第25話

良太は秀人のタイプの女性を思い出し

花蓮がぴったりだと思った。


前に秀人に聞いた時こんな事を言っていた。


「見た目は清楚系美人だな!

処女ではないが経験人が少ない方がいい!

一途に思い続けられる人!

責任感が強い人!

あと辛い過去を背負っている人もいい!

辛い過去にしっかり向き合って

立ち向かう姿なんて最高だな!

全力で応援したくなる!

俺の愛で全部受け止めて幸せにしてあげたい!

あとは、出来れば年も近い方がいいな!!!」


その時は、


「そんな奴いねぇだろ?

秀人諦めろ!!!」


と、笑っていたのだが

今目の前にいた。

失礼だとは思ったが

秀人の理想の女性が目の前にいるのだ。


これは秀人にとってはチャンスなのだが

そこまでは、気付いていないらしいが

秀人にチャンスが到来したのだ。

良太はこのチャンスを

秀人に気づかせるために


「四ノ宮さんは本当に気にしなくて大丈夫

悪いのは俺だったんだから謝らないでよ!

これ以上謝られたら

なんて言っていいかわかんなくなちゃうよ?

だからもう気にしなくていいよ!」


と、これ以上は花蓮が

謝まらなくてもいいように伝えた。

花蓮は、


「熊谷君、ありがとう!

そう言ってくれて本当にありがとう!

気持ちが楽になりました!」


空かさず良太は、


「それで、今でも時田の事は好きなの?」


と、確信に迫り始めたのだ。


「時田君の事は好きって感情は今はないかな!

巻き込んでしまって

申し訳ない気持ちはあるけど…」


と、落ち込んだ様子を見せていたが

今は時田を好きではないようだ。

だが、時田の話を聞いて良太は、


「巻き込んだっていうより

時田が一番悪いけどね!

時田はきっと反省してないよ?

だから時田こそ地獄に堕ちればいいんだ!!!」


心の声が出てしまった。

ブラック良太が顔を出し

不気味な笑みを浮かべていた。


花蓮が引いていた。

秀人にまた頭を軽く叩かれ我に返った良太は、


「イマノハチガウカラネ!

アンシンシテ!!!」


焦って違うと言ったが、

良太自身も何が違うかよくわかっていなかった。

気を取り直し


「時田と別れてからは

誰かと付き合ったりしたの?」


秀人の為に情報を引き出し始めた。


「時田君と別れてからは、

誰とも付き合ってないよ。

付き合うのが怖かったっていうのもあるけど

ずっと熊谷君に負い目を感じていたから…

私なんかが幸せになっちゃいけないって。」


秀人の条件にほぼ一致している。

良太は、


「じゃあもう負い目は感じないで済むね!

四ノ宮さんは悪くないんだから!!!」


満面の笑顔で伝えた。

空かさず良太は


「じゃあ今は

好きな人とか気になる人もいないって事?」


どんどん質問していった。

花蓮も困惑していたが

ちゃんと答えてくれた。


「今は、好きな人も気になる人もいないよ。」


良太は秀人を見ながら頷いた。


「俺とは付き合ったうちに入らないから

俺との事は気にしないでいいからね!!!

じゃあ次は、どんな人がタイプなの?」


と、質問攻めをして

情報を引き出しまくっていたが


「タイプはわからないかな。

今までそんな事考える余裕がなかったから

でも今は、

こんな私の事を

好きになってくれる人がいるかわからないけど

私の事を好きになってくれるだけで嬉しいかな!」


花蓮がそんな事を答え、

良太はここまで聞けばもう大丈夫だろうと思い

秀人を見た。


秀人は女の子のように顔を赤らめ

モジモジしていて正直キモいと思ったが

ここで良太はキラーパスを出すことにした。


「あれ?秀人って彼女いなかったよな?

しかも清楚美人がタイプだったよな?

四ノ宮さんなんてぴったりなんじゃないか?」


と、ニヤニヤしながら言ってみたのだ。

普通の人だったらキラーパスでもなんでもなく

只の余計なお世話である。

だが、秀人にとってはキラーパスに変わったのだ。

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