最強チートのアイツと成長チートの僕。邪神の呪いを受けたキミを救うのは・・・

ベルピー

第1章 邪神の呪いを受けた『ウミ』を救うのは・・・

第1話 どうしてこうなった!?

「ウミッ!!!ウミーーー」

目の前の敵の攻撃?、敵の魔法?、敵の手から出た光を浴びたウミは石みたいにグレー色に変わって動かなくなった。


ソラとリクは石みたいになったウミに近づき、何度もウミに話かけるが、返事が返ってくることもなく、身体はカチンコチンに固くなっていた。


(どうしてこうなったんだ!?冒険者になって、これからがんばろうって3人で誓い合ったのに・・・)


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


ソラとリクとウミ。同じ孤児院で育った3人は15歳になったと同時に孤児院を出て冒険者になる事を決めていた。


ソラは黒髪の黒目で身長は170㎝程。体格は細身の男性。

リクは赤髪の金目で身長は180㎝程。体格はガッチリ系の男性。

ウミは金髪の蒼目で身長は150㎝程。体格は細身の女性。


元々、孤児院は15歳までしか居られなかった。なぜなら今ソラ達がいる孤児院には0歳~15歳までの男女が50人程いた。毎日の食事や寝る場所の確保などを考えるといつもカツカツだった。


年齢が上がる程、食べる食事の量も増えてくる。早く自立して孤児院を出て行かないと満足に食事をできない子が出てくるのだ。ソラ達15歳の子供の食事の量は6歳7歳の子供の2倍だ。


16歳になるまで孤児院で生活する事はできるが、ソラ達は自分達が孤児院の負担になっている事を気にしていたので、早く孤児院を出たかった。ただ、孤児院を出ても特に技能があるわけでもなかったので、15歳から登録できる冒険者になろうと思っていたのだ。


冒険者は15歳から冒険者ギルドで誰でも登録する事ができる。冒険者になれば剣士や魔法使い、盗賊などの職業を獲得できるとともに、一攫千金も目指せる職業だ。その反面、死亡率がとても高いがソラ達3人の希望は冒険者一択だった。


『冒険者になって大金持ちになって、孤児院に恩返しする』


これがソラ、リク、ウミの共通の目標になっていた。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


15歳になった日に冒険者ギルドを訪れて、3人は冒険者になった。

3人の適正を調べてもらいそれぞれにあった職業に付く。もちろん初期の装備品もギルドからもらう事ができる。至れり尽くせりだ。


なぜなら、冒険者が魔物を狩って素材をギルドに売却する。又はダンジョンに行って魔物が落とすドロップ品をギルドに売却する。ギルドが冒険者からの素材やドロップ品を市場に流す事でこの世界の経済は回っている。ギルドからすれば優秀な冒険者が増えれば素材やドロップ品が増えるのだ。サービスが良いのも当然と言えるだろう。


ソラは攻撃魔法に適正があったので、魔法使いの職業を選んだ。装備品は杖とローブだ。

リクは剣に適正があったので、剣士の職業を選んだ。装備品は片手剣と皮の鎧だ。

ウミは回復魔法に適正があったので、僧侶の職業を選んだ。装備品は杖とローブだ。


前衛のリク、後衛のソラに回復のウミとうまい具合にバランスが取れたので3人はその場でパーティを組んで、初心者講習を1時間受けた。


講習の後は初心者ダンジョンである『Aのダンジョン』に向かった。


ダンジョンを目の前に3人はその場で誓った。


ダンジョンを攻略して大金持ちになろう

毎日お腹一杯ご飯を食べたい。

孤児院に恩返ししたい。

英雄になりたい。


初心者ダンジョンである『Aのダンジョン』は冒険者になったばかりの初心者用ダンジョンだ。出てくる魔物もスライムだったりウサギだったり、芋虫だったりと全く強くない魔物ばかりだった。


3人は出てくる魔物を剣で倒したり、魔法で倒したり、杖で倒したりしながら苦戦する事もなくダンジョンを進んでいった。


このまま何事もなく、『Aのダンジョン』を攻略して、そのまま冒険者生活を続けていくだろう。と考えながら最奥の部屋にたどり着いた時、異変は起こった。


冒険者講習で受けた説明では、『Aのダンジョン』では弱い魔物しか出ず、最奥のボスもゴブリンが1体出てくるだけのとても簡単なダンジョン。講習を受けた冒険者がそのまま攻略して、2時間もあれば攻略できるダンジョン。との事だった。


しかし、『Aのダンジョン』の最奥に行った時に出てきた魔物はとてもゴブリンには見えなかった。


なぜなら、見た目が緑色ではなく、灰色だったから。

なぜなら、武器を持ってないはずが、斧を持っていたから。

なぜなら、1m程の大きさではなく、2mは越えていたから。


そして、3人は最奥の部屋に居た魔物の名前を知っていた。

その名は・・・


『ミノタウロス』


そう牛の顔で二足歩行。手には大きな斧を持つ魔物だった。3人がなぜ知っていたかというと、孤児院で何度も読んだ英雄譚で勇者がミノタウロスと死闘を繰り広げていたからだ。


3人はミノタウロスを見て、瞬時にヤバい!!と思い、最奥の部屋から逃げ出した。


ソラはミノタウロスに捕まらない様に必死に逃げた。

リクはミノタウロスに捕まらない様に必死に逃げた。

ウミはミノタウロスに捕まらない様に必死に逃げた。


追い付かれない様に必死に逃げた3人は、小さな部屋に入り込んだ。

ここまで逃げれば大丈夫!と3人は思ったが、確証など無い・・・


一気に疲れが押し寄せてきたので、床に座ってぐったりしているとまたしても異変が起こる。目の前の空間が渦巻き、その中から背中に黒い翼の生えた人?が現れたのだ。


まがまがしい雰囲気に3人が一瞬で警戒するのも束の間、目の前の黒い翼の人?はこちらに手を向けて魔法?を放ってきた。


このままでは3人とも直撃!?・・・かと思われたがウミがリクとソラを突き飛ばした。そんな力どこに?とは思うが火事場のなんとかやら・・・だろう。


1人魔法?の直撃を受けたウミは身体がグレー色に変わって動かなくなった・・・




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