第24話 転職すると能力が上がる事を知るソラ
21階層で無事にミノタウロスを撃破して、『Fのダンジョン』をこれからもソロで攻略していけると確信したソラ。
今はミノタウロスからドロップした魔石や、そのほかの魔物の魔石をギルドに売却している所だった。
売却が終わると、隣接している酒場から声がかかる。
「おいソラー!こっちだ。」
声のかけたのは21階層でミノタウロスに襲われていたシリュウ達冒険者パーティだ。
ソラはシリュウ達の元に行き、椅子に座る。
「今日は本当に助かった。ソラが来てくれなかったら俺達はあそこで全滅していたと思う。今日は俺達におごらせてくれ。」
「そんな。気にしなくていいのに。・・・・まあ。わかったよ。ありがたく頂くね。」
「おう。」
先ほど、負傷していた回復魔法の使い手のミュウも回復したのか一緒に食事していた。
「いや~。それにしても今日は焦ったな。」
「そうだな。まさか21階層からいきなりあれほど魔物が強くなるとは・・・」
「シリュウが先走り過ぎなんだよ。いくら転職したばっかりで強くなったとはいえいきなりすぎだよ。」
「シリュウが悪い。もっと備えてから行くべきだった。」
「だってよー。強くなったら試したくなるじゃん。そうだろ?」
「それで全滅したら意味がない。」
ミュウの言葉がシリュウに深く突き刺さった。
「うぐっ・・・だな。ゴメン。反省してる。」
「僕も21階層に初めて行った時は死にかけたよ。まあ命あってのってヤツだね。」
「そうだな。肝に銘じるよ。それよりも・・・ソラは強いんだな。ちなみに職業は何なんだ?」
「シリュウったら最近はそればっかり聞くよね。」
「だって職業気になるだろ?俺だって転職したばっかりなんだからどんな職業が強いか気になるじゃん。」
「転職?」
「ああ。俺達は最近転職したんだよ。そうすると能力が上がってスキルも一つ覚えるから他の人の職業が気になってな。気を悪くしたならゆるしてくれ。悪気はないんだ。」
「いや。それは大丈夫だけど・・・・転職ってどういう事?職業って変更できるの?」
「「「「えっ!?」」」」
(えっ?何お前転職も知らないの?っていう顔は・・・えっ?知らないよ。ギルドの人教えてくれた?僕が聞いてなかった?あれ?)
「え~っと・・・転職の事教えてもらっていいかな。僕職業は魔法使いなんだけど、まだ冒険者になりたてて1カ月ぐらいしか経ってないんだ。だから転職の事知らなくて・・・」
「それならしょうがないわね。ていうかソラって冒険者になって1カ月ぐらいしか経ってないの?それでその強さ?ヤバいわね。」
「それにソラ。ミノタウロスは剣で倒さなかったか?てっきり剣士系の職業だと思ってたんだが?」
「ソロでやって行くために魔法意外に剣も鍛えたんだ。職業はここに来た時に魔法使いの適正があるって言われて、そこで魔法使いになったままそのままなんだ。」
「なるほどな。転職についてだが、冒険者になって1年ぐらいたったらギルドから転職を勧められるんだ。その頃はだいたいレベルも20を超えてるだろうから経験もあるって事で。」
「転職って違う職業になるって事だよね。それってメリットあるの?」
「ああメチャクチャあるぜ。」
そこでソラは転職制度についての内容を理解した。
転職制度の内容はこうだった。
冒険者は一度だけ転職する事ができる。
転職先はその人の経験を元に選びだされる。なので、レベル20とか長期間冒険者をしているとか。その経験が長い程強い職業を選択する事ができるようになる。
職業による強さだが、転職するとだいたいステータスが上がる。
これは例えば魔法使いの職業の人が転職して、選択肢の中に大魔法使いという職業があった場合魔法使いの上位の職業なので、ステータスの基本値が上昇する為だ。ちなみにレベルが上がった時の能力値の上昇はさほど変わらない。
だが、皆が早めに転職を行うメリットがつぎの効果だ。
転職すると、スキルを一つ覚える事ができる。転職すると、その職業にあったスキルを一つ覚える事ができるのだ。しかもレベル3で。
ちなみに先ほどの魔法使いのケースだと。大魔法使いに転職する時に、スキル候補が現れる。
火魔法LV3、水魔法LV3、雷魔法LV3、光魔法LV3という感じだ。
その中から一つ自由にスキルを選んで取得する事ができる。
ここで取得したスキルはもちろん、スキルポイントでレベルを上げる事ができるので、熟練の冒険者はだいたいが転職している。
ただし、一度転職すると二度目はない。元の職業に戻る事はできるが、戻るメリットがないので、誰も戻らない。必然的に、転職すればその職業で一生を終える者ばかりだ。
(そんな制度があるんだ・・・僕の場合はまだ1カ月しか冒険者してないから転職候補がないのかな?一年ぐらい冒険者をやってからってシリュウは言ってたし。でも能力値があがるのとスキルを覚えるのは魅力だ。一度ギルドに相談してみるか。)
「ありがとうシリュウ。よくわかったよ。それでシリュウ達は転職したんだね。ちなみにシリュウ達は何に転職したの?」
「ああ。俺は剣士から大剣士に転職したぜ。」
「俺は戦士から盾士に転職だな。」
「私は魔法使いから煉獄魔法使いに転職したよ。」
「僧侶から、治癒士になった。」
「へ~。やっぱり転職したら感じって変わるの?」
「ああ。スキルも覚えたし、転職前よりかなり強くなったぞ。まあ速攻でミノタウロスにやられたがな・・・」
シリュウ達と楽しい時を過ごしたソラは冒険者との食事も悪くない。と思いながら宿屋に帰って行った。
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