第26話 【リク】高難度ダンジョンへの挑戦前に転職する!

ギルドマスターから高難度ダンジョンへ挑戦する許可をもらったリクは明日から高難度ダンジョンの『Qのダンジョン』に行くため、近くの宿に泊まっていた。


フリーダが付いてくるが、他の人にフリーダの姿は見えない為、宿はリク1人分だ。


「フリーダ様。ギルドマスターが言ってた転職の事ですが、俺も転職する事はできるんですか?」

「ん?そりゃもちろんできるよ。転職に興味があるの?」


「はい。転職すると更にステータスが上がるし、スキルも更に増えると聞きました。転職するだけで強くなるなら、むしろしないという選択肢はないと思うんですが。」

「たしかにリク君の言う通り、転職にはメリットしかない。だけどリク君はすでに最強に騎士になってるよ。今より強くなってどうするの?」


「でも、高難度ダンジョンをクリアするのは難しいんでしょう?俺はしばらくはソロでやって行くつもりだから、強くなれるならもっと強くなりたい。」

「そっか。なら明日早速ギルドで転職してみようか。さすがの僕でもリク君にどんな転職先があるかはわからないからね。」


(あ~あ。転職しちゃうのか・・・レベルは高くなってるけど実践経験が少ないからあまりいい転職先出ないんだよね~。まあこの事はリク君には言わないけど・・・。1回か2回高難度ダンジョンに行ってからの方が更に強くなる転職先が出るとは思うけど、リク君が今すぐの転職を希望するなら仕方ないよね・・・)


フリーダは遊戯神だ。親切にリクに色々教える事はなかった。ただただ、リクの選択を尊重する。フリーダが求めているのは面白さなのだから。


(1回しか転職できないのにな~。まあ後で転職先の職業をリク君にちらっと教えるのもおもしろそうだね。後から更に強い職業を知ったリク君を見るのもおもしろそうだ。)


リクは翌日、高難度ダンジョンに行くのを一日伸ばして、この日は転職とアイテム類の準備をする事にした。


リクは早速ギルドに行き、ギルドマスターに転職する事を伝えた。

「やっぱり転職するんだな?」

「はい。ソロで高難度ダンジョンに挑むので、その前に強くなれるなら。って思って。」


「そうだな。高難度ダンジョンはかなり危険だ。しかも転職せずに入ってる者などいない。リク君に良い職業が発現している事を願ってるよ。」

「ありがとうございます。」


リクは転職希望を出し、そのまま転職の間へと向かう。


「この水晶に触れたら、今転職できる一覧が浮かぶんだよな~。フリーダ様。出て来た職業の中でどれが一番強くなるかはフリーダ様はわかるんですか?」

「もちろんわかるよ。でもそれを教える事はできないよ。僕はリク君に付き添ってるけど基本、下界との干渉はご法度だからね。」


(俺に付き添ってる時点で下界に干渉してると思うんだけど・・・・ケチだな。)


(言葉に出さなくても心は読めるんだけどね。ケチって言われても僕がアドバイスしたら面白くないじゃん。さてどんな職業を選んでくれるかな・・・)


リクは水晶に触れた。すると・・・


・上級騎士

・上級剣士

・侍

・魔法剣士

・剣闘士

・魔剣士

・バーサーカー

・武士


の職業が現れた。


(ふ~ん。やっぱり上級騎士止まりか・・・もっと実践の経験を積めば剣聖とか剣王とかも出たんだけどね~。この中なら侍か剣闘士になるのがリク君にとってはベストかな。)


リクは出た職業を一つずつ確認していく。

「で、リク君はどの職業にするか決めた?」


「う~ん。上級剣士って言うのは多分、今の上位だから一番オーソドックスな気がするんだよな。」

「そうだね。上級ってついてるぐらいだからね。」


「魔法剣士か魔剣士っていうのもカッコいい気がするんだよ。俺って魔法剣のスキルも持ってるじゃん。魔法って憧れるんだよな~。」

「たしかに魔法って夢があるよね。」


(正直魔法剣士が一番のはずれだけどね。魔法剣のスキルと魔法のスキル両方がいるから今のリク君はすでにかなりのレベルになってる。今から魔法のスキルを覚えるのは無理があるし。20レベルぐらいなら結構強い職業なんだけど・・・)


「決めた。魔剣士にするよ。」

(おっ一番のはずれを選ばなかった。だけど魔剣士か・・・悪くはないけど、リク君って近接タイプだから魔力がそれほど多くないし、強くはなるけど、相性はあまりよくないんだよな~・・・でもおもしろいからOK~!!)


「魔剣士か~。魔力を飛ばせるし、剣に魔力を纏わしたら剣の強化もできる。リク君にピッタリだね。」

「だろ?」


リクは魔剣士の職業を選択した。

すると、次にスキルを選択する画面になった。


・魔力斬LV3

・魔剣LV3


魔剣士の選べるスキルは2つだった。


「魔力斬か魔剣か・・・。魔力斬は魔力を飛ばすスキルか~。魔剣は魔剣を創造して使用できるのか・・・どちらも魅力だな。どうしよ・・・」

「どっちでもあまり変わらないかな。魔力斬は今のリク君に飛び道具が増えるって感じで、魔剣は剣の代わりになる。どっちも戦力としては上がるんじゃないかな? 」


「だよな~。う~ん・・・。魔力斬は魔法剣の風で似たようなの使う事ができるし魔剣にするか。剣が初心者用だから、新しのが欲しいとは思ってたんだよね。でもそれほどお金がないからどうしよ?って悩んでたから丁度よかったかな。」


(たしかに魔剣は今の剣より格段に強いけど、魔剣って強力な剣が手に入ったら使われないんだよね。リク君は高難度ダンジョンに挑戦できるほどの実力だからお金もすぐに溜まるだろうし魔剣のスキルもすぐに使わなくなるかもね。まあ僕には関係ないけど。)


リクは魔剣LV3のスキルを選択し、無事に転職を終えるのだった。

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