第17話 【リク】助けた女性は伯爵家の御令嬢だった!?
帝都に向かっていたリクだったが道中で襲われている馬車を助けた。
助けた馬車に乗っていた綺麗な女性が御礼をしたいという事で、リクはその女性が住んでいる街に向かっていた。
ついた街はホワイトという街だった。入口で並ぶのかと思ったが、女性を乗せた馬車は門番に挨拶するとそのままなんの検査もされないまま街に入っていったのでリクと商人とフリーダを乗せた馬車もそのままその女性の馬車の後ろについて行く。
街に入ってどんどん先に進むと一番奥に豪華な屋敷が見えた。
「おいおいやっぱり偉い人じゃないか。この街の領主の御令嬢って感じか。」
「御令嬢を助けて御礼をされる。異世界のテンプレだね。」
「テンプレ?」
「ああリク君にはわからないか。定番って事。さすがリク君だね。このまま御令嬢と婚約させられるかもよ。」
「何言ってんだか・・・。襲われていたところをちょっと助けただけだろ?」
「でも助けられた女性は顔を赤くしてたからリク君に惚れたと思うな~。」
「まさかー。ないない。それに俺は・・・」
フリーダとしゃべっていると大きな屋敷の前に馬車が止まったので、リクは馬車から降りた。連れてきてくれた商人とはそこで別れて、リクは屋敷に入っていく。
ちなみにフリーダの姿はリク以外には見えない。フリーダがリク以外には見えない様にしているらしい。
屋敷に入ると執事のような方が案内してくれた。
「さあさあお嬢様を助けてくれた英雄様。奥で旦那様と奥方様がお待ちです。こちらへどうぞ。」
案内された部屋に入ると豪華な絵画、壺が飾ってあり、真ん中に豪華なソファとテーブルが並んでいた。
「すげぇ!!豪華な部屋だ!!」
「君がマリンを助けてくれた英雄殿だな。この度は娘を救ってくれてありがとう。君
が助けてくれなかったら娘はこの世にいなかっただろう。まずはお礼を言わせてくれ。」
豪華な服を来た綺麗な女性の父親であろう人が御礼を言い、深々と頭を下げた。
「!?そんな大げさな事じゃないですよ。頭を上げてください。偉い人に頭を下げられたら俺もどうしたらいいのかわかりません。え~っと・・・とりあえず、馬車が襲われていたから助けただけなんで、本当。それだけなので。」
「ははは。謙虚なんだな。すばらしい!っと立ち話もなんだな。座って話をしようか。君も座ってくれるかな。」
「はい。では。」
「申し遅れたけど、私はこの街の領主でマリンの父親のブッシュ・ホワイト伯爵だ。」
「マリン?・・・・って伯爵様!?」
(やばい!伯爵ってかなり偉いよな・・・)
「別に固くならなくていいよ。今回は娘を助けてもらったお礼できてもらったからね。それとマリンはまだ名前を伝えてなかったのかい?」
「そういえばそうでした。私はマリン・ホワイトと申します。この度は助けて頂きありがとうございました。その・・・助けてくれた姿をみてましたが、とてもカッコよかったです。ぽっ」
「あっ俺も伝えてなかったな・・・です。えっとリクと言います。冒険者をしてて帝都に向かっていました。」
「リク君か。その年で冒険者だとまだ駆け出しに見えるが・・・マリンの話だととても強いと聞いているが?」
「はい。ついこの間冒険者になったばっかりです。その強さは色々あって秘密なんですが、帝都で高難度ダンジョンに挑戦しようと思っています。」
「リク様はとても強かったんですよ。もうダメだと思ってた所に現れて盗賊を一瞬で倒したんですから。」
「ほお。そうなんだね。そうだな。冒険者の話も聞きたいしよかったら一緒に食事はどうだい?それに今日はここに泊まって行くといい。帝都へは急いでいかないといけないわけじゃないんだろう?」
「はい。・・・そうですね。では好意に甘えさせて頂きます。」
リクはブッシュとの話を終えて、食事ができるまで別の部屋に案内された。
部屋に着くなり、
「は~!!緊張した!!伯爵様ってなんだよ!俺って孤児院出身の普通の冒険者だぞ。あんな上流階級の人と話す機会なんて全くなかったから疲れたー!!」
「よかったじゃん。リク君。伯爵も気に入ってたみたいだし。マリンちゃんと結ばれれば貴族になれて将来安泰じゃん。」
「フリーダ様・・・俺にはナンデモナオールを手に入れるって目的がありますから。」
「でもリク君の将来だって大事じゃないか。ナンデモナオールを手に入れるのがリク君の今の目的かもしれないけど、大金持ちになりたい。毎日お腹一杯食べたい。っていうのが最終目標じゃなかったのかい?」
「それはそうですけど・・・」
「ウミちゃんの事は確かに大事かもしれないけど、ここでマリンちゃんを選んでもソラ君もウミちゃんも喜んでくれると思うけどな~。」
(リク君はなんておもしろいんだ。こんなおもしろいイベントがいきなり起こるなんて!!ここでウミちゃんを見捨ててマリンちゃんを選んだらおもしろいんだけどな~。)
「そんなことは・・・ないと思います。それにまだマリンさんと結ばれると決まったわけじゃありませんから。御礼に食事と寝る場所を1日提供してもらうだけですから。」
「それはどうだろうねぇ~・・・」
そうしてフリーダと話しているとメイドさんがリクを呼びに来た。
「リク様食事の準備が整いましたので、ダイニングまで案内したいのですが大丈夫でしょうか。」
「あっ!はい。大丈夫です。」
リクはメイドに案内されてダイニングに向かうのだった。
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