第17話

会社に出勤した良太は、

同期にその事を話した。


「良太さ、最近太ったもんな!

スーツもパツパツになってきてるよ?」


衝撃的な事実であった。

良太も気にしてはいた、

気にしてはいたのだが

はっきり言われると

ショックだった。


仕事を始めてから運動もしていないし

不摂生な生活をしている。


これは良くないと思い

ジムに通おうと思ったが

そんな時間はない。

どうすればいいのか考えたのだが

家で筋トレすることしか浮かばない。


そこに結城部長がちょうど通りかかったので


「結城部長!

どうしたらそんなに

スタイルが良くなれるんですか?」


結城部長は、30代後半なのに

お腹も出ていない。

身長も高く

スーツも似合う

そしてオシャレだ。


「どうした熊谷?

スタイル?体型のことか?」


結城部長は、驚きながらも聴いてくれた。


「そうです!

スタイルが良くなりたいんです!!」


良太は友達に言われた話をした。

すると結城部長は、


「今は、時間がないから

昼飯でも一緒に食いながら

話を聞くぞ?

それでもいいか?」


「全然大丈夫です!

よろしくお願いします!」

「俺も一緒にいいですか?」


同期も聞きたかったようで


「全然いいぞ!」


結城部長と同期と良太の三人で

昼食を食べながら話す事になった。



昼休憩になり

結城部長は、弁当があるようで

良太と同期も近くのコンビニで

急いで弁当を買い結城部長の所に向かった。



「今回は、

スタイル?体型のことで大丈夫か?」


結城部長は、

愛妻弁当を食べながら話し始めた。


「そうなんです!

体型が良くならないと

服が似合わなくて。」


良太がそう答えると、


「服装も気にする様になったのか!

熊谷は、どんどん良くなっていくな!!」


と、いつものように褒めてくれた。


「俺は仕事帰りにジムに行って

インストラクターの方に

全部教えてもらいながらだから

なんとも言えないんだが、

それでも大丈夫か?」


と、いつもより自信なさげだったが


「結城部長は、

ジムに行く時間あるんですか?

めちゃくちゃ忙しそうで、

そんな時間あるように見えないんですけど?」


同期は、ジムに通えている事に驚いていた。


「上手く時間を調節すれば行けるぞ!」


結城部長は、

簡単だと言わんばかりに言っていた。

同期が食いついた。


「どうすれば時間を作れるんですか?」


すると結城部長は、


「一日の組み立てと無駄を無くす事だな!

まずはスケジュール管理と

前にも話したと思うが、

リスクマネジメントで

リスクを考え選択肢を増やす事に

無駄を無くす事を入れるだけだな!」


同期もだが良太も聞きたかった。


「無駄ですか?」


「そうだ!無駄を無くす事だ!

じゃあまずは今すぐ出来る事からだな!

仕事ができる人のデスクは上は、

どうなっていることが多いか分かるか?」


と、質問してきた。


「デスクですか?

キレイ?ですかね?」


同期と顔を見合わせながら答えた。


「そうだな!

キレイだし整っているな!

だが、ここで大事なことが分かるか?」


結城部長はまた質問してきた。

考えたが良くわからなかった。

二人で首を振ると


「ここで大事なのは、

どこに何があるとちゃんと

わかるようになっていることなんだ!

デスクの上がキレイだと

どこに何があるかがすぐにわかる!

デスクの上だけでは、

無駄を無くすまではいかない。

次にデスクの引き出しも一緒だな!

引き出しの中が汚かったら意味がない!

引き出しの中のどこに何があるか

開けた瞬間にわかるようになっていると

無駄はなくなりやすくなるんだ!!」


結城部長の言っている事はわかるが、

無駄がなくなることが良くわからなかった。


「まだわかりずらいな。

じゃあ例えばで言うと

印鑑を押さなきゃいけない書類があったとしよう

デスクのどこに印鑑が有ればすぐに推せるな!

だが、デスクが整理されておらず

どこに印鑑がわからないと

探す時間が出来てしまう。

すぐに見つかる時のあるかもしれないし

すぐに見つからない時もある。

その時間を簡単に1分としよう!

そんな事が一日に2回あったとする。

2分の無駄が生まれるな。

これが一週間だと14分の無駄になる

これが1ヶ月が

30日あったとすると60分の無駄になってしまう。

一年だと730分の

大凡12時間の無駄になってしまうんだ。

これはあくまで

毎日同じ事をしていればと言う事だが、

無駄な時間を少しずつ削って

残業の時間を少なくし

やりたい事をできる時間に当てる

そうすると効率も良くなり

仕事もプライベートも

充実しやすくなるんじゃないかな!

俺はそうして時間を作って

ジムに行ったり

家族との時間もしっかり取りたい!

スケジュールにも無駄がないように

移動する距離が近い取引先を選びながら

スケジュールを組んでいる!

無駄な時間が減らす事で

突然のアクシデントにも

対応する時間が出来やすくなるんだ。

リスクマネジメントにも対応出来る様になり

選択肢がもっと増やせるようになるんだ!

なんとなく伝わったかな?」


良太は、同期と一緒に


「無駄をなくせば

やりたい事が出来るんですね!!」

「無駄をなくしてジムに行く時間を作ります!!」


なんとなくはわかったようだ。


「まずは、実践あるのみだな!

だんだんとわかっていくと思う!

俺も滝田部長に言われたんだが、

最初は良くわからなかった。

でも、今はよくわかるようになった!!

だからまずは

デスクをキレイにすることから

始めてみるのもいいかもな!

スタイルに関しては、

インストラクターさんのような

プロに聞くのが一番いいと思うぞ!」


今回は、無駄についての話になったが

良太のプラスになった事は

間違いなかったのだ。








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