俺が何をしたって言うんだぁ!!!

ya_ne

第1話

熊谷良太


彼は、今まで生きてきた中で、

三度も彼女を寝取られるという

異色ので経歴を持っている。


一度でもあれば十分だが、

三度もあると流石に同情してしまう。


しかし、

今まさに

四度目の寝取られ現場に

直面していたのだ。



まずは、

一度目の寝取られから話していこう。


良太はどこにでもいる

普通な高校生だった。

容姿も普通

勉強も普通

絵に描いたようような普通だった。


そんな良太に、

初めて彼女が出来たのは、

高校一年生の最後の頃だった。


四ノ宮花蓮


清楚系の可愛いらしい女の子だった。


何故、付き合えたのかも

不思議なくらいだった。


良太は、花蓮とクラスが一緒で

初めて花蓮に会った瞬間から

一目惚れしてしまったのだ。


最初は、可愛い過ぎて話せなかった。

良太は普通だが、

明るい性格だった為、

あっという間にクラスに馴染む事が出来た。


しかし、花蓮の顔を見るだけで、


「可愛い過ぎる…!」


と、何も話せなくなってしまっていた。


周りのみんなは、

そんな良太の姿が面白くて

わざと花蓮の近くに行き話したり、

みんなで話している所に

花蓮を呼んで一緒に話したりと

良太を揶揄っていた。


そんな事もあって、

良太は、

だんだん花蓮と

話が出来る様になっていった。


そこに関しては、

みんなに感謝しなきゃいけない、

揶揄われていた事は忘れないが。


それはさておき、

ようやく普通に話せるようになるまで

半年以上かかってしまった。



年が明け、

新学期が始まってからの良太は、

花蓮に対して、

猛アプローチをかけていった。


友達みんなが引くくらいだった。

花蓮も引いていたが、

その猛アプローチが実って、

ようやく付き合う事ができた。


友達は、みんな驚いていた。

良太自身も驚いたくらいだ。



花蓮と付き合い始めてからは、

毎日が楽しくて仕方がなかった。


付き合い始めてすぐに春休みになり、

毎日、連絡を入れていた。

良太は、デートをしたかったのだ。


しかし、花蓮に

予定が入っていると言われ断られたり

デートに行ける日が決まっても

体調が良くないなどとドタキャンされていた。


あっという間に休みが終わり

クラス替えで、

花蓮とは、違うクラスになり、

理系と文系で棟も違くなってしまった。


会える機会が

ほとんどなくなってしまったのだ。


それでも良太は、

毎日連絡をした。

一応返っては来る。

返っては来るのだが、

冷たい、

とても彼女からの

メッセージとは思えないほど、

冷めた返事しか返って来なかったのだ。


それでも、別れてはいない、

なんとかデートだけでもできれば

変わるだろうと思い

デートに誘い続けた。


だが、何かしらの理由をつけられ

断られてしまうのだ。


そんな良太を見て、

休みに、友達が遊びに誘ってくれた。


ゲームセンターに行ったり

カラオケに行ったりと

みんなと楽しんだ。


スッキリした気持ちになれたので

また明日から花蓮に連絡して

デート出来る様に頑張ろうと思った矢先、


友達の一人が

花蓮らしき人物を見つけた。


みんなでその人物の方を見た、


花蓮だった。


男と手を繋ぎ歩いていた。


「どう言う事だよ!」


良太は、腹が立った。

今日だって用事があると断られていたからだ。


良太は、

花蓮の所に向かって行こうとしたが

友達に止められた。


「とりあえず落ち着け!

ひとまず後を付けてみよう!」


と、言われ、

後をつける事がにしたのだ。


花蓮は、男と手を繋ぎ楽しそう歩いている。


良太は、イライラが増していった。


「完全に浮気じゃねーか!」


良太が、我慢できなくなってきたが、

友達みんなが止めて来た。


花蓮が、手を繋ぎ一緒に歩いている男が

去年まで同じクラスだった、

時田慎吾だったからだ。


時田は、眼鏡を掛け、

帽子を被っていたので

最初は、わからなかった。


クラスが一緒だった時は

良太を応援してくれていた。


付き合ったと聞いて

一番驚いていたのも時田だった。


良太もそうだが、

友達もみんな驚いていた。


時田は、文系クラスなので、

花蓮と同じクラスだった。


良太は、

さっきまでの苛立ちが消えるくらい

ショックを受けていた。


友達みんなも唖然としていたが、

友達の一人が、


「尾行を続けるぞ!」


と、声を掛け

みんなで尾行を続けた。


良太は、友達に支えられながら

後をついて行くと、


ラブホ街に入って行った。


一瞬、みんな躊躇したが、

後を追う事にした。


そのまま、恥ずかしそうにしながら

ラブホに入って行った。


友達が、ラブホに入って行く姿や、

手を繋ぎ歩いている姿を

写真に収めていた。



良太は、膝から崩れた。

ショックが大きい過ぎた。


良太自身は、

デートすらしていないのに

信じられなかった。


友達はみんな怒っていた。


花蓮のことも

あんな子だとは思わなかったと。


時田の事は絶対許さないと。


その日はもう何も手に付かなかった。


まさか

初めて出来た彼女を寝取られるとは、

思いもしなかった。


みんなに支えられながらながら

なんとか家まで帰ったのだ。




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