第39話戦いの道
さらに前へ前へと突き進んでいくと後ろの方に普通のゴブリンの2倍ぐらいの大きさのゴブリンキングの姿が見えた。
だがそのゴブリンキングの周りにはたくさんのゴブリンがいて守っているようだった。
「ぐおおおーーー!!!」
僕と目があったと同時にゴブリンキングが叫び声を上げる。
するといきなり周りにいるゴブリンの動きが2倍ぐらい素早くなった。
『ゴブリンの動きが急に早くなった!』
『おそらく新体能力を底上げするスキルと同じようにあのゴブリンキングが叫び声をあげると同じ効果が得られるんでしょうね』
『早い話があのゴブリンキングを先に倒せばこれ以上周りのゴブリン達の能力が底上げされることはないってことね』
『それはそうなんですけどゴブリンキングを先に倒そうとしても周りにいるたくさんのゴブリンに守られているのでどっちにしろ先にゴブリンを倒さないと無理そうですね』
「仲間の人達みんないきなりのゴブリンの素早さについていけてないと思うからモモさんは右側にいる騎士の人達に指示を出してあげてくれる?」
「わかりましたでもいったいどんな指示を出せば?」
「その判断はモモさんに任せる状況を見て判断して」
「分かりました」
「右側にいる騎士の人達は今からモモさんの指示に従ってください!」
後ろを振り返ってそう指示をする。
「了解!」
「それでは私達は右側にいるゴブリンを重点的に倒していきましょう」
「了解!」
ふと2人の方に視線を向けているとその隙を突かれゴブリンが襲ってくる。
『さっきより素早くはなってるけど目で捕らえられないほどのスピードじゃない』
叫び声を上げながら再びゴブリンが僕に向かって棍棒を振り下ろしてくる。
とっさに剣でガードしてその棍棒を力で押し返す。
すかさず自分の剣をゴブリンに向かって振り下ろす。
ゴブリンは叫び声を上げるまもなく倒れた。
それとほぼ同時に少し奥の方にいるゴブリンが僕に向かって小さい爆弾を投げつけてきた。
その飛んできた爆弾は空中でボンと爆発した。
さすがにいきなりだったので避けきることはできなかったが、直撃は避けることができた。
『大丈夫ですか勇者様!』
『僕は大丈夫ですから気にしないで戦いに集中してください』
冷静に言葉を返す。
『確実にさっきと比べると数が減ってきてるこのまま一気に行けば倒せる!』
『クロリスもモモさんも頑張ってくれてるんだから私も頑張らないと!』
自分に言い聞かせるように強くそう言って目の前にいる敵を次から次へと倒していく。
「ファイヤーボール!」
「スキル
ドドドンという激しい爆発音とともにゴブリンを倒していく。
「黒き炎に焼かれその身を灰とかせ
すると周りにいたゴブリンの体がいきなり黒い炎に包まれ火だるまになった。
ふと左に顔を向けるとそこにはモモさんの姿があった。
「何でモモさんがこんなところに!」
「さっきまであっちの方で戦ってたんですけど何故かこっちに来ちゃって」
「なるほど先に私を潰しに来たのね」
「全く私も舐められたものね」
そう言いながら魔法の杖を構えなおしさっきよりも強い火力の魔法を放つ。
「それにしても勇者様凄いですよね私達より多いゴブリンを1人で相手にするなんて」
攻撃は一切止めずにそう言ってくる。
「前にも言ったような気がするけどあそこまで行くともう化け物じみてる」
「でも勇者様ならあの力で必ずこの街を守ってくれると思いますよ」
「ええそのためにも私たちがクロリスのサポートをしなくちゃね」
「はい」
「それではこれより再び全員で協力してゴブリンを倒します!」
「盾を持っている人達は前の方に来て後ろの人達を守ってください!」
「了解!」
ナギがそう指示を出すと言われた通りに動いて盾を持った騎士の人が前の方に来る。
それから協力してバッタバッタと目の前にいるゴブリンを倒していく。
『ずっとクロリスに甘えてるわけにはいかない!』
「私だって魔法の勇者なんだから!」
一体のゴブリンがモモさんにとかって勢いよく棍棒を降り下ろそうとする。
すかさず私が間に入りその攻撃を魔法の杖でガードする。
「大丈夫モモさん!」
「すいませんありがとうございます!」
すると今度は少し遠くにいるゴブリンが私に向かって火矢を放ってきた。
その矢をギリギリで避ける。
「やっぱりゴブリンは知識があるぶん厄介ね」
すると気づかないうちにいつのまにかゴブリンに囲まれていた。
ゴブリンが私に向かって大量の火矢を放ってきた。
雨のように私に火矢が降り注いでくる。
とっさの判断で自分の目の前に炎の壁を作りその攻撃を防ぐ。
そんな戦いがしばらく続いた。
『正直もうさすがに私の体力も魔力も底をつき始めてる』
それでも2人は弱っているところを一緒にいる仲間の人達に見せないように体を奮い立たせる。
一緒に戦っている仲間の人達もほとんど体力が底を尽きているような感じだ。
「ファイヤーボール!」
かろうじて魔法で攻撃できてはいるものの明らかに威力が弱まっている。
少し後ろにいる何体かのゴブリンが同時に私達に向かって火矢を放ってきた。
『やばい反応が間に合わない!』
そう思い思わず目をつぶってしまう。
だがしばらく待っても矢が私の体を貫いた感覚はない、体が燃えるような感覚もない。
恐る恐る目をゆっくりと開けてみると。
目の前にはクロリスが私達をかばうように立っていた。
飛んできた矢はすべて地面に叩き落とされている。
「2人とも怪我はない?」
「なんでクロリスがこんな場所にいるの今まであっちで戦ってたじゃない!」
『あっちのゴブリンがあらかた片付け終わったからナギのところに行こうと思ったらこうなってたから』
『でもかなり数が減ったとはいえやっぱり多いね』
『でもこのぐらいの数私達3人ならいや、仲間のみなさんと協力すれば必ず何とかできますよ』
『そうですね』
『それにしてももうこれ以上長々と戦いに時間を使うわけにもいかないし どうしたらいいんだ?』
そう考えているとひとつの考えが頭によぎった。
『モモさん』
『何ですか!』
『この周りにいる仲間の人達の能力をモモさんのスキルで底上げする事って出来ますか?』
真剣な口調でそう尋ねる。
『正直言って私の魔力はもう底を尽きています、ですが勇者様の頼みとあれば魔力を体の奥底から捻り出してみせます!』
力強くそう言葉を返してくる。
モモさんは後ろにいる仲間の人たちの方に体を向ける。
「皆さん今から私のスキルで皆さんの能力を底上げします!」
真剣な表情でそう言ってモモさんは魔導書を開く。
「身体能力強化防御力強化攻撃力強化」
「この力は!」
「この力があればゴブリンの大群を必ず倒せる!」
今まで沈んでいた騎士達の表情が一気に希望に満ち溢れた表情へと変わる。
「皆さんようやく敵の半分以上を倒すことができました、ここからも気を抜かずに最後まで戦い抜きましょう!」
ナギが堂々とした口調で力強くそう言った。
「おおおおーーー!!!」
最後に気合を入れるように声を張り上げて自分達の剣を上に向ける。
(後書き)
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このお話は人気があれば続きを書こうと思っています。
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