第21話本当の道
今日は痛みに耐えながらも少しずつやって千畳閣とかできた。
自分でも昨日の痛みと緊張でなかなか眠れなかったにも関わらず よく描けたと思う。
いよいよ手術をする気が明日の10時頃になった 明日頑張ったら退院まで もう少し。
『それでなんで僕とわざわざこの森の中に入ったんですか?』
別に確証があったわけではないのだがなんとなくそう思った。
「ただ私は単純に勇者様と2人っきりになりたかっただけですよ」
いつものように冗談っぽい口調でそう言葉を返してくる。
『……』
無言のまま何も言わずにいると諦めたようにため息をついてこう言った。
「勇者様には見抜かれてしまいましたか?」
「実はずっと話すべきかどうか悩んでたんですけど」
『別に言いたくないんだったら言わなくてもいいですよ、僕はずっと待ってますから言いたくなった時に言ってください』
「いいえ言わせてください、 その代わりこの話を2人だけの秘密ってことで」
指を口元に当ててシーというジェスチャーをしながら顔に悪戯っぽい笑みを浮かべてそう言った。
「別に内緒にするつもりとかは全然なかったんですけど、別に自分から言うことでもないかなと思って」
「3年前 私がまだあの村にお父さんとお母さんと一緒に住んでいた頃の話です」
「ある日いきなり村にモンスターが攻め込んできて村の人達はパニックになり大混乱に陥りました」
「そんな中 Sランク冒険者だった私の父は村のみんなを守るため戦いました」
「その時私の母も一緒に戦っていました」
「なんとかその村に攻め混んできたモンスターを倒すことはできたのですがそれと引き換えにお父さんとお母さんは 命を落としてしまって」
モモさんの その口調はつらい話のはずなのにいつも通り顔を曇らせることもない。
まるでもうそんなことは全く気にしていないかのようなそんな気がした。
「だからその時私は思ったんです 誰かを一人でも多く守れるような強い冒険者になろうって」
「だから単純な話あの村に行って少しブルーになってたっていうだけの話なんですけどね」
「ありがとうございます僕に話してくれて」
「けどやっぱり 上には上がいるものですね」
「今の私じゃ勇者様に到底敵いそうもありませんし」
「ももさんもS ランク冒険者なんてすごいじゃないですか一番上のランクなんだし」
「
『あれ僕のランクがSSSランクだって言いましたっけ?』
もしかしたら心の中で気づかないうちに言ってしまっていたという可能性もあるか。
「そんなのわざわざ勇者様本人から聞かなくても耳に入ってきますよ」
「本来Sランクが一番上のはずなのにそれを余裕で飛び越しちゃうんですから」
『まあ僕の場合 勇者の紋章の力のお陰ってのもありますからね』
「私はそれだけじゃないと思いますけどね」
『それだけじゃないって』
『とても大事なものを守るために力を発揮できるとか?』
『僕にはそんな大事な人なんていませんよ』
「私は大事な物って言ったんですよ人とは言ってません」
「それとも本当に大事な人がいるんですか」
からかうような口調でそう言ってくる。
『あ!』
それから僕はモモさんに何回かいじられた。
木の棒がある程度集まったところでナギのいる場所へと戻る。
「2人ともおかえり今魔法で火をつけるから持ってきた木はそこに置いといて」
言われた通り持ってきた木を地面に置く。
「ファイヤーボール」
その木に小さい炎で火をつける。
ナギが言ってくれた魚を焼いて食べる。
その最中モモさんがさっき僕に話してくれた話をナギにする。
さっきと同じように 暗い表情をまったく見せることなく話す。
「そろそろご飯を食べ終わった所で寝るとしましょうか」
そう言いながらナギが焚き火の火を消す。
次の日、目を覚ましゆっくりと体を起こす。
『首が痛い』
そう思いながら顔をナギ達が寝ているほうに向ける。
するとちょうど目を覚ましたようでナギがこっちに目線を向ける。
モモさんを起こしたところで目的地に向かって再び歩き始める。
「おかしいですね地図の通りに向かっているはずなんですけど?」
モモさんが疑問を漏らす。
とりあえず僕達はその地図の通りに足を進めた。
「やっぱりまた行き止まりですね」
「ちょっと待って」
ナギが そう言いながらその壁に触れる。
するとその触れている手が壁をすり抜けた。
「これはただの幻覚みたいね」
「てことは今まで村にたどり着けなかった人達は私達みたいにこの壁を本当の壁だと思っていたってことですか?」
「とりあえず進んでみましょう」
「おそらくそういうことでしょうね」
特に何の苦労もなくその壁を通り抜けることができた。
「見えてきましたよあそこじゃないですか」
そう言ってモモさんが少し遠くの方を指差す。
そっちの方に視線を向けてみると確かにそこには 村があった。
「行ってみましょう」
その村の中に入るといきなりガタイのいい男3人に肩をわざとぶつけられた。
「邪魔なんだよガキが」
その男達の見た目は見るからにきんぴらの格好をしている。
揉め事になっても面倒臭いのでとりあえず頭を下げて謝る。
「謝るだけで済むと思ってんのか ガキが!!!」
3人の男たちのテンションの上がりようが明らかにおかしい。
『本当はどうなのか分からないけどこの人達ももしかしたら麻薬をやってるのかな?』
「あーーー!!!」
訳の分からない叫び声をあげてズボンのポケットからナイフを取り出してナギ達の方に向ける。
『2人とも危ない!』
僕は2人をかばうように目の前に立つ,
「クロリス!」
「勇者様!」
僕はそのナイフで刺される直前に2本の指でそのナイフの刃を受け止めていた。
「なんだこのガキたった2本の指でナイフを受け止めやがった!」
「離せこのガキが!」
『そこまで言うなら離してあげよう』
そのナイフを離したと同時に男の人達との距離を一気に詰め一人の男を勢いよく殴った。
するとその男が殴った衝撃で2Mほど吹っ飛んで壁に激突した。
すると同時に村の人たちはそれぞれ驚きの声を上げる。
『ナギ達を守ることに必死で頭が回らなかったけど村の人達にぶつからなくて良かった』
「ななななんなんだその赤ん坊は!」
2人のガタイの良い男が仲間の一人が吹っ飛ばされた光景を見て声を震わせながらそう言ってくる。
「これ以上私達に手を出さないって約束してくれるんだったら私たも達これ以上手を出さない」
「なめやがって!」
そう言って2人の男達もズボンのポケットからナイフを取り出しナギに向かって攻撃をしようとする。
『ナギ!』
『こんなチンピラ二人なんて魔法を使わなくても私一人で倒せるわよ!』
その宣言通りに2人の男が持っているナイフを叩き落とし勢い良くパンチを繰り出して倒した。
「ちょっと聞きたい事があるんだけどいいかしら」
ナギが その男2人は無言で2回頷く。
「それじゃあこの村で今流行ってる麻薬がどこから来ているのか教えてくれる?」
「俺達は全く分かりません」
「嘘をついてるわけじゃないわよね」
「ついてませんついてません!」
そう言って何度も何度も首を横に振る。
「信じてください俺達は麻薬がどこから来てるのかなんて知らないんです受け取っているだけなので」
(後書き)
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このお話は人気があれば続きを書こうと思っています。
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