第25話 とりあえず『Fのダンジョン』の攻略を進めよう。
21階層を突破できる事がわかったソラは、前回のように、ダンジョンの攻略を進める事にした。
朝起きると準備して、孤児院に向かう。
「おはようウミ!今日も『Fのダンジョン』に行ってくるね。昨日は無事に21階層のミノタウロスを倒せたんだよ。これからどんどん攻略していくからね。」
ウミからの返事はない・・・
「21階層からは魔物も強くなるからそれだけドロップアイテムも期待できると思うんだ。ナンデモナオールは・・・出ないかもしれないけどまだまだ期日まで時間はあるから今日もがんばってくるね。」
ウミからの返事はない・・・
だが、ソラは今日からの行動でナンデモナオールへの道が確実に近くなると感じていたので、ウミの表情が柔らかくなった気がした。
それはユウキの自信の表れだった。
「よし。今日からしばらくは攻略を進めるぞ。とりあえず30階層まで行ってみよう。一日2階層進む感じで行くか。転職の件はその後考えて見よう」
ソラは孤児院を出て、ギルドに向かう。
「おはようございます。今日から21階層より下に進んで行こうと思います。」
「ソラさん!危なくなったらちゃんと逃げて下さいね。ソロでも危険なのに、21階層からは魔物も強くなりますから。」
「わかってます。大丈夫です。昨日の魔石を見たでしょう。どれも21階層の魔物ですよ。」
「それはわかってます。ですが、21階層で死にそうになってるパーティもありました。命は一つしかないんですからね。」
「はい。わかりました。」
(特に目新しい情報はないな。)
ソラはダンジョンに行く前と行った後にギルドにいくようにしていた。
ギルドを通じて最新の情報を得る為だ。ダンジョンでは何が起こるか本当にわからない。情報を知らずにダンジョンに挑戦し、死んでしまった。ではシャレにならないので、ソラは情報収集には特に力を入れていた。
ギルドを出たソラは早速21階層に向かった。
黒魔剣は装備した。アイテム類も大丈夫。ソラは入り口の転移水晶に触れて21階層に向かった。
すでに21階層の魔物は脅威ではなく、普通に倒せる魔物とわかってるソラは、慎重に進みながらも魔物を見つけると黒魔剣で魔力の刃を放って倒して行く。
普通に倒せるとわかっても油断はしない。いきなり接近戦に挑む程ソラは戦闘狂ではなかった。
自分の力、自分がソロという事。自分のスキルを十分に理解して、ソラは攻略を進めていた。
魔力の刃を飛ばして魔物を狩って行くので、ソラの攻略の終わりはいつも魔力がなくなってからだった。
「ふう。今日はここまでにするか。それにしても魔力の件をどうにかしないとな。魔物は倒せるけど、魔力がなくなるとどうしようもない。魔力回復のポーションは高いし・・・」
ソラは順調に魔物を倒していたが、攻略は思うように進まなかった。攻略を進めると同時にソラはドロップアイテムを集める為に魔物を積極的に探し、見つけた魔物は必ず倒していた。
魔力の刃を中心に魔物を倒すソラにとって、魔物を倒すという事はそれだけ魔力が無くなっていくという事を意味する。
21階層以降では、1階層も進む事なく魔力がなくなって、攻略を切り上げる事も多々あった。
ソラが21階層以降攻略しようと決めて、攻略を開始して7日経った。現在の攻略階層は25階層だった。どうしても転移水晶のある20階層からスタートすると、降りる場所がわかっていても25階層に着くころには魔力が無くなる。
地上に戻る為には、そこから転移水晶のある20階層までもどらないといけない為、帰りの事を考えると、それ以上進めなかった。
「はー。今日も25階層までしかいけなかったな。又、対策を考えないといつまで経っても『Fのダンジョン』を攻略できないぞ。」
レベルは27まであがっていたので魔物を倒すスピードは上がっていた。更に毎日魔石とドロップアイテムを売っていたソラは資金も4万リル程溜まっていた。
ソラは7日間『Fのダンジョン』を探索し、問題点を書き出した。
「やっぱりソロが問題だよな~。泊まりで攻略できれば戻る事を考えなくてもいいけど、その時の見張りが問題だよな。それに魔力の消費も問題だ。レベルも上がったし魔力の刃を使わずに接近戦に切り替えるか・・・いやいや、それはまだ危ない。なら転職か??接近戦のスキルを覚えればもしかして・・・」
ソラは考えるが良い答えは見つからなかった。
仲間を増やすか、転職するか、魔力ポーションを大量に購入するか、
ソラは
考えて悩んで、
考えて悩んで、
考えて悩んで、
「転職・・・・だな。魔力ポーションもいいけど、お金は今後の為に取っておきたい。魔力ポーションをドロップする魔物なんかがいるなら集中的に狩っていきたいけど・・・」
ギルドで情報を更に集める事にした。
「後は、シリュウ達にどうやって攻略しているか聞いてみるか。何か参考になるかもしれないし。相談できる冒険者って今の所シリュウ達しかいないからな~。」
ウミを助ける為、ナンデモナオールを入手する為、駆け足ではないが、一歩一歩確実に進んで行く。そんなソラの冒険は続くのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます