも六大流派の当主だって?脚の痛みのせいか頭が混乱してよく理解出来ずにいた。

「うん、倒したよ。もう大丈夫。今まで逃げてばかりでごめんね。」

「いいんだ!俺は幽姫が無事ならいい」

俺は折れた両脚の骨が修復されて立てるようになった。

「蒼蒔!大丈夫なの?脚!」

「ああもう治ったから平気だ」

パチパチパチパチ

木の上から一花が降りてきて拍手する。

「おめでとう!2人とも!さっきの怪異物でちょうど5体の討伐完了だ。あとは時間がくれば2人は合格となる。」

俺と幽姫は抱きしめ合って喜んだ。

「ついにやったね蒼蒔!!」

「やったな幽姫!!」

「ほとんど蒼蒔のおかげだけどね」

「いや、幽姫に助けられたよ!怪異物に喰われるところだったからな!」

「よかったよ、蒼蒔が無事で!」

「俺も幽姫が無事でよかった!」

俺たちは涙を流してお互いを称え合った。


その後、2日目が何事もなく過ぎて第三試験の終了時間となった。

ドドドンッ!!

試験終了を告げる太鼓が鳴る。

二日間を最後まで生き抜いて戻ってきたのは俺と幽姫を含めて4人だけであった。

「これより今回の入団試験の合格者を発表する!」

「千年裏真流の千早稲ちわせ蒼蒔そうま

「白雲流の白雲はくも幽姫ゆき

双鉄そうてつ流の九重ここのえ日ノひのまる

20歳ぐらい男性で2本の日本刀を腰に差している。

夜霧よぎり流の野伏のぶせりん

20歳前ぐらいの女性で忍者のような服を着ている。

「以上4名が合格だ。後日、御手守師団の本部で正式に入団式を行うことになるだろう。

今日のところはこれで解散!」


俺はついに念願の試験に合格することが出来た。これで御手守師団に入団できる。

「蒼蒔はこれからどうするの?」

「俺はじいちゃんに合格を知らせに家に帰るよ幽姫は?」

「僕もお家に帰ってお父様に報告しなくちゃだね」

「じゃあしばらくお別れだな!」

「うん、寂しいけどまたすぐ会えるもんね!」

「ああ!次は入団式で会おうぜ!」

「うん!そうだね!」

俺は幽姫と手を振って別れた。

あっそうだ!じいちゃんにクサヤ買って帰んなきゃ!まったくあんな臭い物よく食べられるよな。

俺の帰る足取りは軽かった。

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