概要
仕方がないのよ。だって、わたしはあなたの運命の人ではなかったのだから。
いつかの未来に綴られた物語の中に自分の姿がないことに気がついたとき、わたしは物語の中でも背景として機能するいち『モブキャラ』であることを悟った。
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ポリンピアの街に住むアイリーンは幼馴染の少年・テオルドに恋する女の子。
だけどあるとき、禁断の森に迷い込んだアイリーンは熱を出し、三日三晩寝込むことになる。その夢の中で、別世界にいるという愛理(あいり)という存在が書物を通じて自分たちの世界を見ていたことを知る。その物語には、数年後に勇者となり、名を馳せたテオルドとそんな彼とともに旅をする現代からの転生者で巫女と呼ばれる少女の旅の様子が描かれていた。そして、その世界に自分がいないことを知ったアイリーンは、彼への長年の想いを断ち切るため、愛理の知識をも利用してあ
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ポリンピアの街に住むアイリーンは幼馴染の少年・テオルドに恋する女の子。
だけどあるとき、禁断の森に迷い込んだアイリーンは熱を出し、三日三晩寝込むことになる。その夢の中で、別世界にいるという愛理(あいり)という存在が書物を通じて自分たちの世界を見ていたことを知る。その物語には、数年後に勇者となり、名を馳せたテオルドとそんな彼とともに旅をする現代からの転生者で巫女と呼ばれる少女の旅の様子が描かれていた。そして、その世界に自分がいないことを知ったアイリーンは、彼への長年の想いを断ち切るため、愛理の知識をも利用してあ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!モブのわたしに、こんな展開は用意されていない。はずなのに・・・・・・。
姉妹編の、「【完結】結末のないモブキャラは仕方がないので王宮のありとあらゆるネタを駆使してベストセラー作家始めます」を先に読んだのですが、こちらから読んでおくとよかったなと、ちょっと後悔。
でも、通底するテーマは、同じなんですよね。
「モブ」って、どこに居場所を定めたらいいと思います?
適当なところ? たまたま機会があったところ? 予定調和の人材として?
私だったら、嫌ですよ。モブだって自覚はあっても、感情だって、願いだってある。
本作は、「モブ」を自覚する少女が好意的でない運命に向かって自分の足で進んでいく、切なくて脆く、けれど自分を何もかもはあきらめない、そんなストーリーです。
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