第22話 名もなき乙女のエピローグ

「アイリーン・オスバルト。君の力をわたしたちに貸してほしい」


 昼下がり。


 突然現れた王家の紋章をつけた男たちはそういうなり頭を下げた。


「魔物が現れたことはご存知でしょう」


「ええ。魔物対策ということでしょうか」


 いずれはこんな日が来るだろうとうすうす感じていた。


「ああ、力を貸してほしい」


 魔物対策にわたしにかけられた封印を解くことになるのだろう、と。


「もちろんです」


 わたしは二つ返事で答える。


 ずっとそう言うつもりでいた。


 名もなきキャラクターは、これからも自身で自分の物語を切り開いていく。

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【完結】結末のないモブキャラは仕方がないので自身の恋物語に終止符を打つことにしました 保桜さやか @bou-saya

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