第4話守る力
「前に魔王と戦った時はやばかったですけど、無事に逃げられて良かったですね団長」
「ああ、あいつら2人を囮にして正解だったな」
「それにしてもクロリスが勇者だなんて絶対嘘だよな」
「王様はまだ眠っている力を扱いきれていないだけだって言ってたけど、 あいつのステータス全体的に10万しかないんだぜ」
「普通の勇者のステータスだったら千万超えなのにははは!」
馬鹿にした口調でそう笑い声を上げながら森の中を進んでいると、目の前に大きなモンスターが現れた。
「お前ら倒すぞ!」
「はい団長」
それから武器を構えて攻撃するがパーティメンバー達が次々とやられていく。
「お前ら何やってんだ!」
「ナギはそこに倒れてるやつを回復させろ!」
「おいクロリス囮をやれ !」
「ち!何を言ってんだ俺はあいつら2人をパーティーから追放させたんじゃねーか」
「あいつらなんかいなくても俺1人で十分だ」
剣を構えなおして切りかかる。
「うおおおーーー!!!」
モンスターが大きな叫び声をあげて俺に向かって鋭い爪で攻撃をしようとしてくる。
その攻撃を避けきることができずモロに食らってしまう。
「うああああーーー!!!」
そのモンスターの攻撃の痛みに耐えられず思わず叫び声をあげてしまう。
そのベビーカーに乗って再び町の外に出る。
ナギの狙い通り注目してくる人はいなくなった。
誰も注目していないことを分かっていながらも奇妙な恥ずかしさのような緊張感に襲われる。
『僕は一体どうしたらいいんだ…』
しばらくナギにベビーカーを押してもらっていると目の前の男の人達3人が僕達の方に向かって歩いてきていた。
一瞬気のせいかとも思ったがその人達の目線は明らかに僕達のほうを見ている。
その男の人達がある程度ぼくたちに近づいたところで足を止める。
それとほぼ同時にその人達の後ろの方から叫び声が聞こえてきた。
「捕まえてその3人泥棒よ!」
女の人がそう言うと一人の男の人が僕のベビーカーの持ち手をつかんで自分の方に寄せて僕の顔にナイフを向ける,
「クロリス!」
僕はそんな中違和感を感じていた。
『ナギならこんな奴らすぐに倒せるはずなのになんで?』
『こんなところで魔法を使ったら周りの人達を巻き込む可能性がある』
「ほらほらどうした自分の子供を助けたかったら今持っている武器を全部捨てて手を上に上げてゆっくりこっちに近づいてくるんだ」
『どうすればいいんだナギがこいつらの言う通り武器を捨てたとしてもその後で攻撃をするに決まってる』
『そうだあるじゃないか!こいつらの隙をついて確実に攻撃をする方法が』
僕は男の人がナイフを持っているほうの手の指を反対に曲げた。
「うああー!なんだこの力赤ん坊の力とは思えない!」
すかさず僕はベビーカーから抜け出してその男の人達を順番に倒して行った。
「なんだこいつ化け物だとっとと逃げるぞ」
そう言って男の人達は早足でその場から去っていった。
「なんだこの赤ん坊凄すぎるぞ!」
周りから拍手の音と同時に驚きの声が聞こえてきた。
「まだ赤ん坊なのに大人3人を圧倒的な力で倒すなんてすごすぎる」
「よくやったな坊主これからもその力でお母さんを守っていくんだぞ」
1人のガタイのいい男の人は笑顔で僕の頭を少し乱暴に撫でながらそう言った。
「このまま成長をしていけば次期勇者候補も夢じゃないんじゃない」
『実際僕は勇者なんだけど』
仕方のないことだとは分かっているのだがそう言われるとなんだか複雑な気持ちだ。
まあここは素直にチンピラから女の人の物を取り返せたことを喜んでおくとしよう。
それからも周りの人達にすごいすごいと言われたがずっとそこに留まっているわけにはいかないので再びギルドに向かった。
無事にキルドに到着した。
その中に入る。
「すいません冒険者登録をしたいんですけどいいですか?」
「はいいいですよそれではこの魔石に手をかざしてください」
するとその魔石には千万45521と表示された。
「えーーー!!!」
当たり前のことながら受付の人がそう驚きの声を上げる。
「何なんですかこの数値は魔法の勇者様に匹敵するレベルいやそれ以上かもしれません!」
『本人なんですけどね』
ナギが冒険者になるための手続きを終えた後いきなりこう言った。
