第16話 【リク】帝国に向かったリクは・・・
ソラとの冒険に不満を感じ、1人で高難度ダンジョンを攻略する為に王国から帝国へと向かったリク。
(は~。やっぱりソラを置いて1人で帝国に行くのは失敗だったかな。)
「そんな事ないさ。リク君は帝国で頑張る。ソラ君は王国で頑張る。適材適所!というヤツだよ。」
「あれ?俺声に出してました?」
「いや出てないよ。でも僕からしたらリク君の考えている事ぐらいわかるからね。」
(まあ神様ならそれぐらいできるか。ってなんでフリーダ様が一緒にいるんだ!?)
リクは今、帝国に向かう馬車に乗っていた。丁度帝国に向かう商人がいたので護衛をする事を条件に馬車に乗せてもらっていた。そしてなぜかわからないが、その度に遊戯神のフリーダも付いてきていた。
「だってリク君の事を見てるから楽しませてよ。って言ったじゃん。どうせなら近くで見たいからね。なら付いて行くのは当然でしょ??」
「そう・・・・なのかな??」
リクがいた王国から帝国の中心地の帝都までは馬車で1週間程かかる。
今は旅立ってから3日程たっていて、ちょうど先ほど、王国を抜けて帝国に入った所だ。
「ようやく帝国に入ったな。あと4日間暇だな。」
「そうだね。魔物が襲ってきてもリク君なら瞬殺だもんね。暇つぶしにもならないね。」
ここまでで5回程魔物に襲われたが、リクが剣を振るうと魔物は魔石を残して一瞬で消えて行った。
ゴブリン2体、ウルフ3体、オーク3体、ワイバーンやゴブリンキングなんかも出たがリクからしたらどの魔物もあまり変わらなかった。
魔物だけではなく、盗賊にも一度襲われた。
盗賊もリクが難なく撃退したのだが、リクは今まで人を殺した事がない。
なので、盗賊が襲ってきたときは盗賊を殺さずに、武器を破壊し、全員を気絶させていた。
「まあ軽い運動にはなるから出ないより、出る方がましかな。まあ盗賊は勘弁してほしいけどね。」
「ああ。リク君はまだ人を殺した事がないもんね。でもその辺はちゃんとしておかないと後で困る事になるよ。」
「いいよ。今の実力なら殺さなくても無力化できるし。」
(うんうん。いつまでそれが続くかわからないけどね~)
その日も魔物が1度襲ってきたが、リクが軽く撃退した。
そして翌日、
馬車が順調に進んでいると、フリーダが何かを発見した。
「リク君。100メートル先ぐらいかな。馬車が襲われているよ。」
「本当か!?ってなんでそんなのわかるんだ?」
「それは秘密だよ。それより早く助けないと危ないんじゃない?」
(気配察知のスキルがある事は調べればわかるけど敢えて教える必要はないよね~。教えてもリク君はスキルポイント全て使ってるから取る事も出来ないし・・・。まあレベルはまだカンストしてないからレベルが上がればとる事はできるけど・・・)
「わかった。100メートル先だな。」
リクは商人に100メートル先で馬車が襲われている事を伝えて、馬車が襲われているであろう場所に走って行った。
すると、
「あれだな。本当に馬車が襲われている。」
見えたのは倒れている馬車だった。
倒れた馬車の傍には鎧をきた人が2人いて、馬車を守っていた。
対して、襲っているのは盗賊なのか。きたないぼろい布の服をきた人だった。
鎧を着ている人の方が強そうに見えるが
盗賊っぽい人は10人程いるので、さすがに数が多くて対応できていないみたいだった。
リクはスピードを上げて馬車に近づく。
「助けに来ました。」
リクはそういうと10人の盗賊に対して、剣を振るう。前回盗賊5人に対してしたように剣に風魔法を纏わせて、相手の剣に向けて剣を振るう。
すると、風の衝撃が盗賊の武器に当たり、次々と武器を破壊していく。
武器がなければ盗賊など相手にならない。
鎧を来た人も戦闘に加わり、盗賊を次々と無力化していく。鎧を来た人は遠慮する事なく、盗賊を剣で切り付けていく。
リクは盗賊を殺す勇気がなかったので一人ずつ気絶させていった。
リクが駆けつけて5分程で盗賊は全滅した。
「これで大丈夫ですね。馬車が倒れてしまってますが大丈夫ですか?」
「ありがとう。助かったよ。そうだな。このままじゃ移動できないからちょっと困ったな。」
鎧の人と話していると馬車の中から人が出て来た。
「お嬢様!?大丈夫でしたか?」
「はい。あなた達が守ってくれましたので私は大丈夫です。」
出て来たのは綺麗な女性だった。黒い長い髪の毛。身長は150㎝ぐらいで目がぱっちりしている。
「あなたが助けてくれたのですね。馬車から見ていました。とても強いんですね。ありがとうございます。おかげで助かりました。」
女性はリクに御礼を言う。綺麗な女性に御礼を言われ困惑したが、
「いえ間に合ってよかったです。」
話を聞くと、この女性は近くの街に帰る所だったらしい。そこで盗賊に襲われたみたいだ。
リクは倒れた馬車を起こして、動けるようにした。
「この先の街が私の住んでいる所なのですが、御礼をしたいので一緒に来て頂けませんか?」
「御礼・・・ですか?いえいえそんな必要ないですよ。ちょっと助けただけですから。」
「そういう訳にはいきません。助けて頂いたのにお礼もしないなんてありえませんわ。」
「そうですか・・・。そういう事なら、わかりました。」
「よかったですわ。ではこちらの馬車に乗って一緒に向かいましょう。」
「すいません。ちょうどここまで乗ってきた馬車があって、その馬車の護衛をしているので、どうするか聞いてみます。」
(まあ御礼をしてくれるっていうんだからもらえるモノはもらっておくか。しかしこの人はどういう人なんだ?お嬢様って呼ばれてたし偉い人なんだろうか?)
そんな事を考えていたリクだったが、一緒に来ていた商人に事情を話して、
綺麗な女性を乗せた馬車とそれに付きそう鎧の人。リクと商人とフリーダを乗せた馬車は女性の住んでいる近くの街へと向かうのだった。
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