第38話親玉
一気にモンスターを倒したことで仲間達は一時的に勢いを取り戻したがまたすぐに元に戻ってしまった。
『また戻ってきちゃったか』
一応攻撃自体はできているのだがゴブリンの攻撃に圧倒されてしまいうまく立ち回れていない。
『どうしようこのままじゃ!』
『大丈夫だよナギ僕も一緒に作戦を考えるから』
『勇者様の言うとおりですよ私も協力します』
『でも作戦を考えるにしても敵のモンスターの数がはっきりしてない以上作戦を考えることは難しいんじゃない』
それは確かにナギの言う通りだ、敵のモンスターの数が多すぎてはっきりした数を把握できていない。
『確かにそうだね そうなると仲間の人達の戦い方を変えるしか今のところできることはなさそうだけど』
『仲間の人達の体力も削れてきてるみたいですしなるべく体力を使わせないようにしたいんですけどね』
『体力をなるべく削らせずに戦わせるなんてどうしたらいいの!』
ナギが明らかに慌てた口調でそう言ってくる。
『ナギまずは落ち着いて』
『なんとかクロリスのおかげで数は減らせたけどそれでもやっぱりきりがないわね』
『何かいい作戦はないかいい作戦は』
そう強く自分に言い聞かせながら作戦を考える。
『まず大前提として こっちの数よりゴブリンの数の方が圧倒的に多い』
『さっきの僕のスキルである程度数は削れたとはいえそれでもゴブリン側がこっちより数が多いのは変わらない』
『あまり効果はないと思うけどやってみるしかないか』
『ナギ』
『何?』
それからナギに僕が考えている作戦を伝えた。
『わかったやってみる』
「今から作戦を伝えますよく聞いてください!」
「今から最低2人で協力して戦うようにしてください」
「仲間のどちらかの人が攻撃に徹してもう1人の人がその人を守りながら敵の隙を作るという作戦です」
「了解!」
『これで劇的に状況が良くなるとは思えないけど少なくとも怪我をする人を多少なりとも減らせるはずだ』
僕も剣を構えなおして再び攻撃する。
「うおおおーーー!!!」
するとさっきまでとは少し違い何体かのゴブリンが僕に向かって同時に襲いかかってくる。
『ゴブリンも僕達を倒すために作戦を考えてきたってことか』
何体かのゴブリンが脅すように叫び声を上げながら勢いよく棍棒を振り下ろしてくる。
その攻撃を冷静に避け一体一体倒していく。
仲間の人達はナギの言う通りに1人が守りに徹してもう1人が攻撃に徹していた。
さっきよりも少しではあるが勢いを取り戻している。
『勢いは少し取り戻したみたいだけど全然やっぱり減った気がしないな』
そう思いながらも剣を持つ手の動きは止めずにゴブリンを切っていく。
「うおおおーーー!!!」
するとたくさんの数がいるゴブリンの中野一体が叫び声を上げるとゾロゾロと仲間のゴブリンがやってきた。
「せっかくここまで倒したのにまた更に増えるのかよ!」
焦った口調で仲間の1人が言う,
「大丈夫ですみなさん落ち着いてください私達なら敵がいくら増えようときっと倒せるはずです!」
力強い口調でみんなを安心させるようにそう言って剣を構え直す。
「きっと大丈夫です」
怯えている人達にもう一度そう声をかける。
『て言ってもこの数どうすればいいんだ』
何体か少し数を減らすことができたのだが、真ん中の方にいるゴブリンの親玉みたいなモンスターが叫び声をあげたと同時に仲間達がやってきた。
つまり振り出しに戻ってしまったということだ。
いやと言より感覚的なものではあるがさっきより少し数が増えているような気がする。
『少しだけとはいえさっきより増えている数を相手にするのはもう仲間の体力的にも限界だ』
『だからといってあのゴブリンの親玉みたいなやつを最近倒そうとしても確実に邪魔をしてくるだろうな』
もう1度ガントレットハンマーのスキルで周りにいるゴブリンを吹っ飛ばそうと思ったが、ゴブリンは弱いモンスターではあるが普通のモンスターと違って知能が比較的高いので同じ攻撃が2度通用するか分からない。
色々と作戦を考えていると一つのことが頭によぎった。
『このスキルは一回使ったきりでそれ以来使ってなかったけど一か八かの賭けだ!』
そう強く覚悟を決めて手に持っているガラガラを強く降る。
すると地面がいきなり青い光を放つ。
その青い光の中から狼のような見た目をしたモンスターが出てきた。
一瞬忌のせいかとも思ったが前に呼び出した時と比べて少し見た目が変わっている。
足の爪が前に呼び出した時よりも2倍ぐらい大きくなっている。
顔つきも前に見た時より凛々しくなっている。
僕に目で何をすればいいかと聞いてくる。
僕は目で背中に乗せてくれると尋ねる。
するとゆっくりと背中を差し出してくる。
『ありがとう』
そうお礼を言って背中の上に乗る。
モンスターの背中の上に乗ったことなんて今までになかったので少し戸惑ってしまう。
手に持っているガラガラを振る。
すると勢いよく駆け出しゴブリンとの距離を詰て鋭い爪で攻撃をする。
すると目の前にいるゴブリンが次々とやられていく。
このままじゃダメかと思ったようでモンスターの上に乗っている僕に直接攻撃をしてこようとする。
「おおおーーー!!!」
素早く剣を構えなおし振り下ろしてきた棍棒の攻撃をガードする。
それからうまいこと攻撃をかわしながらゴブリンの大群の中へと突っ込んでいく。
『クロリスはそのままゴブリンの群れの中に突っ込んでって仲間達が通る道を切り開いて行って!』
『わかった』
それからもたくさんのゴブリンに同時に襲われたがうまくかわし、一体一体丁寧に倒していく。
仲間達が後ろの方から僕の攻撃に続くように攻撃をする。
「あの赤ん坊の後ろに続け!」
僕はその人達が攻撃をしやすいようにサポートをする。
それからしばらくして。
さっきよりも数は減ったと思うがそれでもやっぱり数はまだ多い。
『このままクロリスがゴブリンに突っ込んで行ってもらって倒して行くにしてももうそれは分かっているだろうし』
『ゴブリンの方もきっと何かの対策をしてくる』
『それに勇者様ゴブリンから少なくともダメージを受けているんですから少しは回復しないと駄目ですよ』
不安そうな表情を顔に浮かべてそう言ってくる。
『大丈夫ですよモモさんこのモンスターが素早く攻撃をしてくれるおかげでダメージはそんなに受けてませんから』
余裕の笑みを顔に浮かべてそう言葉を返す。
『本当に大丈夫なのね!』
真剣な口調でナギがもう一度聞いてくる。
『うん!』
力強くそう言葉を返す。
剣を構えなおしてゴブリンの群れの中へと再び突っ込んでいく。
すると再びゴブリンがチャンスだと言わんばかりに四方八方から攻撃をしてくる。
その攻撃をよく見て避けさらに奥へ奥へと突き進んでいく。
目の前にいるゴブリンを次から次へと倒していく。
『なんとしてでもこの町の人達を守るんだ!』
そんな強い想いを胸に抱きながら敵を倒し前へ前へと突き進んでいく。
モンスターと協力しながら鋭い爪と剣で攻撃する。
(後書き)
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