第21話 【リク】ヒロインと別れてリクは帝都へ・・・
ソラが21階層に挑戦、断念し、再攻略に向けて日々レベルアップと金策をしている頃、リクは無事に帝都に辿り着いていた。
「リク君。本当にマリンちゃんと別れてよかったのかい?」
「・・・」
「とてもいい娘だったじゃないか。それに伯爵だって乗り気だったし。」
「わかってるよ。でも・・・ウミを助けるって決めたしソラとも約束したんだ。それにマリンにはウミを助けたら会いに行くって言ってあるし・・・」
「ウミちゃんを助ける間に別の男に引っかかっちゃうかもしれないよ。」
「・・・それも仕方ない・・・」
リクは帝都に向かう途中に襲われている馬車を助けた。馬車に乗っていたのはホワイト伯爵の娘のマリン・ホワイトだった。
助けた御礼にホワイト伯爵の屋敷に招かれたリクはそこでホワイト伯爵とマリンと食事をした。
そこで、ホワイト伯爵にマリンを嫁にどうかと言われていたのだった。
マリンは長いブルーの髪に目が大きくパッチリしている。年もリクと同じぐらいだった。ウミも可愛らしいが、マリンは綺麗だった。
提案を受けたリクは・・・
その申し出を断った。
だが、完全に断ったわけではない。幼馴染で孤児院で一緒に育ったウミが石になってしまって、治す為にはナンデモナオールというアイテムがないといけない事。それはダンジョンでドロップする為、ゲットする為に帝都の高難度ダンジョンに向かっている事。それが解決しないと考えられないと正直に伝えたのだった。
その申し出にホワイト伯爵もマリンも号泣した。
リクが正直に話した事により、結婚の申し出は保留となった。しかもホワイト伯爵の方でもナンデモナオールの事を調べてくれる事になった。
(ナンデモナオールを使ってウミちゃんを治しちゃうと、リク君の能力も元に戻る。それでもマリンちゃんと一緒になれるかな・・・。今はそこまで頭が回ってないだろうけど、力を使うとその力を手放すのが惜しくなるよ。そうなってからがおもしろいんだよね~。ちゃんとリク君を僕が見届けないとね。)
遊戯神は善意でリクに助言をしている訳ではなかった。全ては自分にとっておもしろいと思う行動をしているだけだった。
マリンと別れたリクは帝都に向かい行動していた。ホワイト拍車が馬車を手配してくれたので、リクはその馬車に乗って帝都を目指す。
道中は安全な道を行ったので盗賊にも襲われずに無事帝都に着いた。
「ようやく帝都に着いたな。移動だけでけっこう時間かかったな。とりあえずギルドに行くか。」
「ここには高難度ダンジョンが3つあるよ。リク君は最強の剣士になってるから1人でも問題はないと思うけど、高難度ダンジョンはまだ攻略されてないから、攻略は難しいと思うよ。」
「そうなのか?」
「うん。高難度ダンジョンの攻略推定レベルは80だからね。」
「なら俺は今レベル80だから攻略できるんじゃないのか?」
「1人じゃ無理だよ。4人パーティのレベルが80あって初めて攻略できるんだよ。リク君1人ならせいぜい50階層までって感じじゃないかな?」
「まあ50階層まで1人でいけるならソロでも大丈夫か。別に攻略する必要はないんだ。魔物を倒してナンデモナオールさえドロップすればいいんだから。」
「でも深い階層の方がレアドロップは出やすいんだよ?」
(ソラ君の運の数値があれば50階層まででもなんとかなっただろうけどね・・・)
「じゃあどうすればいいんだ?仲間を集めるのか?」
「それもいいかもね~。」
(ただ、仲間が集まると報酬でもめたりするけどね。ナンデモナオールがドロップしてもリク君がそれを手に入れる事ができるかどうかはわからないよ。)
「う~ん。とりあえずギルドに行って聞いてみるか。」
「そうだね~。」
リクはフリーダとともにギルドに向かった。
ちなみにフリーダの姿はリクにしか見えないようになっている。当然声もリクにしか聞こえない。リクが独り言をしゃべっているように見えるかもしれないが、フリーダとしゃべるリクの声も周りには聞こえない様になっていた。
遊戯神フリーダのチートな能力だった。
ギルドに入ったリクは受付で高難度ダンジョンの事を尋ねた
「すいません。高難度ダンジョンについて聞きたいんだけど?」
「はい。冒険者の方ですね。冒険者カードはお持ちですか?」
リクは持っている冒険者カードを受付に渡した。
「ありがとうございます。・・・リクさんですね。・・・『Aのダンジョン』しか攻略してないですね。・・・申し訳ありません。高難度ダンジョンは最低でも中級ダンジョン『Fのダンジョン』から『Oのダンジョン』のいずれかを攻略した人にしか情報は離せなくなっております。」
「えっ!?」
「おいおいフリーダ様。せっかく帝都まできたのに高難度ダンジョンに挑戦できないじゃないか?」
「そんな事僕に言われても知らないよ。そんな決まりしらなかったもん。でもリク君の実力なら高難度ダンジョンでも問題ないでしょ。偉い人とかに実力を見てもらったら案外、許可が出るんじゃない?」
「レベルとか伝えても問題ないのか?」
「加護の事さえしゃべらなければ大丈夫だよ。でも駆け出しでいきなりレベル80って言うと怪しまれるから『Aのダンジョン』でドロップしたアイテムを使ったらレベル80になって。って言ってみるとか?」
「なるほど。そう言ってみるか。」
「すいません。実はダンジョンでドロップしたアイテムを使ったらいきなりレベルが80になったんです。中級者ダンジョンでも簡単すぎるんでできれば高難度ダンジョンに挑戦したいんですがなんとかなりませんか?」
「一応規則ですので・・・」
(ダメじゃん。)
諦めようと思ったその時、
「おう!なんか面白い話じゃねぇか。詳しく教えてくれ。」
「ギルドマスター!?」
なんと、運よくギルドマスターが現れたのだった。
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