第12話新たなるの仲間
「大丈夫ですか団長?」
勇者パーティーの仲間の1人がそう声をかけてくる。
「それにしても珍しいですね団長がここ3日ぐらい連続で負けるなんて」
「今お前俺に向かって何か言ったか?」
鋭い目つきで睨みつけながらそう言葉を返す。
「いいえ何でもありません」
「ち!やっぱりあんなやつらでも下手に追放するんじゃなかったか」
(クロリスは勇者としては全く使えないが囮としてはそれなりにいい働きをしてくれてたしな)
(今更いなくなった奴のことなんかを考えても仕方がないかもしあいつが凄い能力を持っていたとしても扱う本人が無能だったら宝の持ち腐れ駄しな)
そんなことを考えながら歩いていると目の前から歩いてくる1人の男とぶつかった。
「おいじじいどこ見て歩いてんだ!」
「あ!すいませんお詫びにこれを」
そう言って一つの巾着袋を渡してきた。
「その薬草は少し飲むだけでとても気持ちよくなるものです」
その袋の中を確認してみる。
「じいさんも悪どい商売してんな」
おいお前らこれを今から街に行って高額な値段で売りつけるぞ」
服についていたフードを深くかぶりどこかの街の方へと足を進める。
「さて無事に武器も買えたしギルドに戻りましょうか」
『うん』
軽く頷いてそう言葉を返す。
足をギルドの方に向けて歩こうとしたその時、 少し遠くの方に女の人1人と男の人達3人が、
男の人達3人がその細い道に入っていく直前何やら顔に不敵な笑みを浮かべていた。
その光景を少し遠くから見ていた僕は嫌な胸騒ぎを感じた。
僕は急いでその男の人達が入った細道に向かう。
「ちょっと待ってくろりすどうしたの!」
少し驚いた様子で後ろをついてくる。
『今怪しい男の人達3人が女の人1人をこの細い道を通ってどっかに連れて行くのが見えたんだ』
走る足を止めずにそう説明する。
「単なる何かの見間違えいっていう可能性は?」
『確かにその可能性はあるかもしれないけど男の人達3人が女の人1人を連れてどっかに行くんだとしたらこの細道は使わないと思うし』
『僕の記憶が正しければこの先はただの行き止まりでお店も何もなかったはずだ』
しばらく走っているとその男の人達3人と女の人1人の姿が見えた。
やはりその場所はただの行き止まりでお店も何もない。
僕達2人は隠れてその3人の会話を聞くことにした。
「さっき言った事もっかい言ってみろ!」
3人の中にいる男の1人がその女の子を脅すように大きな声でそう言った。
それを聞いていた女の子の表情はどう考えても怯えている。
「おいおいさっきはあんなに威勢のいいこと言ってたのにもう何も言えなくなっちゃったのか?」
その男の横にいる1人の男が一歩前に出てそう言った。
「それはあなた達がお店の中であんなことをするからですよ!」
その女の子は強い口調でそう言ってはいるがやはり表情は怯えている。
「だからそれはお前には関係ねえって言ってんだよ!」
一番前に立っているリーダー的な男が強い口調で圧をかけるように言葉を返す。
「どう考えてもあの人だって嫌がってたじゃないですか!」
「どうやらお前にはいくら言ってもわからないみたいだな」
「だったらもういい」
そのリーダー的な男が魔法の杖をその女の子の方に向ける。
『まずい助けないと!』
「この俺が持つ最強の炎の爆発魔法でお前の体を灰にしてやるよ!」
そう言いながら持っている魔法の杖を女の子の顔の真ん前まで持ってくる。
するとその女の子はさっきよりもだいぶ怯えているようで目の端に涙を浮かべている。
男は一切気にせず女の子を脅すように魔法の杖に灯している炎を徐々に大きくしていく。
「お前はこれで終わりだ!!!」
その次の瞬間カンという音が周りに響いた。
僕が剣でその男が持っている魔法の杖を弾き飛ばした。
「なんなんだこの赤ん坊は!」
そのリーダー的な男は驚きの言葉を口にする。
ナギも少し遅れてその女の子をかばうように目の前に立つ。
『それにしてもこの町やたらチンピラみたいなやつ多いね』
『私達がよくそういう場面に遭遇するってだけのような気もするけどね』
「なんなんだお前ら!」
1人の男が一歩前に出て苛立ちがこもった口調でそう言ってくる。
