第23話カウントダウン式トラップ

再びダンジョンの中を進んで行くと少し遠くの方に何かが置いてあるのがわかった。



「何でしょうね、この時計の針みたいな音?」



モモさんが疑問の言葉を口にする。



前に進めば進むほどその音は大きくなっていき遠くの方に置いてあるものの正体が分かった。



「何なんでしょうねこれ?」



『モモさん危険ですからあまり下手に触らない方が!』



「形だけで言うならカウントダウン式の爆弾みたいな形してますけどね」



「もし本当に爆弾だったとしたら モモさんが 下手に触らないほうがいいんじゃない!」



「やっぱりそうなんでしょうか…」



今更になって怖くなってきたようで持つ手が震えている。



その爆弾のようなものに表示されている時間は後わずか1分。



「どうしましょう」



「そんなの私に聞かれても」



そんなやり取りをして視線を戻すと残り時間はあと3秒になっていた。



モモさんは抵抗することを諦めたかのように持っていたそれを地面に落とす。



すると表示されていた数字が0になった。



爆発するのかと思ったがまさかの地面が落とし穴のように開き3人とも真っ逆さまに落ちていく。




『痛たたた』



『2人とも大丈夫!』



「私は大丈夫よ」



「私も大丈夫です」



「この穴は深すぎてとても登って行けそうにはないわね」




ナギがそう言いながら上を見る。




「どうにかして上に上がらないとですね」



「とりあえずこの先に上に登っていくための道があるかもしれないから探しましょう」



僕達は足を進める。



「何この道?」



ナギが困惑を含んだ口調でそう言った。



目の前の道は複雑に枝分かれしていてどう進んだらいいのか全くわからない。



だからといってここにずっと立ち止まっているわけにもいかないのでとりあえずしらみつぶしに進んでいくことにした。



「それにしても道が複雑ですね」



ため息をつきながらそう言葉を口にする。



「それにしてもあの爆弾みたいなやつが落とし穴を起動するための機会だったなんてね」



「私もあの時は爆発すると思って頭がパニックになりましたよ」



「モモさんがあの爆弾みたいなやつを地面に落とした時は落とした衝撃で爆発すると思ってヒヤヒヤしたわ」



そんな雑談をしながら足を進めるが全く周りの景色が変わらず進んだ気がしない。



それにモンスターと一体も遭遇していない。



『ねえさっきから全然進んでる気がしないんだけどこれちゃんと前に進んでるのかな?』




「私も分からないけど前には進んでると思うわよ」



さらに足を進めていくと目の前にいるナギがいきなり立ち止まった。



『ナギどうしたのいきなり立ち止まったりして』



「この壁は幻覚の壁だわ」



そう言いながら持っている魔法の杖をその壁の方に向ける。



すると今まであったはずの壁がなくなりそこには道が現れた。



『すごい!ナギってこんな魔法使えたっけ!』



「こんな初歩的な魔法は小さい頃に 散々勉強したからね」



僕があの勇者パーティーに居た時もナギは魔法を使っていたはずなのだが、どういう魔法を使っていたのかは、あまり覚えていない。



『あの時はそれどころじゃなかったから』



「あの時っていつ?」



ナギがそう言葉を返してくる。



『そういえばずっと2人に聞いてみたいことがあったんだけど?』




「私が答えられることなら何なりとお答えしますよ勇者様!」



『いやそこまで大した話でもないんだけどさ』



『単純に魔法使いと魔導師って何が違うのかなと思って』



僕がそう尋ねるとモモさんがこう答えてくれた。



「魔導師と魔法使いを簡単に説明すると、魔法の杖を使って魔法を放つのが魔法使い」



「魔導書に書いてある詠唱を唱えて攻撃するのが魔導師といった感じです」




『へえそれじゃあ魔法と魔導師に大きな違いはないんですね?』



「ええそうですね…」



そう言いながらモモさんはまだ何かを考えているようだった。



「あえて大きな違いを挙げるとするなら魔法使いは攻撃をすることに向いてて魔導師は回復とかのサポートに向いてるって言う所かしらね」



「まあどっちも魔力がないと発動できないっていうのは一緒なんだけどね」



「あ!あともう一つだけ魔導師と違うところがあった」



思い出したようにそう言った。



『何?』



「自分の頭の中で想像したものを魔力を使って立体化させることができる」



「クロリスには前言ったことあるかもしれないけど 頭の中で考えたものを立体化させるのはものすごい神経を使うのよ」



「それが初めて作るものだったら尚更ね」



「頭の中で考えたものを魔法で実体化させられるなんてナギさんも凄腕の冒険者なんですね」



「まあでもクロリスが本気を出した時のあの身体能力と力には到底及びそうにないけどね」



そんな話をしながら足を前に進める。



所々に幻覚の魔法がかけられているらしくナギにその魔法を解いてもらいながら進んでいく。




なんとか歩いて元の場所に戻って来る事ができた。



「はぁ大変だったけど何とか戻ってこれたわね」



ナギがため息を吐きながらそう言った。



「とりあえず足を進めましょう」



今度は罠に引っかからないように気をつけながら慎重に足を進めていく。



すると目の前にボス部屋のような大きな扉が見えてきた。



ここってボス部屋ですよね?」



確認をするようにモモさんがそう聞いてくる。



「おそらくそうだと思う」



その言葉を聞いてモモさんはその扉をゆっくりと慎重に開ける。



するとその部屋の中にはガタイのいい人型のモンスターがいた。



『すいませんモモさんこんなタイミングで申し訳ないんですけど具体的にどういう能力が使えるのかとどういうことができるのか教えてもらっていいですか?』



今までもちょこちょこ能力を見せてもらうことはあってもその能力がどういうものなのか知らないことに気づいた。



いや正確に言うなら後何歳 ももさんが能力を持っているのか知らないと言った方が正しいだろう。




幸い僕たちの目の前にいるモンスターは反対を向いていて気づいていないようだ。



『頼むあともう少しだけそっちを向いててくれ』



「私ができるのは攻撃の技が一つ使えることと身体能力や防御力があげられることと後回復能力が複数使えます」



別のモンスターに聞こえないのに耳元で小さく数を教えてくれた。



『身体能力をあげることができるっていう事以外は知ってる能力だったな』



僕は武器を構えて一歩強く足を前に出す。



 それと同時にモンスターがゆっくりとこっちに顔を向ける。



威嚇するように その鋭い赤い目で睨みつけてくる。



お互いに 動きを観察するためある程度の距離をとる。



『今だ!』



モンスターがわずかに見せた隙をついて 一気に距離を詰め剣を振り下ろす。



だがモンスターはその攻撃に気づき後ろに強くジャンプしてその攻撃を避ける。



今度はすぐにモンスターの方から距離を詰めてきて攻撃をしようとしてくる。



そのモンスターのするどい爪に頬が触れそうになったが紙一重で避けることができた。



『危なかった後数秒反応が遅れてたらあの攻撃食らってたな』



『とりあえずある程度距離を取ってモンスターの動きをある程度把握した方が良さそうだな』



(後書き)


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このお話は人気があれば続きを書こうと思っています。

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