第37話ゴブリンの大群襲来
次の日。
いつものようにゆっくりと目を覚まし横を向くとモモさんが笑顔で僕の顔を見ていた。
「おはようございます勇者様!」
いきなりそう言いながら僕に抱きついてきた。
『ちょっといきなりなんで僕に抱きついてくるんですか!』
「これも勇者様のスキルポイントを増やすためですよ」
僕のスキルポイントを増やすためというのを理由にしてからかってくるだろうという予想は早速的中していた。
『だからってこんな朝早くからポイントを貯める必要ないじゃないですか』
というかそもそもナギにまず最初に育児を始めてもらわなければその効果は発揮できないのだが。
つまりそれが分かった上でモモさんは僕をから買いたいがためにこうしてからかってきているのだ。
「ちょっとももさんクロリスに何してるの」
その光景を見て今まで寝ていたナギがガバっと体を起こし驚きの言葉を口にする。
ある程度予想はしていたがここまで予想通りになると特に驚きはしなかった。
それからいつも通りギルドに向かう。
いつも通りギルドの中にあるクエストボードを見ていると受付の人が小さく周りの人達にバレないように手招きをしてくる。
僕達はそれに気付いて受付カウンターに向かう。
「この前の調査で持って帰って来ていただいた卵のかけらの正体が分かりました」
「あれはおそらくゴブリンの卵だと思います」
「ゴブリンの卵ってあんなに大きかったでしたっけ?」
ナギがそう疑問の言葉を返す。
「ナギがそう疑問の言葉を返す。
「おそらくあのゴブリンの卵は普通のものとは少し違うんだと思います」
「おそらく自然発生したと思われる奇妙な魔力が込められていましたし」
「卵の中で眠っているモンスターはゴブリンキングだと思うんです」
「でもゴブリンキングってあと何年かは卵から孵ることはないんじゃなかったでしたっけ!」
横にいるモモさんが驚きを含んだ口調でそう言った。
「おそらく何者かが卵に何らかしらの衝撃を与えてその衝撃でひびが入って卵からかえるのが早くなったんじゃないですかね?」
「ただこれはさっきもいいましたが単なる私の予想なので何とも言えませんけどね」
「おそらく子供か誰かが遊び半分で卵に衝撃を与えてしまったんでしょうね!」
ナギが真剣な表情で言った。
『でもあの時あの砂漠には僕達以外誰もいなかったけど?』
そんな話をしているとギルドの扉が勢いよく開いて1人の騎士の男の人がとても焦った表情で中に入ってきてこう言った。
「ご報告いたします、ただいま近くの村にゴブリンの大軍が攻めてきたという報告が入りましたこの村にもせめてくると思われます!」
「わかりました、それでは冒険者の皆さんはこれからくるゴブリンの群れに備えて準備をしてください!」
「了解しました!」
『僕達も戦いの準備をしよう!』
「うん!」
「はい!」
僕達3人は戦いで使えそうなアイテムと使わなそうなアイテムを選別した。
僕達3人が冷静に準備を進めている中、着々と準備を進めている者もいればどうしようと慌てている人もいた。
「勇者様とりあえず回復系のアイテムを優先的に持っていくってことでいいですかね?」
『うん回復系のアイテムは必ずどこかで必要な場面が出てくると思うのであるぶんだけ持ってってください』
「私もその方がいいと思う 私達が使うことがあまりなかったとしても他の人の怪我を治すことができるから」
「もし回復薬がなくなったらモモさんが回復に回るとは思うけどね」
「ちょっといいですか?」
3人で話していると受付の女の人がナギに後ろから小さい声でそう声をかけてきた。
「ナギさんに今回の戦いの指揮官を務めてほしいのですが?」
真剣な表情でそう言ってくる。
「私が指揮官をやるんですか!」
「はい実力においても戦闘経験においてもナギさんが適任だと思いまして」
『僕達も協力するから大丈夫だよナギ』
「もちろん私も協力しますよ」
「わかりました指揮官を引き受けます」
「本当ですかありがとうございます」
受付の人はほっとした表情でそう言った。
ギルドにいる人達の準備が一通り整ったところでナギがみんなの目の前に立つ。
「この戦いで指揮官を務めることになりましたエイドルドナギイシャです」
「さっき報告があった通りこの村に今ゴブリンが攻めてきています」
「攻めてきているゴブリンがいったい何体いるのかわかりませんでも、どんな膨大数のゴブリンが攻めてきたとしてもそれをただ指をくわえて見ているだけでは私達に明日はありません」
「この村の人達の明日を守るために 共に戦いましょう」
「おおおおぉぉーーー!!!」
ナギが力強くそう言うと周りにいる人達がその言葉に答えるように力強く剣を上に上げる。
《冒険者以外の人達は速やかに避難してください》
《繰り返します冒険者以外の人達は速やかに避難してください》
街の中にその警報の音が鳴る。
そのゴブリンが近づいている場所まで向かう。
走ってその場所に向かうと、さっき騎士の人が報告してくれた通りゴブリンが街の中に攻めてこようとしていた。
「何とかしてこのゴブリンを食い止めましょう!」
「了解!」
ナギがそう言うと周りにいる人達は剣を構えなおしゴブリンに向かって斬りかかる。
着実にゴブリンを倒せてはいるのだがこっちが1000人なのに対しざっと見ただけでも敵側が6000と言う圧倒的に不利な状況だ。
僕もゴブリンを剣でバッタバッタと切り倒していく。
そんな中周りにいる仲間の人達は次から次へと倒れていってしまう。
「クロリスとモモさんは他の人のサポートに回ってくれる?」
「わかった」
「分かりました」
僕達はそれから仲間の人達を守りつつゴブリンを倒して行った。
『ゴブリン自体はそんなに強くないんだけど数で押されちゃってるな』
僕もナギもかなりの数を倒しているはずなのだが減った気がしない。
ふと周りの人達を見てみるとかなり体力が削られているようだった。
心なしか攻撃力も落ちてるような気がする。
『ナギまずい仲間の人達の体力がだんだん削られて来てるどうにかしないと!』
『わかってる』
『2人とも私が先に攻撃するからその先について!』
『わかった!』
力強くそう言って言葉を返す。
僕達が通る道を作るように魔法の杖を構えなおして次から次へと魔法を放つ。
「ファイヤーボール!」
ドドドンという爆発音が周りに響き渡る。
『スキルガントレットハンマー!』
手に持っているガラガラをとてつもなく大きなハンマーの形に変えてそのハンマーを力強くゴブリンに向かって振り下ろした。
するとかなりの数のゴブリンが吹っ飛んでいった。
「なんなんだあの赤ん坊あんな重たそうなハンマーをかるがると持ち上げて振り下ろすなんて!」
周りにいる人達が口々に驚きの言葉を口にする。
「俺達も攻撃に続くぞ!」
仲間の人たちがそれぞれ武器を構え直しゴブリンに攻撃をする。
『少しやり過ぎちゃったかな?』
『でも町の人を守るためにこのスキルを使うことしか思いつかなかったからしょうがない』
『この街を守ることが最優先だ!』
(後書き)
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このお話は人気があれば続きを書こうと思っています。
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