概要
あなたはどんな宝石になるのでしょう?
天に見放された世界。
人は死ぬと姿を宝石に変えた。けれど、黄昏の獣に食べられてはいけない。宝石も残らず消えてしまうから。
それはいにしえの罪の代価。錬金の王と呼ばれた最初の王さまが犯した罪──空から落ちた天のみ使いを愛したことの代償。
錬金の王と同じ姿をした少年リゼルは最後の王として冠を戴く。そして、兄も母も父も失くした孤独な少年王は、封じられた塔のてっぺんで片翼の天のみ使いを見つける。
すべては世界が崩れて終わるまでのさいごの光芒。
人は死ぬと姿を宝石に変えた。けれど、黄昏の獣に食べられてはいけない。宝石も残らず消えてしまうから。
それはいにしえの罪の代価。錬金の王と呼ばれた最初の王さまが犯した罪──空から落ちた天のみ使いを愛したことの代償。
錬金の王と同じ姿をした少年リゼルは最後の王として冠を戴く。そして、兄も母も父も失くした孤独な少年王は、封じられた塔のてっぺんで片翼の天のみ使いを見つける。
すべては世界が崩れて終わるまでのさいごの光芒。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!宝石は輝き、砕け、そして花となる。
『私は悲劇を愛する。悲劇の底には何かしら美しいものがあるからこそ悲劇を愛するのだ』
喜劇王と呼ばれたチャールズチャップリンの名言である。この物語を読み終わり、目を閉じたとき、かのチャップリンの言葉が頭に思い浮かんだ。
本作は悲しき物語である。そして、それゆえに美しい物語である。
望まずに王となった錬金術の天才少年リゼル。
片翼の翼をもつ天の御遣いと呼ばれる少女クライノート。
宝石のように美しく、硝子細工のように儚い彼らの人生が、ここには鮮烈に描かれている。
読んだものは思うだろう。
――救いがない。しかし、なんと美しいのか。
それはひとえに作者様の秀麗な感性と…続きを読む