第14話
あらから良太は、みんなに励まされた事もあり
引きずる事なく切り替える事が出来ていた。
美希の事を思い出してしまう日もあるが
落ち込まずに次に進もうと
考えられるようになったのだ。
結城部長が言っていたように
仕事にも、
私生活にもリスクを考えるようになった。
今まで考えてもいなかったリスクが
結構あるもんだと思っていた。
仕事で言えば、
営業回りの時間がそうだ。
電車が止まるかもしれないし
車移動も、事故に遭うかもしれない。
事故に遭わなくても
渋滞にはまるかもしれない。
リスクを考えれば考ええるほど
ネガティヴになっていってしまう。
逆に良くないじゃないかと思ってしまうほどだ。
ちょうどその時、
同期も同じような事を聞いてきたので
二人で話してみたが
ネガティヴになるだけで
わからなくなってしまった。
結局、
結城部長に聞いてみることにしたのだ。
結城部長の所に行き、
事情を説明すると
「あの時言った事を
真剣に考えてくれたんだな!
二人ともありがとな!」
と、褒められてしまった。
その後に結城部長は
「じゃ例え話をすると、
電車が止まってしまうのは
どうしようもないよな、
どこで止まるかもわからないし
いつ止まるかもな、
その時に次の選択肢を考える。
止まってしまった場所からすぐに
電車降りられるのか、
降りられなければ、
まずは取引先と営業先の確認だな!
アポ取っていれば
取引先と営業先の会社に
すぐに連絡して事情を話し
時間を変えて頂けるのかを確認!
その後、俺に連絡だな!
そうすれば代わりに行ける人材を探せるし
見つからなければ俺がすぐに向かう!
次は、電車からすぐに降りられた場合だな、
駅まで歩いてどのくらいかかるのか、
タクシーが捕まえられるのか、
バスの方がいいのか、
それとも徒歩で向かう方が早いのか、
選択肢を増やす事が大事なんだ。
ネガティヴに考えたあとは
すぐにその解決方法を考える。
選択肢が全てダメだった場合は、
最初のパターンの取引先と営業先の会社に
連絡をすぐに入れる事だ。
そこまでしたのであれば
俺がなんとかする!
それが俺の仕事だからな!
お前たちにやった事の責任は
ちゃんと取ってやる!
だからネガティヴな考えを持ったら
すぐに解決方法を考える。
これがポジティブな考えだ!
選択肢が増えれば
自然とネガティヴな考えが少なくなる。
ネガティヴとポジティブは
バランスが大事なんだ!
俺の考え方が当たっているわけではない。
色んな考え方がある。
だが、
二人とも真剣に考えて話してくれた!
これだけで今までより前に進んだ!
成長だな!!!
二人とも期待してるぞ!!!」
と、真剣に答えてくれた。
結城部長の言うように
選択肢を増やす事は、確かに大事だ。
仕事を失敗したくはない。
だからこその
リスクマネジメントなのかと理解した。
選択肢が増えれば失敗する確率が減る
成功する確率が上がる。
絶対ではないが、
確率自体は、上がりやすくなるのだ。
リスクを減らす為の選択肢を増やす。
このことを意識しながら
仕事に取り組んでいこうと決意したのだ。
今までの人生でも
次こそはちゃんとした彼女をと思っていたが
選択肢がなさ過ぎた。
花蓮と優に関しては良太が悪い部分もあり
申し訳ない気持ちになった。
だが、
ちゃんとしたとは曖昧でよくわからない。
そのことも、
もっと明確にした方がいいのかが
まだ良くわからなかった。
良太自身もそのためには
成長していかなければならないのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます