第32話鑑定結果
僕達は倒したボスモンスターの素材を回収しギルドへと戻った。
「おかえりなさいクエストの方はどうでしたか?」
そう言いながら駆け寄ってくる。
「無事にクエストをクリアすることができました」
モモさんがそう言葉を返す。
そんないつものやり取りをしてモンスターから回収した素材をカウンターに置く。
「はい確かに確認しましたそれではこれが報酬の金貨330枚になります」
そう言ってカウンターに報酬が入った巾着袋を置く。
「それからちょっと」
小さい声でそう言って僕達に小さく手招きをして耳を近づけるように促してくる。
僕たちは受付の女の人に耳を近づける。
「この前のクエストで敵のアジトに潜入してもらった時に 持って帰って来ていただいた麻薬の鑑定結果が出ました」
「本当ですか!」
モモさんが小さく驚きの声を上げる。
「なるほど報告ありがとうございます」
「ありがとうございます」
『ありがとうございます』
ナギに続いて2人でお礼を言った。
「とりあえずギルドの上の人達が今その不気味な魔力について色々話し合っていてもしかすると、また極秘任務を引き受けてもらうことになるかもしれませんがその時はまたよろしくお願いします」
「はいその時になったらまた私達に 頼ってください」
受付の人との話を終えて僕達は宿屋に向かって足を進めた。
『そういえばずっと気になってたんだけど 受付の人が言ってた不気味な魔力という意味 そんな魔力に種類なんてあるの?』
率直な疑問を2人にぶつけた。
「魔力っていうのはその魔法を使う人の心の状態によっても変化するんです」
「例えば怒りがこもった魔力だったらどす黒い感じの魔力になるんです」
「でも実際は目に見えるわけではないので感じるだけなんですけどね」
「実際にそうじゃない場合も沢山あるんです」
「自然発生した魔力とかだとまた変わってきますし」
『じゃあ今回回収した麻薬に含まれてた魔力は怒りが強かったってことですか?』
「いや今回のはどちらかと言うと自然発生したものに近いかもしれません」
「まあどっちにしろ研究結果が出るまで待たなきゃいけないしそれまで私達は何もしなくていいんじゃない?」
ナギがそう言った。
『そうだね僕達だけで下手に動くわけにもいかないし』
そんな話をしながら宿屋へと戻った。
「今日も色々と疲れましたね」
そう言いながらベッドの上にタイブする。
「でも無事にクエストクリアできてよかったです」
「ちょっと私今から外に出てきていいですか」
モモさんがベッドから降りてそう言ってくる。
「別にいいけどどこに行くの?」
「ちょっとあのー 久しぶりに武器屋にでも行ってこようかなと思って」
『魔導書って武器屋に売ってるんですか?』
知る限り武器屋に並んでいるところは一度も見たことがないが。
「まあ武器屋に行くっていうのはついでで気分転換も兼ねて3人で住む家を作るとしたらどこがいいかなってちょっと探してくるだけですよ」
「変な場所を選んで来ないでよ」
「大丈夫ですよそんなに心配しなくても実際に住むわけじゃないんですから」
そう言いながら部屋を出た。
「3人で住む家を見に行くなら別に今しなくてもいいような気がするけど?」
『まあ1人でゆっくり色々見てきたいんじゃない』
「あのクロリス…」
『何?』
気のせいかナギの口調が少し緊張してるような気がする。
「ただももさんが帰ってくるのを待ってるだけじゃ時間がもったいないしクロリスのスキルポイントを貯めておいた方がいいと思うんだけど?」
『うん… そうだね』
『でもどうやってスキルポイントを貯めようか?』
『なんだろうさっきから感じるこの緊張感はいつも恥ずかしいっていう緊張感はあるけどそれとは違う』
『モモさんがパーティーに入ってからナギと2人でこうやって話すことがなかったから久しぶりのことで緊張してるのか』
わずかに2人の間に沈黙の空気が流れる。
「おままごととかいいんじゃない」
『ナギがそれでいいならそれでいいけど、どういう設定のおままごとをやるの?』
『ちっちゃい頃とかよく2人でおままごとしたけどどういう風にやってたっけ?』
「ええと…」
2人で古い記憶をたどるが昔の記憶なので思い出すことができない。
いくら考えても思い出せないのでナギが 悪い王子に連れて行かれた王国のお姫様で 僕が そのお姫様を助ける勇者役という設定でごっこ遊びを始めた。
『そういえばだいぶ前にモモさんともこんな遊びをしたような気がするな』
ごっこ遊びをつけている途中部屋の扉が開いてモモさんが中に入ってきた。
「なかなか楽しそうなことをしてますね私を混ぜてくださいよ」
モモさんに見られると思っていなかったのかナギの顔が真っ赤に赤くなっている。
「私がいない間に何をしてたんですか勇者様?」
『ええとー…』
『いいえ特にこれといって何もしてませんよ』
『ええ本当ですか?』
なぜか疑いの目を向けてくる。
「ナギさん何をしてたか教えてくださいよ」
「終わったから教える必要はないでしょう」
こうしていつものように1日が過ぎていった。
次の日。
僕達はいつものようにギルドの中にある クエストボードを見ていた。
「今ちょっといいですか?」
受付の女の人が真剣な声のトーンで小さくそう声をかけてきた。
僕たち3人は無言でうなずいて その女の人の後ろを着いていく。
ギルドの中にある
「極秘任務を受けてもらったばかりで申し訳ないのですが今回もまた極秘任務を受けてもらえますか?」
少し不安そうな表情でそう聞いてくる。
「はいもちろんです」
モモさんがそう言葉を返す。
「それで今回の極秘任務の内容はどんな内容なんですか?」
ナギが真剣な表情で確認の言葉を投げかける。
「今回の極秘任務では回収してきてもらった麻薬の研究をしたことによって大体どこら辺にもともと生えていたのかというのを特定できたので、今回はそこに調査に行ってもらおうと思います」
「それで私達はどこに調査に行けばいいんですか?」
さっきと同じように確認の言葉を投げかける。
「それが今回かなり距離があるので荷馬車で途中まで移動してもらいます」
「もちろん馬はもう用意してあるので安心してください」
「それからかなりの長旅になると思うので これを持って行ってください」
そう言ってかなり重たそうな巾着袋をカウンターに乗っける。
「その袋の中に何が入ってるんですか?」
「この袋の中には3人ぶんの2日間の食料が入っています」
「こんなものしか用意できなくて申し訳ありませんが 持って行ってください」
「ナギさんのお子さんのご飯は柔らかくて食べやすいものにしてありますのでご安心下さい」
「ありがとうございます」
それから受付の人に馬車に乗る場所まで案内してもらった。
「それでは気をつけて行ってきてください」
「本当に色々とありがとうございます」
3人でそうお礼を言って馬車に乗って出発した。
(後書き)
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このお話は人気があれば続きを書こうと思っています。
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