第18話正式なパーティーメンバー
誰かに触れられているような感覚と同時に目を覚まし横に顔を向けてみるとモモさんが楽しそうに僕の頬をつついていた。
「勇者様おはようございます」
「おはようこんな朝早く起きて今まで何してたの?」
「勇者様の寝顔を見て癒されていました」
『僕の顔に癒し効果があるとは思えないけどまいっか』
ナギも目を覚ました。
「2人ともおはよう」
眠そうな目を擦りながらそう言ってくる。
それから僕達はこの村を出る準備をした。
「英雄様!」
村の人達がお見送りに来てくれたのか手を振りながらこっちに近づいてくる。
「これを持って行ってください」
村長がそう言いながら一つの袋を手渡してくる。
「これは何ですか」
ナギがそれを受け取り言葉を返す。
「今回村を助けてくれたお礼のお金だと思っていただければ」
その袋を開けてみるとたくさんの金貨が入っていた。
「その袋の中には約500枚の金貨が入っています」
「500枚って受け取れませんよこんな大金!」
「いいんですよせめてものお礼なんですから」
「それではありがたく頂いておきます」
「今後何かありましたら私達に遠慮なく頼ってください、役に立てるかわかりせんが」
「それではさようなら」
村のみんなは笑顔で僕達を見送ってくれた。
「とりあえずギルドに戻ったら私たちとパーティーを組むための手続きをしてもらわないとね」
そんな雑談をしながらギルドに戻った。
「おかえりなさいあれその方は?」
「ちょっと色々と理由があって一緒にパーティーを組むことになったんですけど今ってパーティメンバー登録してもらえますか?」
「はい大丈夫ですよ」
「それではこちらの紙にご自分の名前とハンターランクと数値を書いてください」
「もし一度も自分の力を測定したことがないという場合はこのギルドにある魔石で測定してから書いてもらいます」
「自分の力を前に測定したことがあるので測定しなくて大丈夫です」
そう言って紙とペンを受け取りそこに自分の名前とランクと数値を書いていく。
「凄いSランクなんですか!」
受付の女の人がそう驚きの声を上げる。
「はいそうですよでもこの2人には全然かなわないですけどね」
特になんてことなさそうにそう言葉を返す。
「すげーあの子Sランクだってよ!」
「まじかよあのパーティ最強パーティーじゃねえか!」
周りの人達からそんな驚きの声が聞こえてくる。
「さてパーティー登録も終わったことですしどっかのお店に行ってお昼ご飯にしませんか?私お腹がすいちゃって」
「私もお腹がすいてきたしお昼ご飯にしましょうか」
僕達はギルドを出て街の中にある店を見て回ることにした。
「どこかいい店ありますかね」
そう言いながら辺りを見回す。
「勇者様はどこか食べに行きたいとこありますか?」
少ししゃがんで目線を僕に合わせてそう聞いてくる。
『別に僕はどこでも大丈夫ですよ』
「そう言われると何を食べるか迷っちゃいます」
そう言いながら再び周りにあるお店を見渡す。
「それじゃあ、あのお店にしましょうか」
足を止めてお店を指差してそう言ってくる。
僕達がそのお店に入ってみると周りには2、3人のお客さんしかいなかった。
「いらっしゃいませこちらのお席へどうぞ」
店員さんに言われるがまま席へと案内される。
それぞれメニューを決めて店員さんに注文する。
「昨日の夜聞いた話もうちょっと詳しく教えてください」
モモさんは周りの人達に聞かれないように警戒をしながらそう小声で聞いてくる。
「昨日の話って何の話?」
「昨日勇者様が仲間に裏切られて 魔王に殺されて赤ちゃんの姿で転生したとかなんとか?」
どうやら昨日の夜話した続きの話が気になるらしい。
『昨日は僕が転生する前の話をざっくり話すだけになっちゃったからな』
改めて僕が転生する前の話を詳しくすることにした。
2人とも僕の心が読めるため僕が話した方が話を周りに聞かれるリスクが0になると思ったからだ。
『僕がもともと補欠の勇者として選ばれたっていう話はしたっけ?』
『いいえ勇者パーティーに裏切られて魔王に殺されたというところまでしか」
「ていうか勇者様元々補欠だったんですか!」
遅れてそう驚きの言葉を口にして勢いよく立ち上がる。
ご飯を食べていた人達の視線がモモさんの方に向く。
モモさんは申し訳なさそうにしながら席に座る。
「すいませんでした続きお願いします」
『その時の僕は勇者パーティーの中で一番弱くていじめられてたんだ』
『本当に勇者パーティにいた時は大変だったよ人間サンドバッグにされるのが当たり前だったし』
『何もしてないのに理不尽に怒られることもあった』
冗談ポイ口調でそう言葉を口にする。
『まだこのパーティーにモモさんが入って1日しか経ってないのに言うのもおかしいかもしれないけど、今はとても楽しいんだ2人ともありがとう』
顔にとても純粋な笑顔を浮かべてそう言った。
「別に改めてお礼を言われることでもないわよ」
照れているのか頬を赤くしながら目をそらしてナギがそう言葉を返してくる。
「そうですよ私はおそらく勇者様に助けていただかなければあの時死んでいたでしょうし」
「お礼を言われるまでもありませんよ」
しばらくするとさっき頼んだ料理が届いた。
「それじゃあ私がご飯を食べさせてあげますね勇者様!」
そう言ってスプーンでご飯をすくう。
『なんで!』
「なんであなたがそんな事する必要があるのよ!」
僕と同じようにナギが驚きの声を上げる。
「何でですか別にいいじゃないですか私が勇者様にご飯をあげたって」
「あ!わかったナギさんが勇者様にご飯をあげたいんですね」
「なんでそうなるのよ!」
「じゃあ私がご飯をあげていいはずですよね」
「はい勇者様あーん」
そう言いながらスプーンを 僕の口の近くに持ってくる。
『そこまでしてもらわなくても大丈夫ですよ見た目が幼児化してるだけで普通にご飯は自分で食べられますから』
「遠慮しなくて大丈夫ですよ」
『いや遠慮とかじゃなくて!』
僕とモモさんがそんな会話をしていると、モモさんが手に持っていたスプーンをとる。
そしてモモさんが座っていた場所にナギが座る。
「私が食べさせる」
「やっぱり自分が勇者様にご飯を食べさせたかったんじゃないんですか」
冗談ポイ口調でそう言う。
「うるさいわね、私が食べさせたほうがクロリスのスキルポイントもたまるしそっちの方が効率がいいでしょう」
「そういうことにしといてあげましょう」
「勇者様私に食べさせて欲しかったらいつでも言ってくださいね」
冗談ポイ口調でそう言ってくる。
「クロリスはいあーん」
ナギがモモさんの真似をするようにそう言ってくる。
『なんなんだこの今まで感じたことのない緊張感は!』
『昨日ご飯を食べさせてもらった時はこんなの全く感じなかったのに』
『ナギの頬が少し赤いから僕もそう思っちゃうのかな?』
『うるさいわね私だって恥ずかしいんだから早く食べちゃってよ』
そう言いつつもナギのその口調は恥ずかしがっている口調だった。
僕達は恥ずかしい気持ちをなんとかこらえながらご飯を食べ終わった。
(後書き)
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このお話は人気があれば続きを書こうと思っています。
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