第26話

良太のキラーパス?をもらった秀人は、


「お前なんて事言ってんだよ!

四ノ宮さんは、

確かに清楚で美人でお淑やかで落ち着きがあって

一途に思い続けれられて反省も出来て

辛い過去を持っていて

それに立ち向かう勇気があって

全てが俺の理想通りで最高だが

俺なんて勧められたても

迷惑に決まってるだろ!?」


良太は、引いたマジで顔まで引き攣っていた。

別にまだ勧めるまではしていない。

彼女がいない事と

清楚美人が好きとしか言っていないのに

勝手に理想通りと言っていた。

人によっては失礼だろうとも思った。


花蓮はポカンとしていたが、

理想通りと言われて

急に恥ずかしくなったのか

耳まで真っ赤にして

下を向いていた。


意外と満更でもなかった。

これは本当にいけるのではないかと

良太は思い始めた。

とりあえず秀人を褒めることにした。


「秀人は本当にいい奴でさ、

いつも相談に乗ってくれるんだよ!

仕事は真面目で結果もでして

同期の中でもトップクラスだよ!

女の子にも優しくて信頼されててさ

世話焼きなんだ!

世話を焼きすぎるのが玉に瑕なんだけどさ!

でも好きになったら尽くしてくれるし

ずっと好きでいてくれるんじゃないかな?

もしかしたら四ノ宮さんと相性ピッタリかもよ?

とりあえず連絡先でも交換して

色々と相談してみたら?

秀人に話すと

悩みなんてどうでもよくなっちゃうよ?

とりあえず携帯出して連絡先交換しちゃいなよ!」


本当の事も混ぜながら褒めておいた。

相談に関しては

秀人に相談しても結局

検討違いな答えしか返ってこないから

どうでもよくなってしまうんだが

それはそれで嘘は言っていない。

連絡先の交換まで言ったおいたんだから

あとは二人次第だろうと思い

秀人を見ると


「お前そんな風に俺のこと

思っててくれたのか!?

俺は最高に嬉しいぞ!!!」


と、泣きながら言っていた。

やっぱりアホだ。

アホだが憎めない。

不思議と笑ってしまうのだ。


きっと今の花蓮には

秀人みたいな奴が必要だと

本当に思っていた。

いつまでも昔のことを引きずって

幸せになれないなんて

可哀想すぎる。

だからこそ花蓮には

秀人のようなアホが明るい男が

一番いいのだ。


花蓮も最初はどうしていいか

わからなかったようだが

秀人が良太の話を聞いて泣いている姿を見て

安心した顔をしていた。

そっと携帯を出して


「萩原さん!

もし良ければ

私と連絡先を交換して頂けませんか?」


携帯を差し出しながらお願いをしてきた。

秀人は、


「こちらこそよろしくお願いします!!!」


婚活パーティーのようになっていた。

良太は思わず笑ってしまった。


「良かったな秀人!!!

四ノ宮さんもありがとう!!!」


と、良太はすごくいい事をした気持ちになった。


「良太ありがとうぉ!

さすが俺の親友だぁ!!!!」


と、喜びを爆発させていた。

いつの間に親友になったのかとも思ったが

親友とは

いつの間にかなっているもんなんだなとも思った。


花蓮も


「熊谷君、ありがとうございます!」


と、喜んでくれていたみたいでよかった。


「じゃあもう暗い話はなしで

楽しく飲み直そう!!!」


良太も気分が良くなり

楽しくなってきて飲み直す事を提案した。


二人も賛成してくれてそのあとは

三人で笑い合って楽しい時間を過ごせた。


最初は逃げることばかり考えていたのが

嘘のように楽しい時間を過ごせた。


花蓮との事もこれでちゃんと出来た気がした。

秀人には、本当に感謝しなければとも思った。

今は、花蓮と話せて良かったと心から思える。

花蓮の顔も

最初とは見違えるくらい良くなった。


今も秀人と楽しそうに会話している。


「このまま秀人と四ノ宮が上手くいってくれれば

俺がキューピットだな!!!」


なんて思いながら

二人の姿を見てビールを一気に飲み干してのだ。


良太にとって

今日のビールは最高に美味かったのだ。



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