第11話 充実のダンジョン & 不満のダンジョン
それからソラとリクの2人は『Fのダンジョン』を毎日探索した。
1日目・・・1階層から4階層まで
2日目・・・1階層から6階層まで
3日目・・・1階層から8階層まで
4日目・・・1階層から9階層まで
5日目・・・1階層から10階層まで
6日目・・・10階層から11階層まで
7日目・・・10階層から12階層まで
毎日の行動は決まっていた。
ソラが魔法を使って魔物を倒す。MPがなくなったらリクが魔物を倒して、空のMPが回復したらソラが再度魔物を倒す。そしてソラの魔力が無くなったら攻略を終えるという一日の流れだ。
今日もダンジョン攻略が終わり孤児院でウミにダンジョンの事を話した後は宿屋に戻った2人だった。
◆◆◆◆
(今日もレベルが上がったな。ダンジョンもどんどん深くまで攻略できているし、この調子で行けば2か月以内にはこのダンジョンを攻略できそうだ。そうなったら高難度ダンジョンへの挑戦も見えてくる。できればここでナンデモナオールがドロップしてくれたらうれしいけど、この1週間でレア度が高いアイテムはドロップしなかったからやっぱりナンデモナオールは高難度ダンジョンでないと見つからないかもな。)
ソラはこの7日間がとても充実していた。なぜなら、ダンジョンにいけば必ずレベルが上がる。MPがなくなってもリクが魔物を倒してくれるからとても安全にダンジョン攻略ができる。運の数値が高いソラが倒した魔物からは高確率でドロップアイテムがあるので、売却金額も大きくなって、生活もゆとりが出て来た。2人パーティで『Fのダンジョン』を7日で10階層まで行った事のあるパーティは過去にないとの事でギルドで褒められる。と良い事ばかりだったからだ。
ソラのレベルはこの7日間で10まで上がっていた。
名前 :ソラ
職業 :魔法使い
レベル:10
称号:運命の女神デスティの加護
体力:20 → 35 → 150
魔力:30 → 50 → 210
力 :10 → 20 → 100
忍耐:13 → 28 → 140
敏捷:12 → 22 → 100
知力:20 → 40 → 200
運 :100
スキル:火魔法LV3・アイテムボックスLV2・鑑定LV1・回復魔法LV1
魔力回復速度上昇LV2・魔力最大値上昇LV2
スキルポイント:14
より多くの魔物を倒す為、ソラはスキルポイントを魔力の回復速度の上昇と
魔力の最大値上昇に振っていた。
魔力回復速度上昇LV2は1時間に魔力が最大の2割回復する。
魔力最大値上昇LV2は魔力の最大値が2割アップする。
(この調子でいけば、ナンデモナオールの入手もきっと大丈夫だ。リクと2人ならきっとやれる。明日もがんばるぞ。)
ソラは明日からもこの良い流れが続くと思っていた。
◆◆◆◆
(あ~。今日も全然ダンジョンを攻略できなかった。ソラの魔力が無くなるからそれ以上攻略できないのはわかるけど、ドロップアイテムの売却金額とかでMPポーションはもっと買えると思うんだけどな~。このままならいつまでたってもナンデモナオールが入手できないし、入手できなかったら、ウミを治す事ができないんだけどソラってその事わかってるのか??)
リクはこの7日間は不満の連続だった。ソラと『Fのダンジョン』の攻略に行くのだが、ソラの魔力がなくなると攻略を断念する。その為、1日に1階層~2階層ぐらいしか進まない。1人で攻略していればきっとすでに『Fのダンジョン』は攻略できているだろう。となんども思っていた。
魔物に関してもリクは全然本気を出していない。剣を軽く振れば魔物は魔石を残して消えてしまう。手ごたえがない点も不満だった。更にレベルが上がらない事も不満に思っていた。
(このダンジョンの魔物なら、いくら倒してもレベルが上がらない・・・。俺だけで高難度ダンジョンに行った方がウミを助けられるか・・・いや、でも・・・)
するとそこに遊戯神フリーダが現れた。
「ふふふ。大分不満がたまっているようだね。」
「フリーダ様!?」
「リク君。いつまでソラ君と一緒にいるんだい?君だって気づいてるだろ?ソラ君と一緒にいたらいつまでたってもウミちゃんを救えないって事が。」
「それは・・・」
「それにリク君は最強の剣士になっている。そこにソラ君と一緒にダンジョン攻略はすごく効率が悪いよ。言ってみれば加護を与えてから今日までの日を無駄にしてるよ。」
「そんな事は・・・」
「ないって言えるかい?じゃあリク君は今日まででレベルは上がったかい?ナンデモナオールは高難度ダンジョンでドロップするよ?何体か魔物を倒したのかい?」
「それは・・・」
「だろ?ならリク君は一日も早くここを離れて高難度ダンジョンに行くべきだと思うよ。」
「フリーダ様・・・」
「ちなみに行くなら高難度ダンジョンが3つある帝国に行くのが僕はいいと思うよ。ここにも高難度ダンジョンはあるけど帝国の方が冒険者のレベルが高いからね。」
「そうなんですか?」
「うん。リク君は帝国の方があってるよ。あっちは実力主義だから最強の剣士の力をすぐに認めてもらえると思う。認めてもらえば色々行動しやすいと思うからね。」
「・・・わかりました。ソラに話してみます。」
リクはこの1週間の不満もあり、遊戯神フリーダの言葉を受け入れたのだった。
◆◆◆◆
ソラとリク、同じパーティで1週間ダンジョン攻略したものの思った事は正反対であった。
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