第6話スキル習得
『このまま逃げてるだけじゃ絶対にやられる あのモンスターにどうやって攻撃をしたら』
『そうだ!ナギ僕を下に降ろして』
『見た目は赤ん坊になっちゃってるけど身体能力が変わってないんだったら僕もナギと一緒に戦えるかもしれない!』
「ダメよそんなの!」
強い口調で否定されてしまった。
「いくら新体能力がそのままだって言っても見た目が赤ん坊なことは変わらないんだからモンスターに踏みつけられて終わりよ」
「ていうか今クロリス武器持ってないでしょ!」
「武器も持たずにモンスターに挑もうなんていくらなんでも無謀すぎる!」
「とりあえずモンスターからなんとか距離をとって様子を見る!」
「それから作戦を立てて攻撃をする」
「今度こそ私がクロリスを守る…」
「今なんか言った?」
何か言っていた気がするのだが小さくて聞き取れなかった。
「とりあえず距離を取りましょう」
遅れて僕の頭の中に流れてくるのかと思ったがどうやら声に出した言葉は流れてこないらしい。
前々から薄々そのことについては気づいてはいたのだが今ので確信に変わった。
『じゃあ聞かれたくないことがある時は小さくそのことをつぶやけばいいのか』
『いやたとえそうだったとしてもバレるかもという可能性がなくなるわけじゃないか!』
「わけのわからないこと考えてないで私にしっかりつかまってなさい!」
僕はナギに言われた通りしっかりと身体にしがみつく。
今はモンスターとの距離を一定に保ててはいるがモンスターが着実に近づいてきていることは間違いない。
モンスターは目の前にある木を切り倒しながら近づいてくる。
『まずいこのままじゃ距離を詰められるのも時間の問題だ!』
僕がそう言うとナギは足を止めてモンスターのほうに顔を向けそれと同時に魔法の杖をむける。
「ファイヤーボール!」
そのモンスターに向けて打ったファイヤーボールはモンスターに直撃したが 全くダメージを食らった様子はない。
「うおおおーーー!!!」
モンスターが起こったようで大きな叫び声をあげた後さっきよりも速いスピードで距離を詰めてくる。
ナギも走るスピードを上げて距離を離そうとするがなかなかそううまくはいかない。
とりあえず何が何でも距離を離そうと走り続ける。
『僕にも何かできることはないのか!』
しばらく走り続けていると壁にぶつかってしまったが、なんとか右に曲がって逃げ続けることができた。
僕がしばらくどうしたらいいか考えていると目の前にスキル習得の画面が出てきた。
《ポイント100を使ってスキルマルチウェポンを習得しますか?》
どういうスキルか分からなかったが今の状態を抜け出すためには考えている余裕は無いと思い、スキル習得を選択した。
すると片方の手に赤ちゃんが遊ぶときに使うガラガラのようなものが現れた。
正しい使い方はわからなかったがとにかく全力でそのガラガラを振ってみた。
だが綺麗な音が鳴るだけで特に何も怒った様子はない。
「何そのガラガラなんかの武器とかじゃないの?」
『僕もよくわからないよ』
一瞬のことだったモンスターが僕達との距離をあっという間に詰めてきてその鋭い爪で攻撃をしようとする。
もうこれで終わりだと思っていたが!なかなかモンスターが攻撃してくる気配がない。
怖がって閉じてしまっていた目を開けてみるとそこには大きなモンスターがもう一体いた。
まるで僕達2人をかばうように敵のモンスターの攻撃を受け止めている。
そのモンスターが僕の方に鋭い目を向ける。
だがそのモンスターからは僕達を攻撃しようとする意思を全く感じなかった。
『もしかして僕達のことを助けてくれるの?』
心の中でそう言うとモンスターに伝わっているのかいないのかわからないが頷いてくれた。
その2体のモンスターは取っ組み合いの闘いになった。
しばらくその取っ組み合いの闘いが続いたが隙を突かれ敵のモンスターが再びナギに向かって攻撃をしようとする。
『まずいナギを助けないと!』
そう思った次の瞬間僕の体が強く青い光に包まれた。
そのモンスターの爪が青い光に触れると弾き返した。
「クロリス何今の青い光は!」
驚いた口調でそう聞いてくる。
『僕にも分からないそんなことよりけどナギ怪我はない大丈夫?』
「ええまぁ大丈夫だけど」
『それじゃあ早くあのモンスターを倒そう!』
『ええそうね』
ナギは杖を構えなおして再び攻撃をする。
どうなるんだろうという不安もあったが もう一度手に持っているガラガラを振ってみた。
すると僕達を守ってくれているモンスターの動きが 今までよりも素早くなった。
『間違いないこのモンスターは僕が持ってるガラガラの音に反応してる』
それからナギもそのモンスターの攻撃に続いて畳み掛けるように攻撃をする。
すると今まで苦戦していたのが嘘かのような圧倒的な力の差で敵のモンスターを倒した。
『無事に倒せてよかったね』
僕はホッと胸を撫で下ろしながらそう言った。
『ええ無事に倒せてよかったわ』
そんな会話をしているとさっきの助けてくれたモンスターが僕に近づいてきて撫でて欲しそうに頭を差し出してくる。
『助けてくれてありがとね』
心の中でそうお礼を言いながら狼のような見た目をしたそのモンスターの頭を優しく撫でる。
するとそのモンスターは満足したような表情で後ろを向いてゆっくりと森の中へと戻っていく。
「さてせっかくモンスターを倒したし素材を回収してギルドに持って行こう」
モンスターの素材を回収した後僕たちはキルドに戻った。
「おかえりなさいそれでクエストの方はどうでしたか?」
「無事に達成できました」
そう言って薬草が入った袋をカウンターに置く。
「あ!そうだこれ一応鑑定にかけてくれますか?」
思い出したようにそう言ってさっき倒したモンスターの素材を受付の人に手渡す。
「これは!上位モンスターのチャイルドモンキーの毛皮じゃないですか、確かあそこらへんには強いモンスターはいなかったはずですけどどこでこれを手に入れたんですか?」
「私もそう思ってたんですけどどこから来たのかいきなり襲われて」
「わかりましたとりあえず鑑定にかけて結果が出るまで少し時間がかかると思うので待っていてください」
「分かりましたありがとうございます」
しばらくギルドの中にある椅子に座って待つことになった。
しばらくすると。
「ナギさん結果が出ましたよ」
受付の人にそう声をかけられ椅子から立ち上がってカウンターの前に立つ。
「やはりこの素材は上位モンスターのチャイルドモンキーの素材で間違いないようです」
「よかったこれでお店に行けば強い装備を作ってもらえる」
「初クエストでこんな大物を倒してくるなんてさすが最高ランクのSランク冒険者なだけありますね」
「実はそのモンスター私とこのこで倒したんですよこの子が持っているスキルがすごくて」
『ていうかあれは僕が倒したって言うよりほとんどあの狼みたいなモンスタートナギが2人で倒してたそうな気がするけど』
『さっきはどうなるかと思ったけど無事に倒せてよかった』
(後書き)
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