第27話 【リク】『Qのダンジョン』に挑戦する

無事魔剣士への転職を終えたリクは早速『Qのダンジョン』へ向かう事にした。


『Pのダンジョン』~『Zのダンジョン』まである高難度ダンジョンは全て100階層からなるダンジョンだ。


攻略には4人パーティで平均レベル80が必要と言われている。この世界の最高レベルの冒険者はLV70で、高難度ダンジョンはいまだ攻略されていない。


リクはソロとはいえ、攻略推奨レベルには達していた。そして、現時点のリクの目標はダンジョンの攻略ではない。ナンデモナオールを入手する事だ。


「転職も終えたし早速ダンジョンに向かうか。」

「そうだね。ギルドマスターに許可ももらったしね。」


「ああ。どんどん魔物を倒してナンデモナオールを手に入れてやる。」


(たしかに高難度ダンジョンならナンデモナオールはドロップすると思うけど、リク君の運の数値は40・・・だいぶ苦労はするだろうな・・・)


ちなみに転職後のリクはレベルはかわらないが、ステータスは上がっていた。


名前 :リク

職業 :魔剣士

レベル:80

称号:遊戯神の加護(人類最強の加護)


体力:900

魔力:300

力 :950

忍耐:850

敏捷:750

知力:250

運 :40


スキル:剣術LV10、身体強化LV6、魔法剣LV2、風魔法LV1

    魔剣LV3


スキルポイント:0


リクは『Qのダンジョン』を一人で入っていく。


「とりあえず転移水晶のある10階層まで行ってみるか。」


リクはサクサクとダンジョンを進んで行く。

「まだ低層だと魔物も大した事ないな。」

「まあ魔物が強くなるのは20階層からと50階層からだからね。リク君なら20階層までなら散歩感覚で行けると思うし、50階層までなら問題なく攻略できると思うよ。」


「50階層から下は難しいのか?」

「そうだね。リク君1人じゃきびしいと思うよ。だってリク君傷ついても回復もできないでしょ。回復薬を持って行くにも荷物にも限りがあるし、そこから下を目指すなら仲間を集めないとね。」


「仲間は今の所考えてないぞ?」

「なら50階層まででナンデモナオールを見つける事だね。高難度ダンジョンだしいつかはドロップすると思うよ。」


「50階層より下の方がドロップはしやすいのか?」

「そりゃもちろん。魔物が強い方がレアなアイテムをドロップする。っていうのは定番だからね。」

「そうか・・・」


リクはその後もサクサク攻略を進めていく。10階層までの魔物はリクの魔剣で殆ど一撃で倒せている。


予定を変更してそのまま20階層まで進む事にした。


「その辺の魔物じゃナンデモナオールはドロップしないのかもな。ドロップしたのは肉とかポーションみたいなアイテム類だけだ。珍しいモノはドロップしないな。本当に高難度ダンジョンならナンデモナオールが手に入るのか??」

「もちろん。そこはまちがえないよ。」


「それに魔物を倒してもなかなかドロップしないのも気になる。ソラと『Fのダンジョン』を回った時はもっとドロップしたぞ?もしかして高難度ダンジョンは魔物からのドロップもしにくいのか?」

「ドロップする確率はどこも同じだよ。ソラ君といた時にたくさんドロップしたならソラ君の運が良かったんじゃない?」


「なるほど・・・。」

(やっぱりソラと攻略した方がよかったか・・・。いや、さすがにソラに合わせてたらまったく攻略が進まない。俺がここでがんばるしかないんだ。)


その後もリクは20階層までただひたすら魔物を狩りながらダンジョンを降りていく。10体倒せば1回はドロップアイテムがあった。


リクは考えを変えてそれならより多くの魔物を狩ろうと決めてダンジョンを走りまわる。


「今日はこのぐらいにするか。ドロップはなかなかしないけど、これだけ魔物を倒せば10個ぐらいはドロップアイテムがあるし、毎日続ければその内出るだろ。」

「さすがLV80だと魔物も脅威にならないね。」


「まあな。だけどレベルはやっぱり上がらないな。」

「そりゃ50階層までの魔物だと、どれだけ倒してもレベルは上がらないと思うよ。自分と同等か格上の魔物を倒さないと、そもそもレベルって上がらないからね。」

「そうなのか?」


「一応、経験値としては得ているけど、格下の魔物じゃ、得られる経験値が少なくなるからね。格下と戦ってレベルが上がるなら、この世界でももっと高レベルの冒険者がたくさんいると思うよ。」

「たしかに・・・フリーダの言う通りか・・・」


リクはフリーダに言われ、フリーダに対する言葉遣いを普通の言葉に替えていた。フリーダが敬語じゃ今後付き合いづらいだろ?と言ってリクの口調をなおした為だ。


リクは20階層の転移水晶に触れて地上に戻った。


「でも高難度ダンジョンだから魔石の売却金額は期待できると思うよ。それにリク君は1人だからお金も独り占めできるしね。」

「そうだな。その点はよかった・・・かな。ドロップアイテムは詳細がわからない物も多い。この辺はギルドに行って確認だな。」


「リュックパンパンだしね。」

「そうだな・・・。」


(アイテムボックスのスキルもないし、鑑定のスキルもない。攻略はできるけどかなり苦労するよね~。まあそれがおもしろいんだけど・・・)


リクは100個以上の魔石をギルドに売却して、20,000リルの報酬を得た。


「2万リル!?ソラとまわった『Fのダンジョン』でも3000リルぐらいだったぞ。」

「そりゃこの世界で一番難易度の高いダンジョンだからね。それぐらいにはなるでしょ。それにもっと深く潜ればもっと稼げるよ。」


「一気に大金持ちだな。」

「大金持ちになりたいっていうのもリク君の夢だったもんね。」


「・・・まあな。」


大金をゲットしたリクは明日からも高難度ダンジョンを攻略して行く事を決めて、宿に向かうのだった・・・


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る