第8話ダンジョン探索

僕達はギルドの中のクエストボードに貼られている紙を見ていた


『どのクエストがいいかな?』


『クロリスも冒険者として認められたからSランクのクエストを受けても大丈夫なんじゃない』


そう言いながらクエストボードを見渡す。


「これとかいいんじゃない?」


そう言って1枚の紙を見せてくる。


その紙にはこう書かれていた。


ダンジョン探索クエストダンジョンの中にいるモンスターは比較的そんなに強くありませんが、最後のボスモンスターがかなり強いです。


報酬は金貨150枚。


「報酬もSランククエストだけあってだいぶいいし」


『ナギかそれでいいならいいんだけど』


僕達2人はそのクエストの紙を受付カウンターに持って行った。


「ダンジョン探索クエストですねかしこまりました」


「それではこれがダンジョンの行き先までの地図になります」


そう言って地図を手渡してくる。


僕達はさっそくギルドを出て地図を見ながらダンジョンに向かった。



しばらく歩いていると男の人達3人が僕達の方に向かってくる。


その3人がだんだんと近づいてくるとその人達が前に倒したチンピラの人達だということが分かる。


不敵な笑みを浮かべて一歩一歩確実に近づいてくる。


「ようお前ら元気にしてたか?」


「私達になんのよう!」


苛立ちがこもった口調でそう言葉を返す。

 


「あの時のリベンジをしようと思ってな」


1人の男の人がそう武器を構えるとナギが魔法の杖に手をかける。


『ナギは下がってて』



僕はそう言って一歩前に出る。


『でも…』


『大丈夫ずっと守られてばっかりもいられないからさ』


笑ってそう言葉を返す。


顔に余裕の笑みを浮かべて その男の人達3人を見る。


「なんだその俺達を馬鹿にしたような目は!」


『さあどこからでもかかってきていいですよあなたは僕が倒しますから』


その言葉は3人の男の人達に伝わらないのでできるだけ煽るような表情を意識する。


「なめてんじゃねーぞこのガキ!」


強い口調でそう言って僕に拳を振り下ろしてくる。


【シュン!】


「消えた!」


「うわ!」


「 うお!」


「う!」


僕が消えた事に驚いてる間にすかさず攻撃をする。


すると男の人達全員地面に倒れた。


「なんなんだよ今の早すぎて何もわからなかった,」


1人の地面に倒れている男の人が苦しそうな声でそう言ってくる。


『あれはただ早く動いただけなんだけどな』


『まさか僕もあそこまで勇者の加護の力が強いなんて思ってなかった』


『勇者の加護の力っていうのもあると思うけど、僕の体に眠ってた力も少なからず解放されたわけだから両方か』


「今のはただ早く動いただけよ」


僕がそう考えているとナギが代わりに代弁してくれた。


僕達はその場を立ち去って再びダンジョンに向かって歩き始めた。



「それにしてもすごかったわねさっきの」


「クロリスの体の奥にあんな強い力が眠ってたなんて全然わからなかったわ」


僕はふと勇者の紋章が浮かび上がっている手の甲に視線を向ける。


その紋章は綺麗な青色で剣とドラゴンの絵が浮かび上がっていた。


『今思ったけどあの時は別にナギを守ろうとしてたわけじゃなかったからほとんど自分の力で倒したってことか』


『勇者の紋章の力を使えるようになる条件が人を守る心っていうのが本当だとしたらそうなるわね』


そんな雑談をしながら足を進めていくと、地図に書かれているダンジョンの前に到着した。


「それじゃあ早速ダンジョンの中に入るわよ」


『うん』


念のために一歩一歩慎重にダンジョン の中に入る。


ダンジョンの中が暗くて何も見えない。


「スキルムーンライト」


ナギがそうスキルを発動させると光の玉のようなものが現れた


その光は名前の通り暗い夜の中を照らす丸い月のようだった。


「これで少しは周りが見えやすくなったでしょ」


『ありがとうナギ』


僕達はボス部屋を探しながら歩いた。


『あのさナギ』


「何?」



『昨日受付の人がギルド長がいつか話をしましょうって言ってたらしいけど何の話をするんだろうね?』


「さあ私にはその時になってみないとわかんないけど、ギルド長に呼ばれる時

は多分相当重要な話をされると思う」


『何もわからない今そのことを考えても仕方がないか』


ふとなぎの方に視線を向けてみると知らない間にナギに手を繋がれていた。


『なんで!』


「ダンジョンの中ではぐれたりしたら大変だからこうして手をつないでおけばそうそう逸れることもないでしょう」


心の中でまだ何でとしか言っていないのに、僕が言おうとした何で手を繋いでいるのかという質問に先回りして答えてくれた。



この呪いをかけられた時から思っていることではあるけど、心を読まれるっていうのはやっぱりハラハラする。


「それともなに今更私と手を繋ぐくらいで恥ずかしいと思ってるの?」


わざわざ自分の目線を僕の目線に合わせていたずらっぽい口調でそう言ってくる。


『昨日まで僕と一緒で恥ずかしがっていたはずなのにそれを克服していじりに来るなんて』


『というよりよくよく考えてみればあのパーティーの人達にいじめられてて忘れちゃってたけどナギはもともと僕の反応を見て楽しんでた』


「そう 私は元々クロリスをからかって遊ぶのが大好きなの」


楽しそうな笑みを浮かべてそう言ってくる。


『そうだった心の声が聞こえるんだった!』


『そうだ!』


「何よ私をからかういい作戦でも思いついたの?」


随分と挑戦的な口調でそう言葉を返してくる。


『それもそうか 膝枕で耳かきをしてもらったり一緒にお風呂に入ったりしてるんだから今更このぐらいどうってことないよね』


冗談っぽくそう言葉を返す。


「何変なこと言ってるのよ!」


『言ってはないよ ただ心の中で考えてただけそのくらいはいいでしょう?』


冗談ぽくそう続ける。


「よしわかったママのところにおいで」


赤ちゃんを歩かせるような口調でパンパンと手を叩いて手を広げる。


ナギは満面の笑みを顔に浮かべてそう言ってくる。


『まずい絞め殺される!』


なんとなく直感でそう思った。


『すいませんでした』


絞め殺されたくはないのでここは素直に謝っておくことにした。


「はぁ、私も悪ノリが過ぎたわ今回は許してあげる」


しばらくダンジョンの中を歩いていると目の前に何体かのスライムがいるのがわかった。


『ナギ!』


「分かってる!」


そう言って魔法の杖を構える。


「ファイヤーボール!」


次から次へとナギが魔法で攻撃をしてスライムを倒していく。


あとスライムの数が半分ぐらいになったところで、スライムがナギに向かって液体を飛ばしてきた。


ナギはその液体を避けることができず体にモロに食らってしまう。


『大丈夫ナギ!』


するとナギが来ていたはずの服がだんだんと溶けていく。


するとそのナギの白い肌を見てしまった。


胸の部分の服がもうすでに溶けている。


「こっち見ないで!」


『あ!ごめんわざとじゃないんだ』


急いで反対に顔を向ける。


『この状況どうしたらいいんだスライムを倒さないと前には進めないだろうし』



(後書き)


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後一体どうなるのっ……!?」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星3つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


何卒よろしくお願いいたします。




このお話は人気があれば続きを書こうと思っています。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る