かなしみをうつすてんし───

クライノート。ドイツ語で宝玉。そして、哀しみを記録する手記。

片翼の天使の金剛石のような瞳に映るのは、孤独に染まった自分である。
彼女はどこまでも他人でありながら、どこまでも真実の自分を映していた。
隠していた哀しみ、孤独。誰にも告げられない胸の内の黒いものを、彼女はどこまでも美しく、鮮明に記録していたのだ。
流すことの許されぬ涙をそっと流し、望んだ夢や希望を胸に抱き、少女は今、一輪の花になる。

その輝きは、閉じ込めていた深く暗い哀しみの中、一層眩い光を放っている───

その他のおすすめレビュー

幻中紫都さんの他のおすすめレビュー98