第20話 『Fのダンジョン』を攻略する為に・・・パート2
『Fのダンジョン』を早々に切り上げてきたソラ。日がまだ上っている内から宿屋にいるのは珍しい。
「今日は散々だったな・・・。でもまあ行かないとわからなかった事だから結果的にはよかったか・・・無事に帰って来れたしな。だけど明日からどうしようか・・・」
ソラは21階層からの攻略が難しい事を痛感し、明日からの行動目標が立てられないでいた。
「リクがいればな~・・・」
真っ先に思いついたのは、1週間程前に帝国に向かったリクの事だった。
「アイツがいれば、きっと苦労せずに21階層からも順調に攻略できたんだろうな~・・・」
ソラはリクと一緒に攻略した日々を思い出していた。
「イヤイヤイヤ。実現不可能な事は考えてもしょうがないだろ!!もっと現実的な事を考えろ。このままだとここで足止めだぞ・・・」
ソラは現実逃避を止めて現実と向かいあった。
「とりあえず今のままじゃ21階層からの攻略は無理だ。今後攻略して行くために必要なのは・・・」
ソラは明日からの行動を
考えて
考えて
考えて
そして3つの必要な点を思いついた。それは、
仲間を募って一緒に攻略する事
レベルを上げて能力値を上げて、スキルポイントを振る事
強力な装備を購入する事
だった。
「とりあえず、仲間を募集するのは後回しにしよう。すぐに僕に合った仲間が見つかるとは思えないし、時間もかかるだろう。」
通常冒険者パーティはソラのように毎日冒険しない。
初心者冒険者が1日で稼ぐ金額は4人で1,000~1,500リル程だ。
3日程冒険すると休みを取るのが普通だった。
ソラはナンデモナオールを手に入れる為に毎日毎日ダンジョンに挑んでいた。
他の冒険者がソラと同じようにしてくれるとは考えづらい。
そういった事もあり、後回しする事にしたのだった。
「そうするとレベルと武器だな・・・」
ソラは昨日武器屋で見た黒魔剣の事を思い出した。
「武器なら昨日見た黒魔剣だな。魔力を飛ばす事ができるって言ってたしなんといっても金額が鋼鉄の剣の5倍だ。きっと性能も5倍ぐらいあるはずだ!でもそうすると5万リルか・・・。高いよな・・・」
昨日買った鋼鉄の剣の眺めながら新しい武器の事を考えた。
「5万リルか~・・・。1日5,000リル稼いだとしても10日か・・・。でも10日20階層付近で魔物を狩ればレベルも上がって一石二鳥か。」
10日間連続でダンジョンに挑む者など普通はいない。ソラの考え方は非常に危ない思考だった。だが、ソラはウミを助ける為、無茶をやり通そうとしていた。
「レベルは・・・そうだな。今は17だから1日1レベルで27・・・・はさすがに無理か・・・レベルが上がれば上がるほど強い魔物を倒さないとレベルは上がらないもんんな~。って事は半分の5を目標にして23までって感じか。」
冒険者のレベルは魔物を倒す事で上がっていくのだが、自分より強い魔物か自分と同等の強さの魔物を倒す方がレベルは上がりやすい。
ソラの場合は1人でダンジョンを攻略しているので、4人パーティよりはレベルが上がりやすいが、同じ階層でレベル上げをすると、レベルが上がれば上がるほど高率は悪くなっていく。
「レベルを23まで上げたらスキルポイントは15まで増える。それをどれに振るのかも考えておかないとな。」
ソラは明日からの目標を決めたので、気合を入れなおすのだった。
翌日からソラのお金稼ぎとレベル上げが始まった。
1日目・・・4500リル、レベル18
2日目・・・4700リル、レベル18
3日目・・・4400リル、レベル19
4日目・・・5200リル、レベル20
5日目・・・4900リル、レベル20
6日目・・・5000リル、レベル21
7日目・・・4000リル、レベル21
8日目・・・5700リル、レベル22
9日目・・・5100リル、レベル22
10日目・・・4800リル、レベル23
目標金額に到達しなかったので1日延長した。
11日目・・・5000リル、レベル23
1日延長したが無事に目標金額の50,000リルとレベル23を達成したのだった。
「10日で目標金額には届かなかったけど、無事に50,000リル貯める事ができたな。やっぱりドロップするモノによって売却金額が大きくかわるよな。」
ソラはこの11日間、日々魔物を狩り続けた。レベルがあがった事で能力が上がり、日々魔物を倒すスピードと倒す量は増えていった。討伐数が増えても毎日の売却金額が上がったり下がったりしているのはドロップアイテムの関係だ。
ソラは普通の人が1個ドロップする間に5個ドロップする。これは運の数値が100でこの世界最大の為だ。
ドロップするモノによって売却金額が違う為、日々の金額が変わっていたのだ。
ソラは早速5万リルを握りしめて武器屋に向かった。武器屋の店主は驚いていたが快く黒魔剣を売ってくれた。
「これで装備は大丈夫だな。後はスキルポイントを割り振るか。」
ソラはステータスを確認しながらどのスキルを伸ばしていくか考える。
「剣術、身体強化は上げるべきかな・・・。魔法も捨てがたいな・・・」
悩んだソラだったが、ミノタウロスと戦った時の事を考えたのと、黒魔剣を手に入れたのでそれを活かす方向でスキルを振り分ける事にした。
名前 :ソラ
職業 :魔法使い
レベル:17 → 23
称号:運命の女神デスティの加護
体力:280 → 380
魔力:350 → 450
力 :250 → 375
忍耐:250 → 350
敏捷:220 → 320
知力:330 → 430
運 :100
スキル:火魔法LV3・風魔法LV2(NEW!)・回復魔法LV2
アイテムボックスLV3・鑑定LV2
魔力回復速度上昇LV2・魔力最大値上昇LV4(NEW!)
剣術LV5(NEW!)・身体強化LV4(NEW!)
気配察知LV2
スキルポイント:0
黒魔剣を活かす為に、魔力の最大値を上げ、剣術と身体強化のスキルレベルを上げた。風魔法はミノタウロス戦で武器を破壊できて、使い勝手の良い魔法だと気づいたからだ。
ステータスも大きく上がった。一般冒険者のレベル37程度の能力は手に入れていた。
再度21階層からの攻略に向けての準備を終えたソラは、明日に備えて早めに休むのだった。
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