公式配信第34回

 カレンダーは8月……。


 そういえば、高校野球も明日が決勝戦。本日は休養日になっているようだ。


 昨日のゲリラ豪雨も物凄かったようだが、やはり雨雲レーダーのチェックは欠かせないだろうか? 


 そんな中で、配信が始まる。



『皆さん、お待たせしました。アーカーシャチャンネルの管理人です』


 画面に姿を見せたのは、ショートヘアに若干巨乳なメイド服姿の女性。今回は、ニーソックスは着用しているが、メガネに若干の変化がある。


 前回とは違い、いつものメガネを着用していた。やはり、あの時はイメチェンだろうか。


 しかし、新モデルでもないのに、メガネなどのパーツ単位で切り替えができるモデルと言うのも……珍しいのだろうか。


 管理人は女性であり、管理人代行の方が男性である。この辺りは何度も言及しないと、ニアミスを起こしそうではあるかもしれない。


 配信の場合、注意事項のアナウンスなどは冒頭で言及されるので、ここからテーマに入るまでのトークもその類と思っていただければ、と。


 セットに関して言えば、変化はなかった。


『様々な時間、過去、未来……この辺りはざっくりと』


 管理人の注意事項はざっくりカット。アーカイブを見てね、という事らしい。


 定例文のアナウンスをしなければ、悪意あるインプレゾンビなどが炎上の為に拡散する可能性は否定できないし、そういった行為が一切発生しないとも言い切れないだろう。


 ここのコピペにも似たような行は……たいていが読み飛ばされるような宿命である。



『現在、特別配信期間に突入しておりますね』


 8月の配信は、特別配信。公式切り抜きの方も閲覧数が若干増えているが、それ以上にリアル配信をしている方のサイトでも反応があった。


『アーカーシャチャンネルの観測は原則としてフィクションです。実在する団体などとは一切関係ありませんよ』


 SNSのトレンドを見れば、様々な炎上しているような案件を見かけることはあるが、彼女がそう言った炎上案件で閲覧数を安易に稼いでバズるようなことはしない。


 あくまでも彼女の観測はフィクションだ。現実に似たような案件があったとしても、それとの関連性はないだろう。


 この辺りの定型文も入れないといけないのだが、文字数稼ぎと思われたくないので割愛される。


 ネガティブが含まれる、もしくはインプレゾンビなどが集中するような話題も、彼女は基本的に取り上げない。


 そうした話題で炎上するのを防ぐためとも言えるが……。



『今回は異例中の異例で、朝配信なのです。本当の意味でおはようVTuberになっていますね』


 考えてみれば、今は朝の時間帯だ。まさかの展開に、驚きを隠せない。


『昨日は、観測できるものが確認できなかったので……毎日更新と言及しておきながら、配信なしとなりましたが』


『だからと言って先ほども言及したとおり、ネガティブを含むものとか無理に配信しても……と言うことなんですよね』


 彼女でもアイディアが浮かばない時期もある。一時期に体調不良でダウンしたこともあったが、そういう事だろう。


 アーカーシャチャンネルの場合、熱暴走でダウンとも言えるかもしれないが。


『それでも唐突にネタが思い浮かぶことはあります』


『一方で、そのネタがあまりにもアレだったりしたら……という事で不採用になることはありますが』


 その彼女でも唐突にアイディアが浮かぶことは何度もある様子。


 今まで投稿した小説作品を見れば、それも分からないでもないような展開だが。


 それでも、内容が不適切だったりした場合には没にすることもある。


『何故不採用にするかって? 他作品で既に使われているネタだったら……という事で没にしたことはありますが』


『中には、他作品で使われていてもそのまま使うケースもありますが、それは非常にレアなケースでしょう』


『ニュースを見て、ふと思いついたアイディアもいくつかあるのですが……長編にするには弱くて短編で公開したケースもあります』


 アーカーシャチャンネルでも、ある種のボーダーラインはあるのだろう。


 有名な作品で使われていたネタを、そのまま使ってはさすがにまずい。それを踏まえ、小説にする際はロケハンも重ねてネタを作り変えるようなこともある。


 それが、アーカーシャチャンネルの作品なのだろう。さすがに、アーカーシャチャンネルの日々は別扱いかもしれないが。



 雑談枠はグラブルに。そういえば、本日で最終日のイベントもあったのだった。


 そのプレイ時間を何とかして、今回の配信をやっているのだろう。


 さすがに、小説サイトに公式切り抜きを出す都合上、ここの雑談枠はカットされる。



『皆さんも、可能であればレッツVTuber、なのですよ』


 最後の台詞は元気よく、ポジティブを強調して配信は終わった。ワンパターンではあるが、ある意味でも様式美だろうか。


 アーカーシャチャンネルを広めるためにも、彼女は配信を続けていく。


 目標は収益化だが、小説サイトの場合は何をもって収益化とするのかはボーダーラインが見えてこない。


 色々と大変なのだろう。



 次回の配信スケジュールを見ると予定は未定の一方で、更新に関しては企画の関係上でも期待が持てる。


 一方で、ソシャゲのイベントなどにも言及していたが、こちらのプレイ時間もある程度確保しないといけないので、その辺りのリソース配分が大変という事らしい。


 イベントが増えると、それこそ大変だが……。今回の配信は、いわゆるイレギュラーだったのだろう。


 終盤も一部がコピペ気味だが、キャプション文などは定型文なVTuberは多いので、この辺りは彼女の特色と言えるだろう。


 この配信をきっかけに、アーカーシャチャンネルが話題になる事を信じて。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る