第25話 夢駆け作者、怪盗団+αと出かける


 ケイマは悩んでいた。注目を集めるために偽物の予告状をだした。コウヘイの意見は確かに理にかなっている。しかしながら、それは義賊として認識されている自分たちを利用してまですることなのだろうか。本来持っているはずの存在が持っていないもの。そんなものをケイマは盗んでは本人に返してきた。宝石類だけでなく歴史的な書物、写真、それはもう色々と。恐らく、その仕組みを利用したい誰かがいるのだ。しかし、その人物達が本当にその刀を持つべきなのかはわからないが。


「ケイマ、出かけるよ」


 朝である。いつもよりも少しお洒落をしたミドリがソファに座るケイマを見下ろした。化粧も少しして、髪も綺麗に整えている。


「お前デートだろ?」

「だからデートじゃないし、向こうも二人っきりより人数多い方がいいでしょ。コウヘイくんやハルくんちゃんも行くし」


 その言葉に立ち上がってケイマはコウヘイとハルをみる。同じく私服に身を包んだ彼らにケイマは苦笑いをした。なんやかんや言いつつ行く気満々である。



 合流した瞬間、リョウタは安堵と落胆が入り混じった顔をした。いや、そうだよね、と頭を抱えた彼にケイマは声をかけた。


「久しぶり、ユカのにいちゃん」

「おっ、ケイマくん久しぶり。ユカがお世話になってるねー」

「うっす」

「そっちの人は……」

「私の友達のコウヘイくんとハルくんちゃんです」

「くんちゃん?」

「中性的だから」

「あぁ〜確かにわからないね。どっちが正解なの?」

「世の中謎にしといた方が面白いこともあるんですよ」


 ミドリはそう言いながら、リョウタの背中をぽんぽん叩く。そう言うものかー、と納得する彼は素直だ。コウヘイがぼそりと「単純だな」と呟いたが、リョウタは聴こえていない。ケイマがなんとも言えない表情をしたが、内心そっと頷いた。ケイマはリョウタと数回あっているが、なんというかお人好しである。そのやりとりをみていたハルは首を傾げた。


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