第16話真実の目

第16話


僕はゆっくりと目を覚ます。


『ここは…』


少し考えて現実の世界に戻ってきたことに気づく。


『そうだナギ達は どうなったんだ』


そう思い急いで自分の体を起こしあたりを見渡す。


すると周りの霧は少し腫れていた。


ふと少し顔を上げるとそこには小さめの鎌を持ってフードをかぶった人型のモンスターがそこに立っている。



「ぐおおおーーー!!!」


そのモンスターが叫び声のような声を上げながら手に持っている鎌を勢いよく振り下ろしてくる。


少し反応が遅れたがその攻撃を無事に避けることができた。


『2人は!』


急いで辺りを見回して2人の姿を探す。


すると少し遠くの方に2人が並んで横になっているのが見えた。


急いでふたりのところに駆け寄り体を揺さぶって起こそうとするが全く起きる気配がない。


『仕方ない 少し荒っぽいやり方になっちゃうけど2人ともごめん』


そう心の中で謝りながら二人の頬を少し強めに叩いた。


「ああクロリスどうしたの?」


ナギが体を起こしながら寝ぼけた口調でそう言ってくる。



続けてモモさんも体を起こす。


『モンスターが2人のことを襲おうとしてるんだよ!』


ナギがモンスターのほうに目を向けるとようやく目が覚めたようでハッとした顔をしていた。


3人ともそれぞれ武器を構える。


敵のモンスターは鎌を構えなおし襲いかかって来ようとする。


モンスターが普通にその鎌で攻撃をしてくるのかと思ったがモンスターの赤い目を見たと同時に僕の意識がそこで途絶えた。



僕が再び目を覚ますと知らない天井が目に入った。



体起こしてふっと横を向くとそこにはナギがいた。


「あ!クロリス目が覚めたの」


そういったと同時に僕のことを強く抱きしめる。


「全く心配させないでよ」


目の端に涙を浮かべながら僕にそう言ってくる。


『耐えるんだ耐えるんだ僕これはただの夢でしかないんだから!』


『そうこれはさっき戦ってたモンスターが見せてるただの幻覚でしかない!』


頭の中では分かっているがナギに触れられている感覚、匂いは全て本物にしか感じられなかった。


「クロリス何があったの?」



「いや別に特に何もないけど…」


口ではそう言いつつもあからさまに目をそらしてしまう。


「私には嘘つかないで!」


そう言って僕の顔を両手で挟み強制的に顔前まで持ってこられる。


「それとも私にすら相談できないことなの?」


そう言いながら再び目の端に涙を溜めて悲しそうにそういう。


「いや別にそういうわけじゃなくて!」


慌ててそう訂正する。


こんな状況で こんなことを考えてしまってはいけないことはわかっているのだが。


『どうしよう可愛い!』


思わず心の中でそう思ってしまった。


『早くこの幻覚の世界から抜け出さないと!』


そう思い再び自分の頬を力強く殴ろうとすると、ナギにそれを止められてしまう。


「もう自分で自分を傷つけるのはやめて!」


悲しそうな表情でそう言ってくる。


「クロリスが辛いんだったら私がいくらでも相談に乗ってあげるからだからもう自分で自分を傷つけないで!」


もう一度今度は力強くそう言ってくる。


「ご飯でも食べながらゆっくり話聞くから」


そう言いながらナギが立ち上がってキッチンの方に向かう。


「夜ご飯作っちゃうからクロリスはそこに座ってちょっと待ってて」


エプロンを身につけ料理を始める。


この隙に自分で再び頬を殴り意識を飛ばそうと考えたが、またナギに止められてしまうような気がした。



結局僕は意識を飛ばすことができず。


「お待たせ夜ご飯できたよ」



テーブルの上にいろんな料理が並べられていた。


「いただきます」


早くこの世界から抜け出せないきゃいけないことはわかっているのだが、体が言うことを聞きてくれない。


だんだんと自分の体が自分のものじゃなくなっていくような感覚になった。


というよりも他の誰かに操られているような感覚だ。


僕は半分操られたような状態でナギが 作ってくれたご飯を食べる。


そのナギが作ってくれたご飯は幻覚の世界のものとは思えないぐらいとても美味しかった。


『だめだだめだだめだだめだ!こんな偽物の世界でずっと過ごしているわけにはいかないナギ達が 今にもあのモンスターにやられてるかもしれないんだから!』


自分に強くそう言い聞かせ再び自分の頬を強く殴った。



再び目を覚ますと丁度モンスターに鎌で殺される直前だった。



驚きはしたがなんとかその攻撃をぎりぎり避けた。



「クロリス大丈夫!」


隣にいるナギがそう声をかけてくる。


『僕は何分ぐらい意識を失ってた』


『え?わずか3秒ぐらいだけど』


『気を失っている間の幻覚の世界の時間の流れと現実世界の時間の流れはあんまり関係ないみたいだな』


『とりあえず敵モンスターの幻覚の攻撃をなんとかしないと、意識がどっかに飛んでいる間にやられちゃう』


モンスターが再び僕に向かって攻撃をしようとしてくる。



冷静にその攻撃を避ける。


モンスターが距離を詰めてくると同時に再び目を赤く光らせる。


急いで自分の目を腕で覆って隠す。



自分の目を覆っていた手をどけるとすぐ近くまでモンスターが距離を詰めてきていた。


『しまった』


モンスターから右から左に繰り出された攻撃を後ろに下がって避けようとしたが、避けることができず。


わずかに その敵の鎌に 頬が触れてしまう。


『やっぱりただ単に自分の目を腕で隠すだけじゃ敵に攻撃される隙を与えるだけか』


とりあえず僕はモンスターとの距離をある程度取りながらじっくりと攻撃する隙がないか探る。



「ファイヤーボール!」


「黒き炎に焼かれその身を灰とかせ 爆裂炎天ばくれつえんてん


さっきから2人も一緒に攻撃をしてくれてはいるのだが、攻撃を当てる直前でモンスターが周りの霧を操り姿を隠して攻撃を避ける。


『これじゃあ拉致があかない!』


とにかくこの状況を変える方法はないかと考える。


すると目の前にスキルを取得する画面が出てきた。


《スキルポイント300を使って ガラガラをレベルアップさせますか?》


僕はこの状況を変えるには新らしいスキルを覚えるしかないと思いはいを選択した。


僕はガラガラを手に持ってはいるものの何をしたらいいかわからない。


『一体これどうしたらいいんだ痛みも見た目も変わってないみたいだし』 


『せめてこの周りを覆っている霧をどうにかできればなんとかなるかもしれないけど』


するといきなりその手に持っていたガラガラが強い光を放ち形を変形させた。


その形は棍棒のようなものだった。



突然周りの霧が濃くなりそれと同時に僕達は眠気に襲われる。



『ここで眠ったらダメだ!』


僕は地面に倒れる直前手に持っているコンボウで自分の顔を殴りつけた。


今まで感じていた眠気は一気に吹っ飛び再び立ち上がる。


『このモンスターを倒すんだ!』


心の中で強くそう思うと同時に手に持っていたコンボウが、モンスターの体の10倍ぐらいの大きさになった。


なぜか分からないが とてつもなく大きいにも関わらずコンボウの重さは全くなかった。


『これで終わりだーーー!!!!』


手に持っているコンボウをそのモンスターに向かっていきよいよく振り下ろす。


ドンという大きなものすごい音と同時に地面はひび割れそのモンスターはぺしゃんこになっていた。


『よかった何とか倒せた』



(後書き)


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このお話は人気があれば続きを書こうと思っています。

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