第10話

四度目の寝取られ現場に行く前に

良太の

今回の彼女との馴れ初めを話しておこう。


良太は、大学に行っている間は、

彼女を作らなかった。

怖くて作れなかったが正解だ。


友達みんなに同情され、

合コンも誘われたが、

決して行く事はなかった。


女友達にも、

慰めてあげるよと

誘ってくれる子もいたが、

トラウマ的に思い出してしまうので

丁重にお断りしたのだ。


友達には愛されているキャラではあったのだ。



就活に集中する事にした良太は、

それなりに名が通った商社に

内定をもらうことが出来たのだ。



大学を卒業した良太は、

内定をもらっていた商社に入社した。


研修を終えた良太は、

営業の部署に配属が決まり

先輩や上司と一緒に

営業回りに着いていく日々で

仕事に慣れるまでは、

彼女を作る余裕もなかった。


良太は、普通に真面目なので

仕事もなんとか上手くこなし

人間関係も愛されキャラを活かして

良好な関係を築いていた。


社会人2年目になり

仕事にもだいぶ慣れてきた。

プライベートは、変わらないが

営業回りも

一人で行かせてもらえるようになり

なんとか仕事では、

成長した姿が見られていた。


何社か営業に回っていると、

受付のお姉さんに

顔を憶えて貰えるようになり

営業に行く度に楽しみが増えていった。


その中の一人が、

声を掛けてくれるようになり

呑みに行く事になったのだ。


美人なお姉さんって感じの

雰囲気のある女性だった。


名前は、


佐伯美希


人当たりも良く

年も良太より二つ上と

ちょうどよかった為

話題を合っていた。


呑みに言っては会社の愚痴を言い合って

ストレス解消をしあっていた。


元彼の話になった時に、

寂しげな顔をしていたが

良太のくだらない話などをして

気を紛らわせて笑わせたりしていた。


良太は、

元カノ達の話をしようと思ったが

カッコつけたかったので

話さない事にしたのだ。


何度か呑みに行き

どちらともなく付き合う事になったのだ。


それからの一年は、

本当に楽しかった。


良太にとっては、

ようやく普通の彼女ができたのだ。


今までの反省を活かして

流れに身を任せながら過ごした。

二人でいる時間は、

本当に幸せだったのだ。


美希とは、

急に会う時間が合わなくなったり

いきなり会う事になったりと

会う日が変更になる事は多かったが


会社が違うので

急な仕事が入ったり

急に仕事が無くなってんだと思っていた。


美希に

時間が出来たから

会いたいと言われたら

すぐに行ってしまうのが

良太のいいところだ。



良太自身も、

会いたいと言ってもらえて嬉しかったし

会う度に、好きとも言ってもらえていたので

愛されている実感があったのだ。



そんな日々の中で

最近、美希が一緒にいる時に

悩んだ顔をすることが多くなった。


「どうした?なんか悩みでもあるの?」


良太が聞いても


「なんでもない。大丈夫だよ!」


と、返されてしまう。


心配だが、

言ってもらわなければ

良太もどうしようもない。


なので、

なるべく気に掛けるようには

心掛けていた。



そんなある日、

仕事帰りに会う予定だったのだが


「ごめん急に仕事が入っていけなくなった。」


と、連絡がきたのだ。


「わかったよ!

無理しないでね!」


良太は、それだけ返信した後

同期に呑みに誘われて断っていたので

予定が空いたと連絡して

同期と合流して、呑みに行く事になった。


一応美希にも連絡は入れておいたが

忙しいのか既読もつかなかった。


そのまま呑みに行き

同期呑み会を楽しんでいた。


帰り道は、

みんな別だったが、

ひとりの同期が愚痴が収まらず

良太だけ捕まってしまい

2軒目のバーに連れて行かれた。


バーは、飲み屋街の奥の方にあり

歩いて向かった。


同期の愚痴を聞きながら

バーに向かって歩いていると

ちょうどホテルがあった。


またタイミング良く

そこから、美希とダンディーなおっさんが、

出てきたのだ。






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