「1度だけ忠告してやる怪我をしたくなかったらそこをどけ」
「やよ!」
ナギははっきりとそう言い切った
「そうかじゃあどうなっても知らないぞ!」
1人の男はそういっててっきりナギの方に攻撃をしてくるのかと思ったが、 そうではなく再び女の子の方に攻撃をする。
しかもさっき放とうとしていたであろう巨大な炎の玉をその女の子に向かって放つ。
『危ない守らないと!』
僕は急いでその攻撃を何とかしようと再び女の子の前にかばうように立った。
その時勇者の紋章が青い強い光を放った。
こっちに向かって放たれた炎の攻撃が青い光に触れるとその攻撃を
「なんだこのガキ俺の攻撃を相殺しやがった!」
信じられないと言ったような表情で驚きの言葉を返してくる。
「逃げるぞお前ら!」
そう言って3人の男達はその場から急いで立ち去ろうとする。
「そんな簡単に逃げれると思う?」
顔に清々しいほどの笑みを浮かべてナギがその男達の前に立ちふさがる。
その笑顔が逆に怖い。
「ひーい!すいませんでした」
怯えたような口調でそう言ってその男の人達は早足でその場から立ち去った。
「大丈夫立てる?」
ナギは後ろにいる女の人の方に顔を向けてそう声をかける。
「すいませんびっくりして腰を抜かしちゃったみたいで手を貸してもらえますか?」
ナギは言われた通りその女の子に手を貸す。
「助けていただいてありがとうございます」
そう言って頭を下げる。
その女の子の髪色はピンク色で 短いショートだった。
「僕もありがとね」
僕のことを抱っこしてぎゅーっと抱きしめながら微笑んでそうお礼の言葉を言ってくる。
『むむむ胸が当たってる!』
『これって もし僕がこの人に勇者だってことがばれたら大変なことになるんじゃないか!』
『今まで赤ん坊のふりをして女の人の胸の感触を楽しんでたんですね、全くド変態ですね』
『なんてことになりかねない!』
『待て待て落ち着け落ち着けこの女の人とこれからずっと一緒ってわけじゃないんだから大丈夫だこのままここで別れればいいだけだ』
「あ!申し遅れました私の名前はモモンストアトランティスです」
「私の名前はエイドルドナギイシャ」
「この子の名前はアルデクロリス」
「あので会ったばっかりで言うのも申し訳ないのですが、ひとつ私のお願いを聞いていただけますか?」
「聞くのは全然いいんだけど、ずっとこんな場所にいるわけにもいかないから私達が今止まってる宿屋に行きましょうか」
そしてモモさんと一緒に宿屋に向かった。
モモさんは受付の人にお金を払った後僕達の部屋に向かった。
「それで私に頼みたい事って何?」
「私が生まれ育った村の作物が取れなくなったみたいで、その原因を突き止めてくれって言われたんですけど」
「どうやら村の奥にいるモンスターが出してるガスのせいらしいんですけどそのモンスターがものすごい強いらしくて」
「私1人で倒せるかどうか不安で」
「つまり私達が一緒にそのモンスター退治をすればいいのね」
「はいそういうことですあなた方の力なら村の奥にいるモンスターを倒してくれるんじゃないかと思って」
『なんか大変そうだし協力してあげようよ』
『それもそうね』
「分かった協力してあげる」
「本当ですかありがとうございます」
「明日の朝その村に案内してくれる?」
「ええもちろんです」
「それで気になってたんだけど 何でさっきあの男の人達3人にあんなことされてたの?」
「それはさっきあの人達が女の人にナンパをしているのを見てそれでその女の人が嫌がっていたので止めたらああなっちゃって」
「完全なる逆ギレね」
『逆ギレにしてはどう考えてもやり過ぎだけどね』
「だから僕のおかげで助かったよありがとう」
そう言ってさっきと同じようにぎゅーっと抱きしめてくる。
するとどう頑張っても柔らかい胸に触れてしまう。
『耐えるんだ耐えるんだ僕!』
(後書き)
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このお話は人気があれば続きを書こうと思っています。
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