第11話

4度目の寝取られ現場遭遇すると言う

ミラクルな体験を

良太は、

今現在、

体験しているのだ。


飲み屋街の中にあるホテルなので

ラブホテルだ。


ラブホからダンディーなおっさんに

肩を抱かれながら出て来た美希の姿に

良太は、ため息をついていた。


「またなのか…」


と、良太自身が

呪われているんじゃないかと思ったのだ。


「なんでいつもこうなんだよ…

俺が何をしたって言うんだ…」


同期は、何も気付かずに

愚痴を撒き散らしながら歩いている。


良太も


「もういいや…」


問い詰める気力も無くなっていた。

同期の後を追って歩き始めようとした時、


「良太?」


美希がこちらに気が付いてしまったのだ。


良太は、呼ばれた事に気付いて

振り向いてしまったが、

何も見なかったかのように

同期の後を追ってく歩き始めた。


美希は、ダンディーなおっさんの手を

無理やり退けて良太の方へ

走って向かってきたのだ。


良太は、何も気にせず歩いた。


「良太待って!

お願いだから待って!」


美希は、走りながら

そんな事を言ってきた。


話を聞く気力なんて

良太にはなかった。


見たものが全てだ。


ラブホからダンディーなおっさんと出てきた。

その事実だけで十分だったのだ。


そのまま無視をして歩いた。

それでも美希は、


「お願いだから待って!

話だけでも聞いて!」


と、後を追ってきたのだ。

流石に同期の男も気付く、


「良太の知り合いか?」


と、聞いてきたので


「一応な…」


良太は答えた。


「先に行ってるから終わったら来いよ!」


同期は、

一人でバーに向かって歩いて行った。

酔っ払ってはいるが、

大丈夫なようだ。


美希は、ようやく良太に追いつき


「良太…

言い訳はしないから

話をさせてくれないかな…?」


美希の顔は、真剣だった。

真剣だったからこそ聞きたくなかった。


「今見た事が全てでしょ?

今さら聞いても意味ないよ…」


良太は、聞かずに歩き始めた。


「お願いします!

話だけでも聞いてください!」


それでも美希は引かなかった。

良太は、同期の事も待たせているので


「今すぐじゃなきゃダメなの?」


強い口調で返した。


美希は下を向いたが

小さな声で


「出来れば聞いてほしいです…

お願いします…」


「ちょっと言ってくるから

待ってて。」


感情のない声で良太は答えた。



同期の所まで行くまえに

別な同期に連絡して

事情を説明して

代わりに行ってもらえるようにお願いした。

代わりに飯を奢る事になったが仕方がない。


同期の所まで追いつき

簡単な事情をして


「ちょっと話さなきゃいけなくなったから

一緒に行けなくなった。

代わり呼んでおいたから

少し飲んで待ってて!」


と、伝えてから

美希の元に戻った。


美希の所に戻ると

さっきのダンディーなおっさんがいた。

美希と揉めているようだった。


良太は、美希の近くまで行くと

おっさんが、


「こいつが例の彼氏か?」


偉そうに言ってきたのだ。


美希と揉めていたおっさんは、

良太を見下したような態度で

例の彼氏かと言ってきたのだ。


「例の彼氏?」


良太は、疑問に思ったが


「また前と同じパターンか…」


ため息しか出なかった。


おっさんは偉そうにしていたが

良太はおっさんに対して何も思わなかった。


「なんでいつもこうなるんだ…?」


自虐めいた事しか思い浮かばない。

良太は、やはり帰る事にしようと思い

その場を後にしようとしたが

美希がおっさんに


「お願い!あなたは黙ってて!

良太と私の話なの!」


良太には、


「良太、お願いします!

言い訳はしません!

話だけでもさせてください!」


諦めの気持ちしかない良太は、


「勝手にしてくれ。」


と、伝えた。


おっさんは終始、

不機嫌な顔を隠そうともしていなかったが、

帰ろうとはしなかったのだ。


美希は、

落ち着ける場所に移動したいと言ってきてので

個室に居酒屋に入り話すことになった。


おっさんもついてきて

話をする事になったのだが

おっさんの顔を、

どこかで見たことがあった。





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