第30話

良太と優香は、

あれから連絡をたまに取り合う程度で、

そこまでの進展はなかったが、

良太にとっては丁度良い関係だった。


まだ彼女を作るには早いと思っていたからだ。


たまにご飯を一緒に食べて

何気ない話をするくらいで

今の所は満足だった。


仕事の方も

前よりも余裕を持てるようになってきたので

次のステップに上がる為に模索していた。


また結城部長に

アドバイスを貰おうと思っていると

秀人が声を掛けてきた。


「良太!最近数字上がってるな!

すごいなお前!!」


と、数字が上がっている事を喜んでくれていた。


「結城部長にアドバイスをもらってから

良くなったんだ!!

あと庄司さんにも一応アドバイスもらったし!」


秀人にそう伝えると、


「良いなぁ!

俺も結城部長に

アドバイス貰いに行こっかなぁ?

恋愛の!!!」


良太は、


「仕事じゃないんかい!」


突っ込んでしまったが

恋愛については良太も聞きたかった。


「良太、花蓮のことなんだけど

ちょっと相談に乗ってもらっても良いか?」


秀人が良太に聞いてきたので、


「結城部長じゃなくて良いのか?」


良太は質問した。


「まずは花蓮を知ってる

良太に聞いて欲しくてな!」


と、言ってくれたので

仕事が終わった後に飲みに行く事になった。



仕事が終わり居酒屋まで着くと

秀人は早速、


「花蓮のことなんだけど、

今のところ順調にいってるとは思うんだけど

今までみたいに勢い良くいけないんだ。

振られたらどうしようとか

悪い事ばかり考えちまうんだよ。

どうしたら良いかな?」


秀人にしては珍しく弱気だった。

良太は、


「どうして振られるって思うんだ?

秀人の話を聞いてる限り

振られる事なさそうに思うけど?」


と、聞いてみた。

すると秀人は、


「花蓮のことを本気で好きなんだ!

だから振られたら立ち直れなくなる。

だから怖いんだ。

こんなに好きになった事がないから

どんどん怖くなって

踏み切れなくなってるんだ。」


アホの秀人がここまで悩むなんて珍しい。

本気で花蓮が好きなようだ。

良太もふざけずに真剣に答える事にした。


「確かに怖くなるな。

でも秀人は付き合いたいんだろ?」


秀人は黙って頷いた。


「そうすると告白するしかないよな。

四ノ宮の秀人を好きだと思うけど

確信が欲しいな。

俺からは聞けないから

誰かに聞いてもらうしかないけど

誰かいない?よな。

どうすれば良いんだ?」


二人で悩んでいたが、

なかなか思い浮かばない。


良太は、思い出したかのように


「岸谷さんなら!」


と、優香に聞いて貰えば良いだと思いついた。

だが、花蓮との接点がない優香に

どうやって聞いて貰えば良いのかわからない。


「あっ一緒に飲みにいけば良いんだ!」


良太はすぐに秀人には伝えた。


「俺の知り合いに岸谷さんって人がいるんだけど

岸谷さんに四ノ宮の気持ちを聞いてもらおう!」


良太は一人で盛り上がっていたが

秀人もアホなので


「それ良い考えじゃん!!!」


と、喜んでいた。

花蓮と優香の事を考えずに盛り上がっていた。

良太がモテない理由が垣間見えた。


良太は、すぐに優香にメッセージを送った。

秀人も花蓮にメッセージを送り、

二人で盛り上がっていたのだ。



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