第4話

二人目の寝取られは、

高校三年の夏だった。


良太は、花蓮のことがあってから、

慎重になっていた。


可愛い人は危ない、

次は、普通の人を選ぼうと

ずっと考えていた。


寝取られたからといって、

彼女がいらないわけではない。


良太は、モテたいし

彼女も欲しいのだ。


花蓮の時は、積極的に行き過ぎた。

今回は、

慎重に慎重を重ねるくらいの気持ちだった。



良太は進学も、普通の成績だった為、

行ける大学に行ければと思っていた。


なので、

早々に内部進学で行く事を決めた。

バイトをしていたから辞めたくなかったのだ。


学校で彼女を作ろうにも

花蓮の事をみんな知っている為、

同情されて、

恋愛どころではなかった。


だからこそ、

バイト先に出会いを求めたのだ。


バイト先には一つ下の


峯島優


地味目な女の子が一緒に働いていた。


優は、文学女子で

休憩中はいつも、

小説を読んでいた。


そんな地味だが

ミステリアスな雰囲気に惹かれて

徐々に好きになっていた。


慎重に近づき、

だんだんと仲良くなり、

付き合うまでに一年かかった。


だが、花蓮の時の事もあるので、

良太は、慎重だった。


付き合ってからもデートはすぐには誘わず

バイト先で会うだけにしていた。


バイト終わりも

少し話して、

すぐ帰るようにしていたのだ。


良太は、焦らずゆっくり

デートを誘い事にしていたので

優の気持ちは考えていなかった。


優は、すぐにでもデートしたかったし、

キスもしたかった。

その先のこともしたかったらしい。


しかし良太が、慎重にはなり過ぎた。


優は、待ちきれなかったのだろう。


付き合い始めて3ヶ月を過ぎても何もしない、

デートにも誘われない。


不安になっていた優は、

友達に相談したのだ。



付き合い始めてようやく三ヶ月がたった。


良太は、やっとデートに誘えると思い

ウキウキしていた。


メッセージや電話で誘おうとすると

断られてしまうかもしれない。


だから、

バイト帰りに直接デートに誘う事にしたのだ。


優とバイトが同じ日になり、

帰りに誘おうと思っていたのだが、

バイトが終わった後、

優を探してもいない、

いつの間にか、

荷物も無くなっていたのだ。


近くを探してもいなかった。


すぐに電話をしたが、

切られてしまい

メッセージを送ったが

帰ってきたのは、


「先に帰る」


だけだった。


何かしてしまったのかと良太は、

思っていたが、慎重になり過ぎて

何か考えがあるんではないかと

そのままにする事にしたのだ。


次のバイトが同じ日も

デジャブと思うほど

同じことがおきた。


良太は、前回と同じ行動とってみた。

すると


「先に帰る」


だけの返信で、全く同じだった。


やはり何か考えがあるんだと思って

そのままにした。


また次のバイトの時も同じだった。


良太は、

また、同じで

何もしなかった。


そのあとも同じことが続き

流石におかしいと思い始めた良太は、

ようやく確かめる事にしたのだ。


バイトが終わり、

急いで支度をし

優がバイトから上がるのを隠れて待った。


この時良太は、

花蓮の時の事をすっかり忘れていたのだ。



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