第3話 女神様のお兄様登場!?神様って何人いるの?

「私にウミさんを治す事はできません。」


女神デスティからの答えにソラとリクは再度、絶望した。


「なぜですか!?」

「なぜですか!?」


2人は邪神の時とは違って、女神に詰め寄った。邪神の時は近寄れないオーラがあったのと、近寄れば殺される!との思いから近寄れなかったが、デスティのオーラはそんな感じではなかったので二人はデスティに詰め寄り肩を掴んで再度お願いをした。


「大事な仲間なんです。治してください!お願いします。」

「なんでもする。助けてください!」


デスティは2人の必死な様子に驚いたが、笑みを浮かべて声をかけた。

「ウミさんの事が大事なんですね。でもごめんなさい。ウミさんを治す事はできないの。治さないんではなくて、治せないの。私の説明が悪かったわね。ヤミラの呪いは私では解けないの。ヤミラの呪いを解けるのはこの世界を作った創造神様だけよ。」


「「そんな・・・」」


「じゃあ、創造神様にウミを治してくれるよう頼んでくれませんか?」

「何でもします。創造神様に合わせてください。」


2人は必至だ。それもそうだろう。創造新様ならウミに掛けられた呪いを解く事ができる!と知ったのだから。


「よほどウミさんの事が大事なのね。そして3人とても仲が良いのですね。とてもうらやましいです。ですが・・・ごめんなさい。それも・・・・できないわ。いいえ。これも説明不足ね。創造神様とはずっとお会いしていないの。もう500年程は会ってないわ。私の上司にあたるのだけど、連絡の方法もわからないわ・・・」


「「そんな・・・」」


「弟のやった事だし何とかしてあげたいのですが・・・本当にごめんなさい。」


デスティはソラとリクに謝った。女神が人に謝るなんて光景なかなか無いだろう。だが、ウミを治す事ができないと知った二人は言葉を失い、その場でうなだれた。


デスティは何とかしてあげたいが、何をすれば良いのかわからず放心状態の2人をずっと見つめていた。


すると・・・


「ナンデモナオールを使えばいいじゃないか!!」

空間に渦ができて、今度は灰色の翼を持った神様?が現れた。


「フリーダお兄様!?」

「デスティ、話はここを覗いていたからわかってるよ。ヤミラには逃げられたみたいだね。」

「はい。それで・・・ヤミラの呪いを、そこにいるウミさんが受けてしまって・・・」

「ああ。ソラ君とリク君の話は僕も聞いていたから内容はわかってるよ。」

「お兄様はヤミラの呪いを治せますか?」

「すまないな。僕にもヤミラの呪いを解く事はできない。」

「そうですよね・・・」

「だが、ナンデモナオールならその子の呪いを解く事ができると思うよ。」

「!?・・・たしかにナンデモナオールならヤミラの呪いを治せるでしょうね。」

「そうだろう。」

「でもお兄様・・・ナンデモナオールをどうやって入手するのですか・・・」



デスティとフリーダが話しているのをソラとリクは黙って聞いていたが、ウミの呪いを解く方法がある事が分かったところで会話に入った。


「デスティ様!フリーダ・・・様?ナンデモナオールっていうのがあればウミの呪いを治せるのですか?」

リクは2人に問いかけた。すると質問にフリーダが答えた。


「君は・・・リク君。だったよね。僕は遊戯神のフリーダっていうんだ。よろしくね。さっきのリク君の質問だけど、ナンデモナオールならウミちゃんを治す事ができると思うよ。」

「本当ですか!?」

「ああ。あの薬は創造神様が作ったモノだからね。」

「そのナンデモナオールっていうのはどこにあるんですか?」

「ダンジョンからのドロップ品だね。」

「「ドロップ品!?」」


ナンデモナオールの入手方法をフリーダはリクとソラに説明した。


この世界にはダンジョンが26個ある。今ソラ達のいるアイス王国に5か所、他の国にもそれぞれ5~6か所のダンジョンがある。そしてダンジョンに出る魔物は倒すと死体は消えてします。


消えてしまうというのは正しい表現ではない。正確には魔石を残して消えてしまう。そして運が良ければ様々なドロップアイテムを落とすのだ。ドロップアイテムの種類は様々だ。肉や魚などの食料品から、剣や斧、短剣などの武器、鎧や盾などの防具、スキルを覚える事のできるスキル書やポーションなどの回復アイテムまで、ダンジョンのドロップは様々なモノを手に入れる事ができる。


「なるほど。ではダンジョンで魔物を倒し続けたらナンデモナオールが手に入るんですね!!」

「簡単に言えばそうなんだけど・・・。ただ、ナンデモナオールはレア度SSSのアイテムだから『Aのダンジョン』でドロップする事は無いと思うわ!」

「どういう事ですか?」


「簡単に言うと、貴重なアイテムは難易度の高いダンジョンの方がドロップしやすい!って事ね。剣を例にすると、『Aのダンジョン』でドロップするのは木剣とかよくて鉄の剣だけど、難易度の高いダンジョン、『Zのダンジョン』とか『Yのダンジョン』なら魔剣とか神剣とかがドロップするって感じね。」


ドロップの仕組みをデスティが説明してくれた。

「なら難易度の高いダンジョンに行って魔物を狩ればいいんですね。」

「そういう事。でも難易度の高いダンジョンは出てくる魔物も強いわよ。今のソラ君とリク君じゃ無理ね。それに魔物を倒しても希望のドロップが出るとは限らないわよ。」


「でも!!ウミを治す事ができる方法が見つかったんです。何年かかっても必ず見付けます。」

「リク君・・・・それは無理よ!だってウミちゃんの呪いは2年以内に治さないと治療できなくなるもの」


「「えっ!?」」


女神デスティから伝えられたのは、2年以内に呪いを解かないとウミの呪いは一生とけない。という事だった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る