「あのこの子も冒険者にしてもらえませんか?」
そのナギのいきなりの言葉に周りにいる人達全員が唖然とした。
「何を言っているのかわかってるんですか 冒険者になれるのは15歳からです」
女の受付の人が3秒ほどもう開けた後でようやくそう言葉を口にした。
『何を考えてるのナギわざわざ僕まで冒険者にする必要ないでしょう』
『じゃあ私がクエストに出ている間にクロリスの面倒は誰が見るの?』
『確かに一緒にクエストを受けることができればその心配はないのかもしれないけど、そうだとしてもやっぱり今僕が冒険者になることはできないよ』
『もっと他の方法を探した方が』
「それに見るからにそのお子さんはまだ10歳にもなっていないじゃないですか」
受付の女の人から帰ってきた言葉はごもっともな言葉だった。
「それでもお願いします」
周りにいる人達から見たら自分の子供を高評価しすぎるやばい親に見えているだろう。
「わかりました奥の部屋に3歳ぐらいの子供達が自分の力を図るための魔石があるのでそこに案内します」
僕達はその受付の女の人の後ろについていく。
「それではこの魔石に手をかざしていただくと今のお子さんの力がどんなものかわかると思うのでやってみてください」
僕はナギに抱っこされた状態で片方の手を魔石に伸ばしゆっくりと自分の力を注いでいく。
自分の力を注げば注ぐほどその魔石から放たれる光が強くなっていく。
するといきなりその魔石が割れて破片が四方八方へと飛び散った。
「嘘でしょただの赤ん坊の力なのにこの魔石じゃ測定できないの!」
受付の人はあからさまに驚いた表情を顔に浮かべてその場に立ち尽くしていた。
ナギはなぜか顔に自慢げな表情を浮かべていた。
『ごめんなさい』
心の中でそう謝罪しておく。
「それじゃさっきの受付の場所に戻ってさっきナギさんが使った魔石でもう一度測定してみましょうか」
受付カウンターの場所に戻ってきて僕はさっきと同じようにナギに抱っこされた状態で片手を魔石に伸ばしてゆっくりと力を注いでいく。
するとさっきよりも魔石が強く光る。
「何なんですかこれは!!!」
さっきのナギの数値を見た時よりも驚いているようだった。
「信じられない普通赤ん坊なら一桁台の数値が普通なのに10万超えてるだなんて!
そう受付の人が驚きの声を上げるとギルドの中にいる人達が、気になったようでなんだなんだと次から次へと僕達の周りに人が集まってくる。
「なんだよこの数値王国の騎士団長と同じぐらいの数値じゃねえか!いやそれ以上だな」
1人の男の人がその数値を見て驚きの声をあげたと同時に周りの人達も驚きの声を上げる。
「この数字あなたが出したの!」
周りにいる1人の女の人が驚きの表情を顔に浮かべながらナギにそう聞いてくる。
「いいえ違います」
「えそれじゃあ一体誰が?」
その女の人がそう聞き返す。
「この子です」
そう言ってナギが僕の方に顔を向ける。
「それはさすがに嘘でしょう10歳の男の子でさえ数値を100超えたらすごい方なんだから」
その女の人は冗談だと思っているようで顔に笑みを浮かべて笑っている。
まあそれはそうだろう普通に考えて10万ごえなんて明らかに異常な数値だ。
女の人は笑った後受付の女の人の方に顔を向けて本当かどうか確かめるように視線を送る。
「その人達が言っていることは全部本当です私がこの目で全て見ていました」
受付の女の人がそう言葉を返す。
そう言うと周りにいる人達は驚きのあまり一瞬固まっているようだった。
「えーーー!!!」
周りにいる人達が一斉に驚きの声を上げる。
「ていうことはこの子がこのまま成長していけば勇者様達を超える存在になるかもしれないってことか!」
『だから僕は本当の勇者なんだけどな』
周りの人達に聞こえないことは分かっているが心の中でそういった。
それからはナギが色々な質問責めに遭っていたが僕は何もせずに申し訳ないなと思いながらその光景を見ていた。
(後書き)
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このお話は人気があれば続きを書こうと思っています。
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