公式配信第11回
今回の配信は臨時配信との事だが、少し配信があっただけにペース的な意味でも心配はある。
内容に関しては深刻な内容というわけではない、とキャプション文には書いてあった。いつものことだが。
特に記載はないのだが、いわゆる雑談という事のようである。
一体、何を話すというのだろうか。
そして、配信は始まろうとしている。
『皆さん、お待たせしました。アーカーシャチャンネルの管理人です』
姿を見せたのは、ショートヘアにメガネ、若干巨乳なメイド服姿の女性である。
それとは別にセットの中には、ポスターも数点ほど見えるのだが、ファンアートというわけでもAIアートの部類でもない。
前回の配信とあまり変わらない事もあるのだが、気づく視聴者はいるのだろうか?
『様々な時間、過去、未来、それこそ別次元……そうした様々なものに存在する時間の出来事、それらを観測するのがアーカーシャチャンネルです』
『皆さんにお願いがあります。アーカーシャチャンネルが観測できることは、全てが真実とは限りません。その一方で、観測した内容を炎上目的や単純なバズり、それこそ世界を混乱させるのに悪用する人はいるでしょう』
『私たちの情報はあくまでも観測、未来に起こるかもしれない出来事でも変えることはできます。安易な炎上によるバズり目当ての記事などには耳を貸さず、炎上案件に関しては拡散の阻止にもご協力ください』
『我々の観測した情報を生かすも殺すも、皆さんの情報に対する向き合い方ひとつで変わるのです。見たくない話題にミュートをかけているような状態のユーザーにも、観測した内容を無理やり見せるような行為は……我々も望んではいません』
『皆さんにも、この辺りに関してご理解とご協力をお願いします』
管理人の注意事項、それは情報を扱うユーザーにとっては色々と課題が多い。
今の時代、誰もがSNSのアカウントを持って情報発信を行うような時代である。それを踏まえると、こうした注意事項も必要かもしれない。
さりげなくだが、前回配信ではばっさりカットだったので久々とも言えるだろうか?
『今回は、いわゆる雑談ですね』
『どうして、アーカーシャチャンネルでは雑談や告知の部類が多いのか、気になりますよね?』
『その辺りを含めて、説明できる範囲で説明をしようかなぁ、と』
前回はコンテストの告知だったが、今回は雑談や告知などの配信が多い理由の説明らしい。
『小説サイトによっては、二次創作が認められていないケースが非常に多いです。ゲーム実況などが動画サイトを探せば、色々と多いとは思いますが……小説サイトだとどうでしょうか?』
『架空ゲームの実況であれば実況者を題材とした小説などでやっていることはありますし、TRPGのリプレイ風小説というのも存在します』
『ですが、小説サイトの場合は二次創作が認められていないので、実在するゲームの実況を文章にして小説化するのは、非常に厳しいと言わざるを得ません』
確かに小説サイトでは架空の実況者を題材にしたゲーム実況小説もあるかもしれないが、それらの実況者がプレイしているのは動画サイトで見かけるようなゲームではない。
麻雀やトランプ、囲碁や将棋などであれば小説にもできるだろう。しかし、テレビゲームなどはどうしても小説サイトだと架空のゲームにならざるを得ない。
レースゲームなどのジャンル単位で架空作品であれば問題ないかもしれないが、実在タイトルの名前を出した段階で……という事なのだろう。
『ゲーム実況もそうですが、中には告知であっても実在タイトルを出せないケースもあるので、この辺りの匙加減は難しいのです』
『過去に創作ノウハウを書いていた時は実在タイトルも出しましたが、それはジャンルがエッセイ・ノンフィクションという事で成立しているような個所もあるでしょう』
『しかし、アーカーシャチャンネルは小説サイトで活動するVTuberではありますが……フィクションであるかノンフィクションであるか、そのラインが曖昧と言えるかもしれません』
『そういったこともあって、アーカーシャチャンネルはノンフィクションな側面は一部でありつつも、フィクションという体裁で書いているという……』
このあたりは色々と小説サイトのガイドラインなどを踏まえて活動しているのだろう。何をいまさら……という声もあるが。
アクセス数目的で手段は問わないという事で、こうしたことをやってしまったら、それこそ活動も危うくなる、というべきかもしれない。
やっていることは、あくまでもなりきりとしてのキャラクターではなく、動画サイトと同じVTuberなのだから。
『これも前に言及したかもしれませんが、SSVTuberの名称を自分が独占する事はないと思います。広めるために特許なり取っておくべきなのでは……という声はあるかもしれませんが』
『自分以外にも同じようなVTuber活動をする人が現れれば、それは構いません。その一方で、ジャンル無関係な第三者利益を独占しようという動きはさすがに……』
『自分も収益化できれば良いのですが、この辺りは色々と……あるのですよ』
このほかにも色々と言及したようだが、その詳細は覚えていない。いずれ、何処かの切り抜きなどで明らかになるかもしれないし、その時に確認できれば良いだけの話だ。
『皆さんも、可能であればレッツVTuber、なのですよ』
最後の台詞は元気よく、管理人らしくはないような表情を見せることもあった。これが、お約束になっていくかは定かではない。
次回の配信スケジュールを見ると、不定期配信という形で行っていくようだ。今回の唐突な配信も、不定期配信というケースに該当するだろうか。
安易な収益化を狙っているわけではないが、今後も急なスケジュール変更がない限りは配信を行うようでもある。
この配信をきっかけに、アーカーシャチャンネルが話題になる事を信じて。
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