第5話 運命の女神デスティの加護
ステータスを確認して、運の数値を伝えると数値が低すぎたみたいで盛大に驚かれた。
(僕って運の数値が低いんだ。・・・って事は運が悪いって事か。でも運が悪かったら何かあるのか??・・・はっ!?もしかして今回ウミに呪いを掛けられたのって僕のせい!?いや、それなら僕が呪いにかかってるはずだ。)
「今回の件はあなたの運の低さは関係ありませんよ。」
どうやら神様はソラの考えている事がわかるようだ。
ソラが運の数値について考えていると、
「運の数値が与える影響についてよくわかっていないようですね。わかりました。まずは運命の女神として運の良さがどのような影響を与えるのかを。」
「はい。よろしくお願いします。」
「例えば、朝寝坊して急いでギルドに向かうとしましょう。急いでいるので朝食なんかはパンを口に含んで向かいながら食べるでしょう。そして、角を曲がったら女性とぶつかります。ぶつかった女性は尻餅ついて転びますが、ここでラッキー!女性の下着が丸見えです。そしてこれがきっかけで女性と縁が生まれます。そのまま恋人となり結婚するケースも」
「ん??」
「他の例で言えば、街道を歩いていると、目の前で馬車が盗賊に襲われています。すぐに助けに行って盗賊を倒します。するとどうでしょう、馬車の中から出てくるのは上位貴族の令嬢です。盗賊に出会って絶体絶命のピンチを救ったあなたは一躍ヒーローです。そのままその貴族令嬢と・・・」
「んん??」
「そうですね。ではこんなのはどうでしょう。あなたは勇者パーティに加入しました。ですが、する仕事は荷物持ちや雑用ばかりです。順調に進んでいたある日、ダンジョン攻略中にとても強い魔物が現れました。勇者パーティは敗北必死です。そこで勇者パーティはあなたを囮にして逃げ出します。残されたあなたは絶対絶命です。しかし!!そこであなたは隠された力に目覚めます。その力で強い魔物を倒してしまいます。そこからは囮にした勇者パーティに『ざまぁ』して真の勇者として活躍するのです。」
「え~っと・・・なおさらよくわからないんですが・・・」
「簡単に言えば、運が良くなれば良い事が起こりやすくなる!って事です。」
「なるほど!!それならよくわかります。」
「私の加護は運の数値を人類最高の100にする事です。つまりこの世界で一番運がよくなるという事です。それがどういう事かわかりますか?」
「え~っと・・・よくわかりません。」
「つまり、今後の人生バラ色!という事です。」
「それはウミの呪いを解く事できる。って事ですか?」
「あなたの努力次第ではありますけどね。ただ、他の人なら不可能ですが、私の加護を授かったあなたなら可能になるって事です。」
「それはすごい!!是非お願いします。」
「わかりました。ですが、ただ加護を与えるだけ。というのは難しいので制限を掛けるようになります。」
「制限?ですか?」
「はい。この世界では神が自由に加護を与える事を良しとはしません。神は世界への干渉をあまりしてはいけませんので。今回は弟が迷惑をかけたので加護を与える事にしましたが、ずっと加護を与え続ける事は世界にどういう影響を与えるかわかりませんので制限をかけなければなりません。」
「わかりました。制限というのはどういったモノなのでしょうか?」
「一つは先ほどあった、加護の事は誰にも話してはいけない!という事です。誰かに話すと加護は無くなります。」
「えっ!?」
「もうひとつは、加護を与える期間ですが、今から2年の間です。元々2年以内に呪いを解かないとウミさんは元には戻りません。ですので私の加護を使って2年以内にナンデモナオールを見つけ出してください。」
「わかりました。」
「よろしい。では運命の女神デスティの加護をソラに与えます。」
デスティから加護を授けられたソラはステータスを確認した。
名前 :ソラ
職業 :魔法使い
レベル:1
称号:運命の女神デスティの加護
体力:20
魔力:30
力 :10
忍耐:13
敏捷:12
知力:20
運 :100
スキル:火魔法LV1
スキルポイント:0
「すげぇ!!運の数値が100になってる!それにデスティの加護って称号もついてる。」
「称号については他の人には見えませんので安心してください。」
「ありがとうございます。デスティ様。」
「私は加護を授けただけです。それをどう使うかはソラ君次第です。普通にしてたのでは効果もあまり実感できないでしょう。」
「わかりました。がんばります。」
「最後に助言だけしておきましょう。運がよくなると、ドロップやレベルアップなど様々な恩恵があります。ただし、それを活かせるかどうかはソラ君次第です。良く学び、よく考えて行動するようにしてください。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「よろしい。ではあの場所に戻りましょうか?」
デスティから加護を受け、デスティとソラは先ほどの『Aのダンジョン』の小部屋へと戻って行った。
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