第26話情報収集

足を前に進めようとしたところでモモさんのお腹がグーッと鳴る。



「私もお腹が空いたし先にお昼ご飯にしましょうか」



「すいません」



恥ずかしそうにそう謝る。



僕達はお昼ご飯を食べるために店をしばらく探した。



『この前調査しに行った街もそうでしたけどこの街も結構汚れてますね』



モモさんがふとそんなことを言ってくる。



『これも麻薬の影響かなんかなのでしょうか?』



『僕もまだこの町に来たばかりだから詳しいことは何も分からないけど、麻薬を使った人達がテンションがハイになって色々しで貸したっていう可能性があるかもしれない』



そんな話をしながら歩いていると街の人達がチラチラとこっちを見てくる。



『なんかさっきから街の人達に僕たちのこと見られてない?』



『それは街に来てそうそうあんな派手な勝ち方をしたらみんな警戒するでしょう』



『それをやった当の本人が何で他人ごとみたいに言ってるの?』



そんな会話をしながらしばらく歩いていると目の前に一つのお店が見えた。



「とりあえずここにしましょうか」



そう言ってナギがそのお店の中に入る。




「こんなお店にお客さんなんて久しぶりだな」



「どうぞお客様お好きな席に座ってください」



そう言われて少し奥の席に座った。



どうやらこの店の中には僕達以外のお客さんはいないようだ。



「いやそれにしても本当にお客さんが来るのなんて久しぶりだ、最近は色んな街で麻薬が流行ってるとかで一般人の人たちがチンピラにお金を巻き上げられる事件が多発して」



そう言いながら男の人はコップに入った水をテーブルの上に置く。



「その麻薬が流行った原因って何か知ってますか?」



ナギが何気ない口調でそう聞いた。



「いえ私が知ってるのは噂程度のものですよ」



「その麻薬が流行り始めたのが噂通りだとすればここ最近です」



「まぁ麻薬を使ってる人達がいるって分かったのが最近なだけでもしかしたらもっと前から使っていたっていう可能性も十分あるんですけどね」



「それにしてもどうしてそんなことを聞くんですか?」



「いいえただ最近色んな場所でその麻薬のことについて聞くので少し気になったんです」



「これも噂話程度のものではあるんですけど最近その麻薬を使っている人達が集まって一つの団体を作ってるみたいで」



「しかもその人達が集まっているあじとがこの街の中にあるらしくて」



「まあさっきも言ったと思いますけど私には何も分かりません」



それからしばらくして頼んだ料理がテーブルに届いた。




ご飯を3人で食べてお金を払いその店を出た。




「それにしてもこれからどうやって情報を集めましょうかね」



「とりあえず情報を集めつつ 今日泊まる宿を探したらいいんじゃない」



「そうですね」



モモさんが納得した様子で言葉を返す。



それから色々な人達に麻薬が流行った原因を知っているかどうか聞いてみたがこれといった情報は手に入らなかった。



それからも諦めずに聞き込みを続けたが口々に何もしてないと言うだけだった。



『ある程度予想はしてたけどやっぱりこうなったか』



「まあ村の人達が麻薬のことについて何かを知ってたとしても、そう簡単には教えてくれないだろうけどね」



『そんなことをしたらへたに喋って村の人達がチンピラに何をされるかわかったもんじゃないし』



「せめてあのお店の人が言ってたチンピラが集まってるっていうアジトみたいな場所が分かればいいんですけどね」



モモさんが肩を落としながらそう言葉を口にする。



「確かにアジトみたいな場所が分かれば いろいろと対策の打ちようがあるかもしれないんだけど」



ナギも同じように肩を落としながらそう言葉を口にする。



「空も暗くなってきましたし今日はここまでにして宿を探しませんか?」



「そんな闇雲に探しても仕方がなさそうだし」



僕達は歩きながら周りに宿屋がないか探した。



「ここなんていいんじゃないですか」



モモさんがそう言って進めていた足を止め宿屋を指さす。



「そうねここにしましょうか」



早速その中に入る。




「すいません3人で泊まりたいんですけど部屋ありますか?」



ナギが確認をするように言った。



「はい空いてますよそれではその部屋にお泊りということでよろしいでしょうか?」



「はいそれで大丈夫です」



「それでは3名様なので金貨7枚になります」



ナギが言われた通りの金額をぴったり払った。



「それではお客様のお部屋は左側の奥から2番目の部屋になります」



「これがその部屋の鍵になります」




「ありがとうございます」



そうお礼を言った後早速部屋に向かう。



「ナギさんこの部屋みたいですよ」



足を止めてその部屋の鍵を開ける。



その部屋の中は 3人で過ごすには十分な広さだった。




「結構広いですねこの部屋」



モモさんがそう言いながらべットの上へとダイブする。



「この場所に車で同じ宿屋にしか泊まったことなかったですけど、たまには別の宿屋に泊るのも新鮮でいいですね」



「私も道歩いてて疲れたし少しベッドに横になる」



しばらく休んだところでいつも通り3人でお風呂に入ることになった。



「ナギさんは先に体と頭洗っちゃってください私が勇者様と一緒に入るので」



僕はその言葉を聞いて全てを察することができた。  



『間違いないモモさんは2人でお風呂に入っている間に僕を目一杯からかうつもりだ!』



『めいっぱいからかうって例えばどんな感じですか?』



顔にニヤリと笑みを浮かべながら テレパシーで直接そう聞いて来る。



『モモさんの場合は誰にテレパシーを送るか選ぶことができるから余計に厄介だ』



『例えばどんな感じなんですか?』




『いつも僕に対してやっているようなことですよ…』



『だからそのいつもやっているような事って何ですか』



もうこの時点でモモさんの思うツボのような気がする。



ナギが その僕の反応を見て察してくれたのかモモさんに疑いの目を向ける。



「さてお風呂に入りましょうか勇者様」



そのナギの目からそらしてそう言ってくる。



モモさんは僕を抱っこした状態で ゆっくりとお風呂の中に入る。



『ちょっとモモさんなんで僕のことを抱っこしてるんですか?』



「そうよなんでわざわざクロリスのこと抱っこしてるの!」



僕に続くようにそう驚きの声を上げる。



「え?だって こっちの方が安全じゃないですか」



『モモさんここまでしてもらわなくても角に捕まって1人で入ってられますから大丈夫です』



「そうなのかもしれませんけど勇者様がもし溺れたりしたら大変じゃないですか」



『ていうか溺れる溺れないどうこう以前に胸が当たって…』



「どうかしましたか勇者様?」



全て分かった上でやっているくせにわざととぼけたふりをする。



『体にタオルを1枚巻いてるからダイレクトではないにしてもこれは色々とまずい!』



「あなたクロリスに何してるのよ!」



「別に私は勇者様と戯れているだけですけど?」



とぼけた口調でそう言葉を返す。



するとナギがお風呂の中に入ってきて僕を自分の膝の上に置く。



『いやこれじゃ何も根本的な解決にはなってないような気がする』



《300ポイントを取得しました》



(後書き)


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