第31話
良太は優香に連絡を入れて
事情を話した。
優香は、
「飲みに行くのは良いですけど、
私が好きな人を聞くって言うのは
難しいと思いますけど?」
と、好きかどうかを聞き出す事に
難色を示していた。
当たり前だろう。
優香と花蓮は初めて会うのだから
初対面の相手にそんな事
聞き辛いし言い辛い。
だが、秀人の未来に関わる事なので
良太も必死にお願いをした。
「そこをなんとかお願い!
高級フレンチ奢るから!!!」
と、ご飯で釣り始めた。
すると優香は
「しょうがない!
高級イタリアンで手を打ちますよ!!!」
イタリアンが良かったみたいだ。
でもこれで秀人も覚悟が決まるだろうと
良太は安心したので
「ありがとう!!!
高級イタリアン探しておきます!!!
日程決まったらまた連絡するね!」
と、御礼を伝えて日程を決める事にしたのだ。
花蓮の方も
一緒に飲みに行ってくれるみたいで
一安心である。
良太と秀人は日程を決めて
それぞれに連絡して予定が空いてるか聞くと
二人とも大丈夫との事だったので
日程も決まった。
あとは秀人に覚悟が決まるかどうかである。
次の日の朝、冷静に考えると
全然良い作戦でもない気がしてきた。
会社に行き秀人を見つけた良太は
「おはよう!
昨日の作戦って本当に大丈夫かな?」
すると秀人は、
「実は俺もそう思ってたんだ。
お互い初対面でそんな事聞けるのかと思った。」
二人して不安になっていた。
「結城部長にアドバイスもらった方がいいかな?
恋愛についても詳しそうだし?」
「それ良いかもな!」
と、結城部長にアドバイス貰いに行く事にした。
仕事が終わってから少しだけ時間をもらい
結城部長に話してみたのだ。
良太が昨日の事を説明し
秀人が今の気持ちを伝えると
結城部長は、
「確かに初めて会うその女性に
気持ちを聞いてもらうのは、
難しいのかもしれないな。
初めて会う緊張もうあるし
お互いにはどんな人なのかわからないからな。
だが、男性に聞かれるよりは
女性に聞かれた方が言いやすさはあるから
そこは良いのかもしれないな!」
と、言ってから、
秀人に
「萩原は、
その女性のことを本気で好きなんだろう?」
と、聞いて秀人も
「はい!本気で好きです!!!」
はっきりと答えた。
「じゃあ遠回しな事をせずに
ちゃんと萩原の気持ちを
伝えるべきなんじゃないかな?
振られたからって諦める事が全てじゃない!
振られてもまたチャレンジ出来るように
好きになって貰えるように
努力をすれば良いんじゃないかな?
本気で好きならと言うのは
諦めない事な気がするぞ!」
秀人は、はっとした顔をしていた。
更に結城部長は、
「だが相手が嫌がる事を
続けることは良くないから
引き際も大切だとも思うが、
相手が嫌がる事でなければ
アプローチを続ける事が
大事なんじゃないかな!」
秀人は覚悟を決めた顔になった。
その顔を見た結城部長は
「良い顔になったな!
誰にも相手の思っていることなんて
本当はわからない。
あくまでこんな風に思っているんだろうと
予想しているだけなんだ。
だからこそ
相手の女性を大切に想うのであれば、
相手を思いやる気持ちが大事だと思う!
相手がされて喜ぶことをする!
相手がされて嫌なことはしない!
相手に気持ちになって考え行動する、
萩原がそれをしっかり意識して続けていれば
自ずと結果がついてくると俺は思うぞ!
あとは萩原の気持ちを
しっかり伝え続ける事も大事だぞ!
以心伝心なんてものは、
なかなか出来るものではない。
はっきりと言葉にしないと
気持ちなんて伝わらない!
好きなら好きと伝え続けるんだ!!!」
その言葉を聞いた秀人は、
「ちゃんと好きって伝えてみます!!!
ダメでも伝え続けます!!!」
覚悟が決まったようだ。
その様子を見守っていた良太は、
「優香のことどうすれば良いんだ!?」
と、心の中では思っていたが
秀人の覚悟が決まっただけでも
良かったと思うことにし
気にしないことにしたのだ。
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