第9話ボス攻略
僕がそんなことを考えていると奥の方から次から次へとスライムの仲間が来て攻撃しようとしてくる。
『ナギとりあえずこのスライムを倒そう』
「わかってる」
そう言って恥ずかしがって地面にうずくまっていたナギが立ち上がり、再び魔法の杖を構える。
「ファイヤーボール」
ボンボンとダンジョンの中でファイヤーボールが爆発する音が周りに響き渡る。
僕もその攻撃に続いてスライムを殴り倒す。
なんか奥の方からスライムが集まっているのか次から次へと出てきてきりがない。
「このスライム何体いるの!」
少し困惑した口調でそう言った。
『これは一旦奥の方に入ってスライムの巣みたいなやつごと叩き潰すしかないみたいだね』
「わかった」
僕達はスライムが仕掛けてくる攻撃を一切無視して奥の方に駆け抜けた。
すると僕の予想は当たっていたようで奥の方にはもっとたくさんのスライムが待ち構えていた。
武器を構えて攻撃をするが一体のスライムを倒したところでもう一体のスライムがすぐに攻撃してくる。
僕も一体一体確実に倒しているがそれでも全く減った気がしない。
「面倒くさいわね一気に焼きつくしたげるは!」
そう言って魔法の杖を構え直す。
『ナギを守るためにも早くスライムを倒さないと』
そう思うと再び勇者の紋章が青く強い光を放つ。
「スキル
僕がスライムに向かって素早く攻撃をすると同時に、ナギの攻撃も直撃して、さっきまでの爆発の音とは比べ物にならないくらいのものすごい爆発の音が周りに鳴り響いた。
「今の爆発で結構スライムの数を消されたんじゃない?」
『ていうか今僕もあの爆発に巻き込まれそうになったんだけど!』
「大丈夫でしょう私よりステータスの数値2倍も上回ってるんだから」
『いやそういう問題じゃなくて』
「クロリスなら大丈夫って信じてたからあの魔法を打ったんだよ」
微笑みながらそう言ってくる。
『いい話風にまとめようとしてるけどあの時の魔法は確実に僕も巻き込もうとしたよね!』
ナギの裸を見ないように気をつけてはいたのだが言葉の勢いで思わずナギの方を見てしまった。
「だからこっち見ないでって言ってるでしょ!」
『ごめん』
『ていうか今のはどっちもどっちのような気もするけど』
「今のは不可抗力に負けたクロリスが悪い」
随分と理不尽な言われようだった。
いくら話しても結論が出なさそうな話をしていても仕方がないのでスライムがいる方へと向き直った。
さっきまでいたはずのスライム達が半分以上減っている。
さすがにさっきの効果力の魔法はスライム達にも大ダメージだったようだ。
『とりあえずあともうちょっとだから倒しちゃをう』
それから僕達は
「はぁとりあえず倒し終わったわね」
ナギが一息ついてそう言った。
そしてナギが自分の魔法で溶けていた服を直す。
『自分の魔法で服を直せるんだったらスライムの攻撃を受けた時にすぐ直せば良かったのに?』
『よくよく考えてみれば僕がこの世界に赤ちゃんの姿で転生したとき服を作ってくれたのがナギなんだから服を直していてもおかしくはないか』
「まあそうすることもできたんだけど服を直してもあの攻撃をまた食らったらめんどくさいし」
「それに魔法で道具とかそういうものを作るってなると、物体の想像力が必要になってくるしそんな簡単なものでもないんだよ」
『僕は魔法を使うことができないからわかんないけどナギが言のならそうなんだろうね』
そんな雑談をしながら足を前に進める。
すると地面にいきなり大きな穴が開いて勢いよく僕達はその穴の中に落ちる。
ザブンという大きな音とともに水の中に落ちた。
『いててててナギ大丈夫』
体を起こしてナギのほうに顔を向ける。
『あ!』
僕は思わず驚いてしまった。
ナギの服がびしょびしょに濡れていて透けて見える。
ナギも僕の表情を見て自分の服の方に視線を向ける。
すると顔がだんだん赤くなっていく。
『僕は何も見てない何も見てないから!』
明らかに見たやつしか言わないセリフを言ったことに気づくがもう遅い。
『いいからクロリスは後ろ向いてて』
『はい!』
言われた通り反対を向く。
と言うか今の僕にはそうする以外の選択肢はない。
『変なことは考えるな考えるな』
そう自分に強く言い聞かせれば言い聞かせるほど逆に頭の中で反対のことを考えてしまう。
「何も考えないで!」
強い口調でそう言ってくる。
『いやこれは違うんだ一種の自然現象と言うか!』
言い訳のような言葉を並べるが一切言い訳できていない。
というよりそれ以前に僕の考えがナギに伝わっているんだからいくら隠そうとしても無駄だ。
僕が必死にどうしようかと考えていると 奥の方からぺちゃぺちゃと何かが近づいてくる音が聞こえる。
ナギはその音を聞いて魔法の杖を構え直す。
『僕は左側から攻撃をするからナギは右側から攻撃をして』
「わかった」
そのモンスターはスライムのような柔らかそうな見た目をしているが体はとても大きかった。
僕は勢いよくジャンプしてそのモンスターの上に乗る。
拳に力を入れてそのモンスターを勢いよく殴った。
するとそのモンスターを殴った僕の拳がだんだんと埋もれていく、モンスターの体の中に。
もちろんモンスターの体には傷一つ付いていない。
『モンスターの体が柔らかすぎて攻撃が通らない!』
もう一発力強く殴ってみるがやはりダメージを与えている感覚がない。
ナギもファイヤーボールをぶつけるが周りにたくさんの水があるためすぐにかき消されてしまう。
『このままただ戦ってるだけじゃ埒が明かない』
『そうだ!』
『僕があのモンスターを惹きつけるからナギはその間に弱点みたいなのがないか探してくれる?』
『今のところ作戦らしい作戦はそれ以外思い浮かばなさそうだしわかった私がやる』
『ありがとう』
それからなるべく素早く動いてモンスターの注意を僕に向けた。
『ナギがモンスターの体の色んな部分を見れるように動かないと!』
モンスターはナギのことなど一切気にせずに僕だけを追いかけてくる。
まぁこちらとしてはそっちの方がありがたいのだが。
ある程度時間が稼げたところで一旦ナギがいる場所へと戻る。
『どをナギモンスターの弱点ぽいところは見つかった?』
「ええ、 あのモンスターの目玉の部分を攻撃すればきっとダメージは通るはず」
「今私の魔法で攻撃力と新身体能力を強化してあげる」
「新身体能力強化攻撃力強化」
僕は全力で走り勢いよくジャンプをしてモンスターの体の上に乗る。
渾身の力を込めてモンスターの目玉を勢いよく殴った。
「うおおおーーー!!!」
そのモンスターは響き渡るような大きな声を上げて倒れた。
「そんなに力自体は強くなかったけど少し面倒くさいモンスターだったわね」
『うん最初はダメージが通らなくて焦ったけど、弱点がわかってからはどうってことなかったね』
「それじゃあ先に進みましょうか」
僕達は再び前に足を進めた。
(後書き)
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