第37話
良太は、優香とご飯に行ってから、
二人はこまめに連絡を取るようになり
だんだんと距離も近づいてきたのだった。
仕事も今の所は順調に成績が上がっていた。
今日は久しぶりに陽平から飲みに誘われ
居酒屋に来ていた。
「じゃお疲れ!乾杯!
ところで今日はなんかあったの?」
乾杯をしてから良太が陽平に尋ねた。
すると陽平は、
「実はさ、俺、
彼女が出来ました!!!」
と、言ってきたのだ。
良太は、
「おめでとう!!!良かったじゃん!!!
どんな子なの?写真ないの?見せてよ!?
性格はいいの?」
と、質問攻めをした。
陽平は、
「落ち着けって!性格は良い!!!
しかも可愛い!!!めっちゃ良い子だ!!!」
自信を持って伝えてきた。
写真もう見せてくれて
「めっちゃ可愛いじゃん!
陽平には勿体ない!!!」
写真を見た良太がそう伝えて笑っていた。
陽平も笑っていたが幸せそうだった。
良太は、
「でも、本当に良かったよ!
こんな可愛い彼女が陽平に出来て
俺も嬉しいよ!!!」
思っている事をちゃんと伝えて
陽平も喜んでいた。
すると陽平は、
「ありがとな良太!!!
ところで話は変わるけど
香織の話を友達から聞いたんだ。
一応話しておくけどいいか?」
そう聞いてきた。
良太は、正直興味もなかったが
一応聞いてみる事にした。
「俺も香織と別れてからは、
たまに連絡は取ってたんだけど
やっぱり戻ろうとは思えなくてそのまま
連絡を取らなくなっていったんだ。
香織の友達の話だと、
連絡を取らなくなった後から
男遊びが激しくなったらしく
常に男と一緒にいたみたいで
その男っていうのも
毎回違う男だったらしいんだ。
大学も一応来ていたみたいだけど
最後の頃は見かけなくなって
卒業したのか微妙だったらしいんだけど、
その友達にはたまに連絡がきて、
毎回、男紹介してって連絡だったみたいだ。
最初はしょうがないから
一応紹介したみたいだけど
上手くいかなかったから次って言われて
もう紹介しないって揉めて
そこから連絡は取ってなかったらしい。
その友達が
ついこないだ偶然街中で香織を見かけて
雰囲気が昔の感じに見えたから
声をかけ見たんだが
子供連れだったみたいで
結婚したのか聞いてみたら
結婚はしていなかったみたいで
父親もわからないと言ってたみたいだ。
それで気づいたら産むしかない時期になっていて
子供を産んで育ててると言っていた。
子供を産んですぐは荒れたらしいんだが
純粋で無垢な子供を見ていて
今までの自分が恥ずかしくなって
情けなくなって後悔ばかりして
それで子供をしっかりと育てていこうって
心に誓ったらしい。
今までので償いではないけど
子供には幸せな人生を送ってもらえるように
今は精一杯仕事と子育てを
両立させているって言ってた。」
良太は想像以上に重い話に
何も言えなくなってしまったが
陽平は続けて
「そんな話を聞いて
俺もどうしたらいいのか
わからなかったんだけど
もし陽平に会う事があったら
伝えてくださいって言われた事が
「あの時は本当にすいませんでした。
陽平を傷付けてしまった事を後悔してます。
だから幸せになって下さい。」
って言ってたらしい。
良太にも
「良太君を傷付けてしまった事も
本当にすいませんでした。
許されない事をしてしまいました。
本当にごめんなさい。」
って伝えてくれって。
それを聞いても
許すとかじゃないかもしれないけど
一応伝えておこうって思ってな。」
二人ともなんとも言えない気持ちになったが
香織が色んな経験をした事はよくわかった。
良くも悪くも今は子供と幸せを築ける事を
祈るしかない。
ただ、思う事もあった。
ただやりたいだけの男なんて山ほどいる。
そんな男を選んだ香織も悪いが
無責任にいなくなる男も悪い
結局産むのは女性なのだから。
そこで過ちに気付けた香織はまだ良い方だ。
子供に罪はない。
だから子供を虐待したりネグレクトしている
親にならない事を祈るしかなかった。
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