第2話
良太は、家に帰ってからも
放心状態だった。
花蓮に連絡を入れる事など
もってのほかだった。
友達みんなが
良太の家まで送ってくれたが、
動けそうになかったので、
家に入り、
部屋の中まで引っ張ってくれた。
両親にも、
友達が上手く説明しておくと
言ってくれたが、
どう説明したのかは、
わからない。
良太は、
只々、放心状態だった。
友達みんなが、
「あとは任せろ!
あいつら絶対許さないから!
良太は、安心休めよ!」
と、言って帰って行った。
いい友達を持ったものだ。
だが、この時の良太は、
何も考えられずに
ベッドに座って横にされたまま
動けなかった。
「花蓮なんでだよぉ〜」
と、一人泣いていた。
泣き疲れたのか
いつの間にか寝てしまったようで
気付いたら
夜中になっていた。
風呂にも入ってないし
ご飯も食べていなかった良太は、
まずは、風呂に入ることにした。
さっぱりして出てくると
キッチンに行き
お湯を沸かし
カップラーメンにお湯を入れた。
泣いて寝た事で
スッキリしていたのか
カップラーメンを食べ終わるまで
忘れていた。
カップラーメンを食べ終え
一息ついてから思い出した。
花蓮と時田の事を。
あの時はショックだったが
今は、裏切られた怒りが込み上げて来た。
「くそぉ!
あいつら!
俺の純愛を裏切りやがってぇ!!!」
と、一人でぶつぶつ言い
部屋に戻りながら
どうやって復讐するか考えていた。
部屋に戻り携帯をチェックすると
すごい量のメッセージと電話が来ていた。
急いで確認してみると
ほとんど、
良太を心配する内容のメッセージだった。
「なんでみんな知ってるんだ?」
と、思った良太だったが
去年のクラスのグループメッセージが
凄いことになっていた。
そこには、
花蓮と時田が手を繋ぎ歩いている写真と
ラブホに入って行く写真がアップされていた。
更には、
楽しそうに会話している風景の
動画までアップされていた。
良太は、動画など
いつ撮ったのだろうと思っていたが
放心状態だった良太が覚えているわけがない。
このグループメッセージには、
もちろん花蓮と時田もいるので、
二人はみんなから
袋叩きになっていた。
二人からのメッセージは、
一切なかったが、
既読の数が全員分あったので
この写真と動画を
見た事はわかった。
極め付けは、
良太が放心状態のまま
花蓮と時田がラブホに入るところを
見ている写真までアップされていた。
「いつのまに?」
と、また良太は思ったが
気付くわけがない。
その写真がアップされたあとは
更に酷かった。
さっきよりもヒートアップして
ボロクソに言われていた。
いつの間にか
既読が2件減っていた。
花蓮と時田は、耐えられなかったのだろう。
良太も、
自分がされていたら耐えられないと
身震いしていた。
みんなは、
一件既読が付かなかったから、
良太だろうと思い
心配のメッセージをくれたのだろう。
良い友達を持ったものだ。
敵に回したら恐ろしい事も
良くわかった。
良太は、
敵に回さないように
気を付けようと
心に誓ったのだ。
良太は、
復讐しようと思っていたが
友達がしてくれていたので
何もする気にはなれず、
逆に花蓮と時田を
少し気の毒に思ってしまうほどだった。
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