第33話
突然の告白に優香は唖然とし驚いた。
さすがに良太も、目で訴えはしたが
ここで告白するとは思っていなかった。
少しずつ、どう思ってるんだ二人は?
的な流れに持っていってから
二人になった時に
告白する流れかと思っていたが
流石、秀人だ。空気が読めない。
そんなところも秀人のいいところだが
花蓮もまさか今告白されるとは
思ってもみなかったのか、
少し固まった後に、
「私なんかで本当にいいんですか?
私といても幸せになれないかもしれませんよ?
私は人を不幸にする女ですよ?
秀人さんにはもっといい人がいます!
だから私なんか選んじゃダメですよ。」
未だに過去を引きずっているのか
幸せになってはいけないと思い込み
自信が持てないようだ。
秀人はそれでも、
「俺が幸せって思えば不幸になんかならない!
俺は花蓮が良いんだ!
花蓮じゃなきゃダメなんだ!
だからお願いします!!!」
花蓮は黙って俯いた。
良太と優香も見守っていたが
優香はあまり事情を知らないので
耐えきれずに
「四ノ宮さんの過去に
何があったかわかりませんが
これからの未来の方が大切ですよ!
幸せになれないのではなく
幸せになるんです!!!
話をを聞いていた限り
二人はお似合いですし
相性もピッタリだと私は思います!!!
だから二人で幸せになれるように
力を合わせれば良いんじゃないですか?
どっちかだけ頑張るんではなく
一緒に頑張るんです!
二人ならきっと幸せになれるし
上手く行くって見てても思います!!!
初対面でこんなこと言うのもなんですが
自信持ってください!!!
四ノ宮さんなら幸せになれます!!!」
優香の言葉を聞き花蓮は、
良太の顔を見た。
良太は笑顔で頷き
「四ノ宮は幸せになっても良いと思うよ!
と言うか幸せになるべきだよ!!!
秀人なら絶対幸せにしてくれるって
俺は信じてるし確信もしてる!!!
だからもう過去に縛られなくても良いんだよ!
四ノ宮はもう幸せになるべきなんだよ!!!」
花蓮が両手で顔を押さえて
「本当にいいんですか…?
幸せになってもいいのかなぁ…?」
俯きながらまだ気持ちが決まらない。
そんな花蓮に良太が
「当たり前だよ!
秀人がしっかり幸せにしてくれるよ!!!」
秀人も
「俺が幸せにする!!!
花蓮が幸せになれるように
ずっとそばで支える!!!
だから俺に花蓮の人生を預けて下さい!!!」
ほぼプロポーズじゃないかと
良太も優香も思っていたが、
そこは我慢して見守った。
花蓮もようやく
「こんな私でよければよろしくお願いします!」
返事をしてくれた。
秀人は泣いて喜び
「幸せにする一生幸せにするから!!!」
と、結婚が決まったような喜びで
良太にも優香にも
「ありがとう!あありがとう!!!」
と、ずっと言っていた。
花蓮も、良太と優香に
「熊谷君、本当にありがとうございます!
秀人さんと幸せになります!
岸谷さんもありがとうございます!
勇気が出ました!
本当にありがとうございます!!!」
と、泣いてはいるが笑顔で伝えてくれた。
本当にによかったっと思い
もう一度乾杯をし直し
そのあとも遅くまで4人で飲み明かした。
いつの間にか
優香と花蓮はお互いを名前で呼ぶくらい
仲良くなっていた。
良太にとっても最高の一日となり
感慨深いものがあった。
高校の時には
全く想像もつかなかった未来だったが
良太にとっても花蓮にとっても
必要だったのかもしれないと今は思える。
今この時の為に必要なことだったのかもしれない。
こんな幸せそうな二人を見て
良太も幸せな気持ちになれているのだから。
こんな未来はなかなかないが
本当に今は良かったと思えていることが
大切なのかもしれない。
優香にも本当に感謝しなければならない。
初対面でいきなりこんなことになっても
嫌そうな顔ひとつせず
ずっと見守ってくれていた。
勇気付ける言葉まで言ってくれた。
良太はそんな優香の事を見ながら
どんどん惹かれていってくる
自分にも気付いていた。
もっと優香の事を知りたいと
思うようになっていたのだ。
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